<注目銘柄>=日電波、自動運転向け水晶デバイスの成長期待が膨らむ
日本電波工業<6779>は12月2日の年初来高値1943円で足もとは頭打ちとなっているが、業績拡大期待から上値余地を広げる可能性が高い。
同社は電子機器の正常な稼働に欠かせない水晶デバイスの世界大手。なかでも日電波は車載向けが強く、全体の売上高に占める割合も大きい。11月8日に発表した23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算は、売上高が前年同期比19.0%増の265億100万円、最終利益が同37.9%増の33億5200万円と大幅な増収増益だった。上海の都市封鎖による物流混乱の影響を期初に受けながらも、車載向け売上高は価格改定の効果もあって20%以上増加し、中華系スマートフォンメーカーからの需要減の影響を補った。
同社は下期も車載向けの売上高が引き続き大幅に増加すると予測。23年3月期の売上高は前期比18.9%増の540億円、最終利益は同11.8%増の61億円を見込む。直近で円安進行に一服感が出ているのは業績面での懸念材料となるが、構造改革により収益性が高まった日電波に対しては、中長期的には自動運転や、自動車とあらゆるモノを無線通信で結ぶ「Ⅴ2X」に関連する自動車・インフラ部品の拡大が成長への追い風となるだろう。
株価収益率(PER)は6倍台と、電子部品メーカーのなかでは割安感も強い。昨年11月の高値1947円を突破した後は、07年の高値から20年の安値までの下落に対し3分の1戻した水準となる2736円近辺がチャート分析上の次の節目となることから、株高に拍車がかかりそうだ。(碧)
出所:MINKABU PRESS
同社は電子機器の正常な稼働に欠かせない水晶デバイスの世界大手。なかでも日電波は車載向けが強く、全体の売上高に占める割合も大きい。11月8日に発表した23年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算は、売上高が前年同期比19.0%増の265億100万円、最終利益が同37.9%増の33億5200万円と大幅な増収増益だった。上海の都市封鎖による物流混乱の影響を期初に受けながらも、車載向け売上高は価格改定の効果もあって20%以上増加し、中華系スマートフォンメーカーからの需要減の影響を補った。
同社は下期も車載向けの売上高が引き続き大幅に増加すると予測。23年3月期の売上高は前期比18.9%増の540億円、最終利益は同11.8%増の61億円を見込む。直近で円安進行に一服感が出ているのは業績面での懸念材料となるが、構造改革により収益性が高まった日電波に対しては、中長期的には自動運転や、自動車とあらゆるモノを無線通信で結ぶ「Ⅴ2X」に関連する自動車・インフラ部品の拡大が成長への追い風となるだろう。
株価収益率(PER)は6倍台と、電子部品メーカーのなかでは割安感も強い。昨年11月の高値1947円を突破した後は、07年の高値から20年の安値までの下落に対し3分の1戻した水準となる2736円近辺がチャート分析上の次の節目となることから、株高に拍車がかかりそうだ。(碧)
出所:MINKABU PRESS