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5351 品川リフラクトリーズ

東証P
2,009円
前日比
-14
-0.69%
PTS
1,998.3円
18:56 06/03
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
9.2 1.10 4.48 74.67
時価総額 947億円
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品川リフラ Research Memo(1):2023年3月期上期業績は価格改定により経常増益


■要約

品川リフラクトリーズ<5351>は、世界で五指に入る工業用耐火物メーカーである。2022年3月期に続き、2023年3月期も経常利益が過去最高を更新する見込みだが、自動車の減産長期化に伴う国内粗鋼生産量の減少と急速な円安傾向により小幅下方修正となった。中期経営計画に勘案していなかった海外でのM&Aが、来期以降の業績拡大に寄与しよう。

1. 2023年3月期第2四半期の業績動向と2023年3月期の業績見通し
2022年度上期の国内粗鋼生産量は4,480万トンと前年同期比7.5%減少した。当第2四半期累計の同社の連結業績は、売上高が前年同期比16.4%増、営業利益が同6.0%増、経常利益が同17.3%増、親会社株主に帰属する四半期純利益が29.3%増となった。原材料価格の高騰を価格に転嫁したことが増収増益の最大要因であった。期初計画では予定していなかった遊休資産の売却による利益を特別利益に計上したことから、四半期純利益の予実差が拡大し、増配を発表した。

半導体不足などによる自動車の減産が予想より長期化しており、鉄鋼メーカーが2022年度の生産計画を下方修正した。また、円安は同社にとって減益要因であり、急速な円安傾向がマイナスに働く。下期も価格改定に努めることから、通期予想の売上高を前回予想比4,000百万円増額したが、経常利益を500百万円減額した。修正後の経常利益予想は、前期比2.7%増の11,000百万円と過去最高益を僅かながら上回る見込みだ。

2. 気候変動リスク及び収益機会
2022年11月に開催された国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)において、昨年のCOP26で採択された産業革命前からの気温上昇を「+1.5℃」に抑える努力を追求するとした合意が再確認された。同社を含め世界の主要企業は、2050年カーボンニュートラル実現に挑戦することが不可避の情勢にある。JFEスチール(株)は、2030年までをトランジション期、それ以降の2050年までをイノベーション期と位置づけている。2030年度末に温室効果ガス排出量を2013年度比30%以上の削減を目標としているが、1兆円規模の設備投資が必要になる。同社は、高温技術のリーディングカンパニーとして、顧客密着型の強固な顧客基盤を築いており、グリーン鋼材の生産でも活躍することが期待される。高炉3社は、NEDOのグリーンイノベーション(GI)基金事業となる製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクトに参画しており、プロセス技術の革新時期でも主要プレーヤーに変化はないであろう。

3. 配当政策 - 2023年3月期は1株当たり年200円に増配
第5次中期経営計画から基準とする配当性向を従来の20%から30%に改めた。現中期経営計画の初年度であった2022年3月期は経常利益が過去最高を記録したこともあり、1株当たり配当金が前期の110円から190円へ引き上げられた。2023年3月期は、特別利益の計上から当期純利益が予想以上となり、配当金を前回計画比10円増の200円へと増額修正された。

■Key Points
・2023年3月期の経常利益は小幅下方修正だが、過去最高益更新の見込み
・2024年3月期以降は海外M&Aによる業績拡大への寄与に期待
・2023年3月期の配当は年200円へ増額修正

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《NS》

 提供:フィスコ

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