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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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1430 1stコーポ

東証S
821円
前日比
+3
+0.37%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
6.5 1.16 4.63 1.10
時価総額 110億円
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1stコーポ Research Memo(1):2023年5月期2Qは建築事業が好調。通期計画を上回る勢い


■要約

ファーストコーポレーション<1430>は、マンション建設に特化した建設会社である。創業は2011年6月と歴史が浅いが、2015年3月に東京証券取引所(以下、東証)マザーズに上場したのに続き、2016年12月には東証1部市場に指定替えと、創業からわずか5年半で1部上場企業になるスピード上場を果たし、文字どおりの急成長を遂げた。

社是は「より良質な住宅を供給し、豊かな住環境に貢献する」で、「安全・安心・堅実」をモットーに事業を展開している。主要事業エリアをマーケットの将来性が高い首都圏(1都3県)とし、分譲マンション建設に特化した工事請負を主として事業を推進してきた。足元では、再開発事業、アクティブシニア向け分譲マンションに注力しているほか、人生100年時代に対応した「ウェルビーイングシティ構想」に基づく自社分譲マンションブランド「CANVAS(キャンバス)」の展開にも注力している。初の開発案件として京王相模原線多摩境駅に総戸数183戸に上るCANVAS南大沢を建設した。「ウェルビーイングシティ構想」とは、「住・食・働・学・遊・健・看」をキーワードに、様々な世代の人たちにとって終の住処になるような分譲マンションを開発していこうとするものである。将来的には同コンセプトに基づく街づくりに着手していくことも計画している。

同社の急成長を支えているのが「造注方式」と呼ぶ事業モデルである。これは開発部隊がマンション用地を仕入れ、企画・設計を行い事業主に提案、特命で工事を受注して施工し引き渡す方式だ。これによって、主体的に企画提案を行うことができるため、競争入札で建設工事を受注する場合と比較して契約条件が良くなるという特徴がある。これにより、事業運営の効率化や安定した利益確保を可能としている。

ゼネコンとして、土地開発の専任部隊を有し、これが強みとなっているほか、スピーディーな決裁プロセスによって、競合に対し優位に立っている。同社が主戦場としている首都圏においては、なお市場開拓余地が大きく、この「造注方式」を活用することによって、中長期的に成長が見込まれると弊社は考えている。最近では、東京圏での都区部からニーズが強い郊外に力点を置き、受注拡大に注力している。2023年5月期第2四半期においても、神奈川県横浜市港北区、神奈川県相模原市緑区などで分譲マンションの建設を行っている状況である。

2023年5月期第2四半期は、売上高が前年同期比30.1%減の10,177百万円、営業利益が同19.1%減の652百万円と減収減益となった。不動産案件の成約がなかったことにより、売上高と営業利益が減少した。一方で、建築事業は堅調に推移した。完成工事高は前年同期比25.5%増の9,330百万円、完成工事総利益は同30.4%増の1,004百万円と増収増益を達成した。完成工事高に関しては、新規受注が好調に推移したほか、大型案件である千葉市中央区の案件が着工したこと等が寄与した。完成工事総利益に関しては、既に着工済みの造注案件に加えて、新規造注案件の受注があったこと等が利益の伸長に寄与した。建築事業の受注も順調だ。通期で7件を想定しているところ、2022年11月の時点で6件の実績となっている。2023年5月期第3四半期にさらに2件を受注する計画であり(そのうちの1件は2022年12月に受注済み)、通期の受注計画を上回ることはほぼ確実な状況である。

2023年5月期の見通しは、売上高が前期比7.2%減の28,000百万円、営業利益が同6.5%増の2,044百万円を見込んでいる。2022年5月期に発生した期初想定になかった不動産案件の成約を見込んでいないため、売上高のみ前期を下回るものの、大型案件である千葉市中央区の本体工事着工等により、営業利益は前期を上回る計画を立てている。通期の業績予想に関して、達成の確度は高いと弊社は考える。千葉市中央区の案件が2022年11月に無事着工したほか、受注も好調に推移することが見込まれるためだ。先述のとおり、通期の新規受注は8件を見込んでおり、受注金額は過去最高を記録することを見込んでいる。加えて、事業用地の売却に関しても現在商談中であり、2023年5月期中の売却を計画している状況だ。

また、同社の新マンションブランド1号案件である「CANVAS南大沢」は2022年4月に第1期分譲を開始しており、堅調な販売成績であるという。販売価格に加えてサービス利用料がかかるなど、高価格帯案件であるにもかかわらず販売が堅調に推移していることは、同社の「ウェルビーイングシティ構想」に対して顧客の支持が高いことの証左と言えるだろう。

■Key Points
・マンション建設特化型ゼネコンで造注方式が強み
・2023年5月期第2四半期は減収減益も建築事業は好調
・2023年5月期は大型造注案件の着工により増益を見込む
・分譲マンション自社ブランド「CANVAS」の分譲は堅調に推移

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)

《YI》

 提供:フィスコ

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