シノケンG Research Memo(7):相続増税を背景にしたアパートの供給過剰による入居率悪化懸念は乏しいだろう
■中長期展望
2015年1月からの相続税の課税強化を受け、地主の相続税対策としてのアパートの建築需要が高まっている。大手ハウスメーカーや大東建託などのアパート営業の積極化、地銀など金融機関のアパートローンの積極的な融資姿勢とあいまってアパートの着工が増加している。このため、アパートが供給過剰になり、空室率が上昇しているとのメディア報道が増えている。日銀が地銀に対してアパートローンに対するリスク管理体制の改善を求めるといった動きもある。
相続税対策としてのアパートは、総じて郊外物件が多い。また、郊外にもかかわらず利回りを重視して戸当たり面積を狭くするケースも多く、居住ニーズとのミスマッチを生じることが少なくない。受給バランスが崩れているのはこうした郊外アパート。これに対し、シノケングループ<8909>では大都市圏の人気沿線の駅から徒歩10分圏内の立地という方針を堅持して供給していること、大手ハウスメーカーが供給するアパートに比べ、建築費が安く家賃を低く設定できていることなどにより空室率を非常に低位で抑えている。このため同社が手掛けるアパートに対する金融機関の融資姿勢は引続き非常に積極的だ。立地条件は今後も緩めることはしない方針であり、将来の入居率悪化、それを受けた投資用アパート需要の減退の懸念は乏しいと言えるだろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 堀部 吉胤)
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提供:フィスコ