スパークス G Research Memo(4):2023年3月期第2四半期は基礎収益が順調に拡大(1)
■業績動向
1. 2023年3月期第2四半期の業績概要
スパークス・グループ<8739>の2023年3月期第2四半期の連結業績は、営業収益が前年同期比1.1%減の6,710百万円、営業利益が同5.6%減の2,907百万円、経常利益が同16.0%増の3,450百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同1.5%増の2,275百万円となった。未来創生3号ファンドの追加設定等により、支払手数料控除後の残高報酬は同6.4%増の5,687百万円と好調に推移したものの、株式市場の下落の影響等により、成功報酬は同82.0%減の91百万円となった。この結果、営業収益は前年同期をわずかに下回った。営業利益は、上記要因等に加え経常的経費の増加があり、減益となった。一方、投資事業組合運用益及び為替差益等の計上により、経常利益及び親会社株主に帰属する四半期純利益は増益となった。
持続的かつ安定的な収益力を示す指標である基礎収益は前年同期比5.3%増の3,221百万円に拡大した。残高報酬が増加したことに加えて、経常的経費を適切にコントロールしたことが寄与した。経常的経費については、コロナ禍の水際対策緩和により営業活動が活発化し、旅費交通費などが増加したものの、前年同期比7.9%増の2,466百万円に留めた。弊社では、株式市場下落の影響があるなか堅調に推移したと評価している。実際、2023年3月期第2四半期末時点の株式下落率はTOPIXが9.6%、日経平均株価が11.9%、KOSPIが29.8%であったことに対し、同社の運用資産残高(2023年3月期第2四半期末)は4.3%減に留まった。
(1) 日本株式
2023年3月期第2四半期の平均運用資産残高(6ヶ月平均。以下、同)は、前年同期比7.6%減の9,747百万円となった。国内の個人投資家からの資金は順調に流入しているものの、株式市場の下落の影響を受けた。一方で、日本株式中小型投資戦略が好調だったことを受け、欧州の大手機関投資家から追加資金を受託した。海外機関投資家からの資金が流出傾向にあるものの、直接的な働きかけにより資金の受託を目指す。
(2) OneAsia
2023年3月期第2四半期の平均運用資産残高は前年同期比29.2%減の931百万円となった。株式市場の下落の影響を受け、韓国の時価が減少したものの、アジア域外でのマーケティングを継続している。コロナ明けを見据え、香港及び韓国の運用責任者の日本でのトレーニングを再開し、日本株式投資戦略が積み重ねてきたパフォーマンスを目指す。
(3) 実物資産
2023年3月期第2四半期の平均運用資産残高は前年同期比1.4%増の2,574百万円となった。2022年8月に太陽光発電所のセカンダリー案件を9件まとめて取得した。加えて、太陽光発電所以外の案件にも積極的なアプローチを継続している。
(4) プライベート・エクイティ
2023年3月期第2四半期の平均運用資産残高は前年同期比65.2%増の1,928百万円となった。2021年10月より運用を開始した未来創生3号ファンドが大きく寄与した。トピックスとしては、2022年11月に、幅広い業種業界のDX推進と内製化を支援する(株)STANDARDへ投資を行った。また、宇宙ファンドは2号ファンド設立に向けて準備をしている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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提供:フィスコ