貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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5706 三井金属鉱業

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ドル安&中国需要で基調転換、「金・非鉄」関連株に描く3つのシナリオ <株探トップ特集>


―世界景気回復ならコモディティ高局面に、昨年後半の下落から逆襲高も―

 2023年の新年を迎えたが、早くも今年の特徴となりそうなトレンドが見え始めてきた。そのひとつが金・銅といったコモディティ(商品)価格の上昇だ。昨年秋以降のドル下落が見直し要因に働き、金は反発基調にある。また、中国のゼロコロナ政策の撤廃に伴い、中国景気の拡大期待が高まるとともに銅などの 非鉄への需要増の観測が強まり始めた。新年は金・銅などコモディティ関連株が逆襲高に転じる可能性が出ている。

●金・銅価格は上昇基調を強める

 金・銅といったコモディティ価格が上昇基調にある。ニューヨーク金先物相場は今月13日に一時1トロイオンス=1920ドル台と22年4月以来、約9ヵ月ぶりの水準に上昇した。米12月消費者物価指数(CPI)の上昇率が前月に比べ低下するなど、米インフレ懸念が後退するなか、米金利が低下。これを受け、ドルが下落する一方でドルと逆相関の動きをみせる金に見直し買いが流入している。

 また、銅価格も上昇基調にあり16日にはロンドン金属取引所(LME)で1トン=9100ドル前後と22年6月以来の水準に上昇した。中国のゼロコロナ政策の事実上の終了とともに、中国の景気回復期待が強まったことが銅価格の押し上げ要因に働いた。また、ドル安の進行もドル建てで取引される銅の割安さを強めさせ、買い材料視されている。

●「ドル一強」の状況は終焉、中国景気にも回復期待

 ドル高の進行や中国景気の低迷懸念もあり、金や銅価格は昨年後半にかけ調整局面が続いた。しかし、そのトレンドには変化が見え始めている。まず、金や銅価格の下落要因となっていた「ドル一強」とも呼ばれた状況は、米国のインフレ懸念の後退とともに終焉を迎え、足もとではドル安に転じている。市場の一部には、米連邦準備制度理事会(FRB)は今年後半には利下げに転じるという期待もあり、ドルの一段の下落を予想する見方もある。

 また、23年は中国景気が回復に転じることも期待されている。この日発表された中国10~12月期国内総生産(GDP)は、前年同期比で2.9%増と7~9月期の3.9%増から減速した。しかし、これはゼロコロナ政策の影響が大きいとみられ、同政策が終了した23年からは景気は回復基調に入ることが期待されている。

 更に、金に関しては中国人民銀行(中央銀行)の昨年11月末時点の保有量は3年2ヵ月ぶりに増加したことが明らかになった。市場には「ウクライナに軍事侵攻したロシアに対する米国やEU(欧州連合)の経済制裁をみて、中国はドル依存を弱める意味で金の保有量を増やしているのではないか」との見方もある。

●23年は「金・銅同時高」に向けた期待高まる

 では、23年の金・銅価格はどんな値動きが予想されるのか。市場では、3つのシナリオが意識されている。第1のシナリオは「金・銅の同時高」だ。ドル高局面下では、金・銅価格は弱含みとなりやすいが、ドル安が強まり中国景気の回復が進めば金と銅の同時高は起こり得る。第2のシナリオは「金上昇、銅下落」だ。これはドル安が進み金が堅調に推移する一方、世界景気は後退し銅需要は減速する場合だ。ウクライナ危機のような何らかの大きなショックが発生した場合も、このパターンが起こり得る。第3のシナリオは「銅上昇、金下落」だ。世界景気が想定以上に強くなり銅需要は拡大するが、インフレ懸念が再燃するなかドルが上昇し、ドル高を嫌気し金は下落するというものだ。

 更に、昨年のようなドル高と景気減速懸念による「金・銅の同時安」のパターンもあるが、今年はその再現の可能性は低いともみられている。そんななか、いまのところ市場は、第1のシナリオの可能性が高いとみて動いているようだ。非鉄アナリストからは、例えば銅価格をみた場合、「電気自動車(EV)需要が拡大すれば、銅需要が増加するという構図に変化は無い。世界景気が順調に回復すれば、銅価格が22年3月につけた1万600ドル台の最高値を更新することもあり得るだろう」と予想する見方も出ている。

●住友鉱や松田産業、第一商品などに再評価余地

 金や銅価格が上昇する場面では、住友金属鉱山 <5713> [東証P]や三菱マテリアル <5711> [東証P]、DOWAホールディングス <5714> [東証P]、三井金属鉱業 <5706> [東証P]など非鉄大手に見直し余地が広がる。また、貴金属リサイクルに絡む松田産業 <7456> [東証P]やアサヒホールディングス <5857> [東証P]、アサカ理研 <5724> [東証S]などが注目されるほか、商品先物の第一商品 <8746> [東証S]や豊トラスティ証券 <8747> [東証S]、小林洋行 <8742> [東証S]、日産証券グループ <8705> [東証S]なども物色されそうだ。更に、三菱商事 <8058> [東証P]や伊藤忠商事 <8001> [東証P]、三井物産 <8031> [東証P]といった商社株にも上値余地が膨らみそうだ。

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