【杉村富生の短期相場観測】 ─原油安は産油国からのプレゼント!
「原油安は産油国からのプレゼント!」
●FBRの利上げは最終局面に入る!
日米両市場ともに、堅調な相場展開が続いている。FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ幅緩和(11月は0.75%、12月は0.50%、2月は0.25%)の影響が大きい。利上げは3月に打ち止めとなろう。次のFOMC(連邦公開市場委員会)の開催は3月21日~22日だ。すでに、アメリカの長期金利は急低下をみせている。
ちなみに、米10年国債利回りは3.396%(昨年10月24日のピークは4.246%)、30年国債利回りは3.555%(同4.384%)だ。これを受け、 NASDAQ指数は2月2日、384ポイント(3.25%)高と値動きが一変してきた。さらに、SOX(半導体株)指数が底入れ、反騰態勢を鮮明にしている。これが日本企業を刺激する。
日経平均株価は2月3日、2万7612円のザラバ高値をつけた。1月4日の瞬間安値2万5661円比1951円幅、7.6%の急騰劇である。抜群に強い。まさに、「節分天井」に向け、「まっしぐら」といった感じだが、個別物色機運は極めて旺盛だ。まあ、インデックスはともかく、そんなに心配する必要はないと思う。
原油価格(WTI)は1バレル=75~76ドルに値下がりしている。昔、「花は涙の贈りもの」と唄った人がいたが、原油安は産油国から消費国へのプレゼントだ。ヨーロッパ、中国、日本などへの経済効果が見込める。アメリカのCPI(消費者物価指数)上昇率は昨年6月の9.1%(12月は6.5%)がピークになっている。
●ジャパニアス、静甲、eWeLL などに妙味!
物色面はどうか。ハイテクセクターの戻りが期待できる。レーザーテック <6920> [東証P]、東京エレクトロン <8035> [東証P]、アドバンテスト <6857> [東証P]などだ。一方、ファナック <6954> [東証P]は3月末に1対5の株式分割を行う。東証の要請に応じ、最低売買金額を下げる狙いがあろう。
アメリカ企業はドラスチックというか、ダイナミックだ。シェブロン<CVX>は750億ドル(約9.8兆円)の自社株買いに進む。これは同社の時価総額の2割に相当する。メタ・プラットフォームズ<META>の自社株買いは400億ドル(5.2兆円)だ。時価総額の約1割になる。いや~、金額がでかい。株主還元の一環である。
日本企業の場合、前述の半導体関連株に加え、キーエンス <6861> [東証P]、ローム <6963> [東証P]、ファーストリテイリング <9983> [東証P]、信越化学工業 <4063> [東証P]、HOYA <7741> [東証P] 、ダイキン工業 <6367> [東証P]などの株価対策(こちらは株式分割が有効)が必要ではないか。
このほか、個別銘柄では売られすぎ→急反発の新日本科学 <2395> [東証P]、FIXER <5129> [東証G]、PER4.8倍、30円配当のヤマイチ・ユニハイムエステート <2984> [東証S]、パチスロ・パチンコ業界の変革(スマート化)、新紙幣発行のメリットを満喫するダイコク電機 <6430> [東証P]はじっくり狙える。
さらに、製造業のIT支援、人材(技術者)派遣のジャパニアス <9558> [東証G]は独歩高だ。この強さは評価できる。物流の「2024年問題」に対応する日本パレットプール <4690> [東証S]、電子カルテのeWeLL <5038> [東証G]、思惑人気が高まるEV(電気自動車)関連の静甲 <6286> [東証S]などに妙味があろう。
2023年2月3 日 記
株探ニュース