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【経済】米雇用コスト指数、労働市場の軟化によるインフレ抑制を示す

*米雇用コスト指数(第3四半期)22:30
結果 0.8%
予想 0.9% 前回 0.9%(前期比)

 先ほど第3四半期の米雇用コスト指数(ECI)が公表され、前期比0.8%と予想若干下回った。労働市場の軟化がインフレ圧力の抑制に寄与していることを示した。前年比では3.5%の上昇し。

 採用ペースを落とす企業が増える一方、一部では人員削減も進み、労働市場の勢いは弱まっている。

 FRBは本日のFOMCで利下げに踏み切ると見られてるが、労働コストの落ち着いた伸びはインフレ抑制に寄与すると受け止められている。

 前日公表された米求人件数では、企業の採用が減少し、レイオフが2023年以来の高水準に達したほか、自己都合の離職率は2020年以来の低さを記録し、転職への自信が後退していることが示された。こうした長期的な変化とともに賃金の伸びも鈍化しており、若年層ほど落ち込みが大きい。

 政府部門で賃金上昇率も鈍化しており、政府効率化局(DOGE)によるコスト削減の影響もあって今年は毎月雇用減が続いている。

 来週は米雇用統計や消費者物価指数(CPI)など、一連の政府のデータが公表される予定で、過去最長となった政府機関閉鎖後、経済の現状を把握するための重要な手掛かりとなる。

 なお、雇用指標は高頻度で公表されるものが他にもあるが、職種や産業の構成変化の影響を受けにくいECIは、エコノミストやFRB当局者が特に重視する指標となっている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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