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9558 ジャパニアス

東証G
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「IT系ハイクラス人材」関連に大相場の予兆、超買い場5銘柄リスト <株探トップ特集>


―圧倒的な人材不足で商機到来する銘柄群、かつての人材関連株爆騰のデジャブ―

●ダイヤモンドの輝きを放つ人材領域

 企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)投資が活発化するなか、AI・IoT全盛時代の扉は既に押し開かれたようにも見えるが、実際は重要な要素が欠落している。それは“人”である。企業や社会全体がどんなにIT武装されても、それを操るソフトが弱ければDXは機能しない。そのソフトの役割を担うIT系人材が、現在の日本には圧倒的に不足している。人材関連銘柄に対するマーケットの視線は常に熱いが、特に構造的な爆需が顕在化しているIT系ハイクラス人材サービスを手掛ける銘柄群にスポットライトを当てた。

 人手不足という観点では多くの業界にとって慢性的な課題には違いない。新型コロナウイルスは依然として世界を悩ましているが、ひと頃とは違い人類にとって未知の敵という位置づけではなくなっている。新型コロナとの共存、いわゆるウィズコロナ社会に対する世間の認識が進むなか、国内でもリオープン(経済再開)の動きが本格化しており、つれてモノを作ったりサービスを提供したりする側の人手が足りない状況が作り出されている。IT系人材はその中でも群を抜いて足りない、払底状態にあるといっても過言ではない。これは、企業目線に立てばダイヤモンドが眠るに等しいビジネスチャンスが埋まっているということになる。

●1人を10社が奪い合う状況に

 11月29日に厚生労働省が発表した10月の有効求人倍率は1.35倍で前月比0.01ポイントの上昇。これで10ヵ月連続して前月を上回ったことになり、コロナ禍以前の2020年1月の1.49倍にはまだ届かないものの、階段を上るように一貫して求人需要は高まる方向にある。直近は、飲食や宿泊サービス関連の求人の伸びが顕著であったが、これは政府の観光支援策や水際対策緩和に伴う観光需要の回復を見込んだ需要が発現したものだ。

 しかし、コロナ禍の最中でも高い水準の求人需要を示していたのがハイクラス人材である。ハイクラス人材とは、明確な定義は確立されていないものの、一般的には経験や知識が豊富で会社を経営する目線での業務ができる人材や、AI・IoTなどの特定分野において非常に高度なスキルを持ったエンジニアなどが該当する。求人情報サイト「doda」調査による10月の転職求人倍率は全体で2.13倍となっているが、職種別にみると、IT・通信のエンジニアは何と10.25倍という水準で断トツであった。つまり1人の人材を10社以上で奪い合う状況を意味する。また、2番目に高かったのがコンサル・金融の専門職で6.10倍となっている。いずれも引っ張りダコの状態といってよい。一方で、事務・アシスタントが0.33倍、販売・サービスは0.48倍と需給がダブついた状態にあり、ハイクラス人材が払底している状況を如実に物語っている。

●そして再び株価変貌の季節が巡る

 こうした状況を鑑みて、政府は「人への投資」を促すための税優遇を打ち出す方針にあることが伝えられている。博士号を取得した人材の研究開発分野への誘導や、DX人材の育成などに取り組む企業の法人税を軽減するなどの措置をとる構えだ。高度な人材を育成することで当該企業の生産性が高まれば、それは国益にもつながる。

 リスキリングなどもその一環だが、市場関係者は「ハイレベルのIT人材の育成については短期間では不可能と言ってよく、必然的にその道のプロを確保している人材サービス会社の出番となる」(国内証券アナリスト)と指摘する。労働市場が過熱するに従い、企業も高いスキルを持つ人材を確実に確保するためには人材サービス会社を活用するのが最も実践的であり、今後この流れが一段と加速していくことが想定される。そして、株式市場もこの流れを見逃すことはない。かつての人材サービス企業がそうであったように、同関連株の中には業績と株価を大きく変貌させる銘柄が相次ぐ可能性が出てきた。

 今回のトップ特集では独自のセールスポイントを持ち、今後の成長力に富むIT系ハイクラス人材関連株を5銘柄厳選紹介する。

●中期で株価の居どころを変える人材関連5銘柄

【キャリアデザは高成長路線まい進し上値期待大】

 キャリアデザインセンター <2410> [東証P]はキャリア転職情報サイト「type」などの運営を行うほか、人材紹介 派遣 などの人材サービスを展開する。IT人材派遣は全体売上高の4割を占め利益貢献度も高い。転職サイトや人材紹介サービスで培ったノウハウを生かして企業とのネットワークを構築し、需要獲得につなげている。また、IT人材の無期雇用派遣サービス参入も視野に入れている。

 業績は目を見張る伸びを示している。22年9月期は売上高が前の期比64%増の155億700万円で過去最高を大幅に更新、営業利益も同7.9倍の11億200万円と急拡大し、18年9月期に記録した過去最高に肉薄した。そして23年9月期は売上高が前期比13%増の175億円、営業利益は同19%増の13億1400万円と2割近い増益で5期ぶりにピーク利益を叩き出す見通しだ。

 8月30日に1740円の年初来高値をつけ、その後調整を経て買い直され11月10日には1717円まで再浮上した。この時は高値更新に至らなかったが、この成長力にしてわずか9倍台のPERは、上値の伸びしろの大きさを示唆。時価は絶好の買い場といえる。

【HCHはNTTデータと協働で地銀特需を開拓】

 ヒューマンクリエイションホールディングス <7361> [東証G]はIT最上流工程のコンサルティング及び企画提案、開発、保守・運用などを一気通貫体制で受託するほか、IT技術者に特化した派遣事業も手掛ける。時価総額40億円強の小型株ながら、業容拡大に貪欲な姿勢を示し、会社側では長期ビジョンとして技術力・規模ともにIT業界のトップ集団を目指す方針を明確に掲げている。成長戦略としては同社の連結子会社を軸に、付加価値の高いシステム開発案件の獲得を進める構えにある。

 業績は21年9月期に営業58%増益、22年9月期に同14%増益を達成した。続く23年9月期の営業利益は前期比2.7%増の5億6000万円を計画するが、保守的で3期連続の2ケタ増益達成も十分視野に入る。NTTデータ <9613> [東証P]とは銀行業務向けサービスの開発で連携、既に実証実験を開始するなど進展をみせているが、今後の地銀再編の動きとも絡むだけに同社の活躍余地は高まりそうだ。

 株価の天井も高い。21年7月に4555円の上場来高値をつけたが、その後収益成長が続いているにもかかわらず、時価は半値以下の水準にあり株価見直し余地が大きい。

【ジェイテックは抜群の値ごろ感で新波動へ】

 ジェイテック <2479> [東証G]は技術者派遣を中心に人材サービスを展開、自動車や半導体関連分野を得意としている。技術商社を標榜し、IT人材をテクノロジスト(設計・開発部門の技術者)という区分で捉えているが、IoT関連をはじめ5G、次世代自動車、ロボットAI関連といった最新技術分野の旺盛な開発需要を、同社は高技術力を武器とするテクノロジストの派遣や請負・業務受託によって取り込むことに成功している。

 コロナ禍でいったん業績は落ち込んだものの、22年3月期は経常利益段階で前の期比5割増益を達成、23年3月期は回復色を一段と強め前期比32%増の1億5500万円を見込んでいる。営業活動の強化に加えて、高付加価値業務へのシフトなどによりテクノロジストの単価が上昇、これが収益体質の向上につながっている。

 株価は200円台と値ごろ感があり、その分中期的な株価の変貌余地は大きい。12月1日に239円の戻り高値をつけた後調整を入れているが、早晩ここを通過点に、8月末に上ヒゲでつけた年初来高値248円を奪回し、新波動形成が有望。

【ジェイエイシはハイクラス特化し優位性発揮】

 ジェイエイシーリクルートメント <2124> [東証P]はハイクラス・ミドルクラス人材に特化した人材紹介ビジネスを展開するが、コンサルタントの採用を強化し営業展開力を強めている。コンサルタントは総勢約1000人を揃え、豊富な人材データベースと高度なコンサルタントの連携で、大手企業などのニーズを取り込むことに成功している。外資系企業にも太いパイプを持つほか、先端的なスキルを有する技術・専門人材でも優位性を発揮する。

 業績は絶好調で22年12月期はトップラインが前期比22%増の304億3000万円、営業利益が同21%増の70億3000万円と大幅な伸びを予想し、いずれも過去最高を更新する見通しにある。23年12月期も幹部級転職支援の旺盛な需要を確保し、収益成長路線を走る公算が大きい。

 株価は11月28日に2659円の年初来高値を形成した後に調整を入れているが、中期3000円台指向とみたい。19年5月につけた3265円(修正後株価)の上場来高値更新も、当時の収益水準を現状で既に上回っていることから、奪回は十分可能とみられる。

【ジャパニアスはSEシフトで業績成長加速】

 ジャパニアス <9558> [東証G]は今年9月中旬に東証グロース市場に上場したニューフェースで、AI・IoT分野やクラウドサービスを主軸とした先端エンジニアリング事業を展開しており、トップライン・利益ともに高成長トレンドに突入している。IT人材派遣が収益の要を担うが、当初は製造業向けが主力だったものの、現在はSE(システムエンジニア)主力に移行している。企業の慢性的なIT人材不足を背景に、オンサイト型開発及び受託開発いずれも高水準のニーズを吸い上げ業績に反映させている。

 21年11月期売上高は前の期比9%増の72億4300万円、営業利益が同18%増の3億4100万円と好調だったが、22年11月期は更に伸びが加速し、売上高が前期比13%増の81億5300万円、営業利益は同58%増の5億3900万円予想と高変化を見込む。しかも、進捗率から通期業績は一段と上振れる可能性が高いとみられる。

 株価は9月の上場直後に2549円の高値を形成したが、その後は大きく水準を切り下げた。これは9月のIPO人気の後、タイミング悪く全体相場の下げに引きずられたもので、10月以降の着実な戻り足に同社株の実力が反映されている。今後も25日移動平均線をサポートラインに中期的な上昇波動継続が期待できる。

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