【注目】前週末11日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

■WACUL <4173> 375円 (+80円、+27.1%) ストップ高
WACUL <4173> [東証G]がストップ高。10日の取引終了後、TBSホールディングス <9401> [東証P]がWACULに対し、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。TOB価格は1株502円で、WACULの株価はこれにサヤ寄せをする流れとなった。買付予定数の下限は518万200株(所有割合66.51%)で、上限は設定しない。買付期間は11日から5月29日まで。TOB成立後、所定の手続きを経てWACULは上場廃止となる見通し。コンテンツの価値最大化に向けた戦略を進めるTBSHDはWACULを傘下に収め、マーケティング機能の強化を加速させる方針。東京証券取引所は4月10日、WACULを監理銘柄(確認中)に指定した。
■ファンデリー <3137> 401円 (+80円、+24.9%) ストップ高
ファンデリー <3137> [東証G]がストップ高。同社は10日の取引終了後、イオン <8267> [東証P]グループにおいて国産ハイブランド冷食「旬をすぐに」の販売を開始し、60店舗に導入されたと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。5月9日までに新たに330店舗での販売開始も決定しているという。
■ホームポジ <2999> 430円 (+80円、+22.9%) ストップ高
ホームポジション <2999> [東証S]がストップ高。時価総額30億円前後の小型株で品薄感があり、前日10日にマドを開けて買われたが、11日は改めて上値を伸ばす展開となった。静岡県を営業基盤に戸建て分譲を展開し、首都圏でも需要開拓に傾注している。25年8月期は営業損益が4億4000万円(前期は5億7000万円の赤字)と黒字転換を見込んでいる。10日取引終了後に発表した24年9月-25年2月期決算は営業利益が2億900万円の黒字(前年同期は5億2700万円の赤字)と急改善した。また同日、株主優待制度を実施することを発表。25年8月末の株主を対象に、1000株以上を保有する場合、一律2万円分のQUOカードを贈呈するというもので、これを材料視する買いを呼び込んだ。
■ウッドF <8886> 1,100円 (+150円、+15.8%) ストップ高
ウッドフレンズ <8886> [東証S]がストップ高。長谷工コーポレーション <1808> [東証P]が10日の取引終了後、ウッドFの完全子会社化を目的としてTOBを実施すると発表しており、TOB価格1720円にサヤ寄せする格好となった。完全子会社化することで、商品ラインアップの拡充や用地情報の共有による取り引きの活性化、東海圏での事業拡大、戸建住宅以外の建築物への国産木質材の応用などのシナジーが期待できるという。買付予定数は145万8083株(下限97万2100株・上限設定なし)で、買付期間は4月11日から5月27日までを予定。また、TOB成立後、ウッドフレンズは所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は4月10日付でウッドフレンズ株式を監理銘柄(確認中)に指定した。なお、ウッドフレンズはTOBに対して賛同の意見を表明している。
■わらべ日洋 <2918> 2,391円 (+304円、+14.6%)
東証プライムの上昇率トップ。わらべや日洋ホールディングス <2918> [東証P]が続急騰。10日取引終了後、26年2月期連結業績予想について売上高を前期比4.1%増の2315億円、営業利益を同32.9%増の60億円と発表。前期から一転増益となる見通しを示したことが好感された。配当予想は前期比据え置きの90円とした。同時に発表した25年2月期決算は売上高が前の期比7.5%増の2224億6700万円、営業利益が同29.2%減の45億1500万円だった。主力の食品関連事業で国内外の新工場が寄与し全体で増収を確保。一方、利益面では稼働を開始した入間工場の初期赤字や工場再編に伴う一時費用の増加が重しとなった。
■ベイカレント <6532> 7,601円 (+844円、+12.5%)
東証プライムの上昇率2位。ベイカレント <6532> [東証P]が4日続急騰。10日の取引終了後に発表した26年2月期の連結業績予想で、売上高1430億円(前期比23.2%増)、営業利益510億円(同19.7%増)、純利益373億円(同21.3%増)を見込み、年間配当予想を前期比38円増の100円としたことが好感された。DXに加えて生成AI関連を中心とした旺盛なコンサルティング需要の継続を見込んでおり、積極的な採用と人材育成の強化や、コアクライアント戦略推進のための営業体制強化などで案件数の増加を見込む。なお、25年2月期決算は、売上高1160億5600万円(前の期比23.6%増)、営業利益426億1500万円(同24.5%増)、純利益307億6000万円(同21.2%増)だった。同時に、上限を47万株(発行済み株数の0.31%)、または30億円とする自社株買いを実施すると発表したことも好材料視された。取得期間は5月1日から5月23日までで、資本効率の向上を図るとともに、1株当たりの株主価値を高め、株主への利益還元を充実させるのが狙いとしている。
■技研製 <6289> 1,442円 (+143円、+11.0%)
東証プライムの上昇率3位。技研製作所 <6289> [東証P]が続急騰。10日取引終了後、油圧式杭圧入引抜機「サイレントパイラー」の誕生50周年を記念し、25年8月期末に記念配当10円を実施すると発表した。あわせて自社株買いの実施も発表しており、これらが好感され買われた。期末配当は従来の普通配当22円との合計で32円となる。中間配当22円とあわせ、年間配当額は54円(前期実績42円)となる見通しだ。自社株買いは取得上限45万株(自己株式を除く発行済み株数の1.68%)、または5億円とし、期間は4月11日から7月31日まで。なお、同時に発表した上期決算は売上高が前年同期比23.9%減の118億2900万円、営業利益が同45.3%減の13億2300万円だった。
■ベガコーポ <3542> 997円 (+94円、+10.4%)
ベガコーポレーション <3542> [東証G]が続急騰。同社は10日取引終了後、3月度の月次業績を公表。前期から継続的に取り組んできた実店舗の拡大及び新商品開発により、売上高(LOWYA事業全体)は前年同月比14.2%増の19億5400万円となった。6ヵ月連続で前年実績を上回ったことや、伸び率が前月(3.4%増)から拡大したことが好感されたようだ。
■リベラウェア <218A> 1,018円 (+88円、+9.5%)
Liberaware <218A> [東証G]が続急伸。同社は11日、新たな通信方式による小型ドローン位置測定の実証に成功したと発表した。下水道管内など地下インフラ点検の課題解決につながるとしており、材料視されたようだ。神戸市の協力のもと、TKKワークス(大阪市北区)とともに小型ドローン を活用した距離計測技術の実証実験を実施。新たな通信モジュールやその他の測定方法を用いて、距離計測が可能であることを確認した。下水道管路内の点検において、状況を把握するためのより高度な情報取得が可能になるという。
■ミダックHD <6564> 2,223円 (+185円、+9.1%)
東証プライムの上昇率5位。ミダックホールディングス <6564> [東証P]が続急伸。11日午前10時ごろ、同業の大平興産(東京都千代田区)の全株式を取得し、子会社化すると発表した。大平興産は千葉県内で管理型最終処分場を運営する。これにより関東地域へ事業エリアを拡大する狙いがある。株式譲渡実行日は4月14日。これが買いの手掛かりとなった。
■タイミー <215A> 1,660円 (+130円、+8.5%)
タイミー <215A> [東証G]が4日続急伸。10日の取引終了後、ワタミ <7522> [東証P]子会社のWATAMI FAST CASUALと、スキマバイトサービス「タイミー」を活用した新たな店舗運営に関する業務提携を行うと発表しており、好材料視された。外食産業の人手不足解消と事業成長を目指す業界初のモデルケースを共同で構築するのが狙い。タイミーが所有するスキマバイト人材の活用・育成ノウハウと、ワタミの外食産業における豊富な知見を掛け合わせることで、店長・社員と従業員の全員を現場リーダーとしてタイミーで正社員採用されたタイミー社員やタイミーワーカーによって構成する店舗運営モデル(フルタイミー)を「サブウェイ」で構築するとしている。
■トライアル <141A> 2,420円 (+180円、+8.0%)
トライアルホールディングス <141A> [東証G]が4日続急伸。ディスカウント店を運営する同社は西友(東京都武蔵野市)の買収発表で一躍脚光を浴び、3月に入り強い株高圧力が掛かったが、同月半ば以降は戻り売りに押される展開が続いていた。もっとも4月は全体相場がショック安に見舞われながらも下値抵抗力を発揮。更に10日取引終了後に発表した3月の月次売上高速報によると、既存店売上高は前年同月比5.6%増と増収基調を継続し、伸び率は2月の1.8%を上回った。消費者の節約志向の強まりが懸念されるなかにあって、安定的な業績成長が期待できる銘柄として物色されており、地合い悪のなかで頑強な動きをみせた。3月の全店売上高は同14.8%増となった。
■久光薬 <4530> 4,288円 (+304円、+7.6%)
東証プライムの上昇率9位。久光製薬 <4530> [東証P] が続急伸。同社は4月10日大引け後(15:30)に決算を発表、25年2月期の連結経常利益は前の期比22.2%増の240億円になり、26年2月期も前期比1.2%増の243億円に伸びる見通しとなったことが好感されたようだ。これで5期連続の増収、増益になる。
■ウエルシア <3141> 2,480.5円 (+170.5円、+7.4%)
東証プライムの上昇率10位。ウエルシアホールディングス <3141> [東証P]が4日続急伸。日本経済新聞電子版が11日午後3時、「ドラッグストア最大手でイオン傘下のウエルシアホールディングス(HD)と2位のツルハホールディングス(HD)は2025年内に経営統合することで最終調整に入った」と報じた。これに先立ち、イオン <8267> [東証P]がドラッグストア事業の今後の展望について11日午後5時台に記者会見を開くと一部で伝わり、統合の思惑から株価に上昇圧力が掛かっていた。ウエルシアに対しては日経電子版の報道を材料視した買いが入り一時2500円台に乗せた。ツルハホールディングス <3391> [東証P]も大幅高となった。報道によると、ウエルシアとツルハHDは27年末としていた当初目標を事実上2年前倒しし、規模を拡大してアジア市場に進出するとしている。
■ヴィッツ <4440> 955円 (+66円、+7.4%)
ヴィッツ <4440> [東証S]が続急伸。同社は11日正午ごろ、25年8月期第2四半期累計(24年9月-25年2月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比2.5倍の3億600万円となり、通期計画の3億3700万円に対する進捗率は90.8%に達した。売上高は同57.2%増の23億3800万円で着地。主力の組み込みソフトウェアをはじめ、シミュレーター・仮想空間技術、セキュリティー及びセーフティーの技術分野で自動車及び産業機器向けの売り上げが好調に推移した。なお、通期業績予想については従来計画を据え置いた。
■バリオ <4494> 647円 (+42円、+6.9%)
バリオセキュア <4494> [東証S]が続急伸。10日の取引終了後に発表した26年2月期単独業績予想で、売上高29億7200万円(前期比11.4%増)、営業利益5億9000万円(同20.0%増)、純利益3億9900万円(同16.8%増)と大幅増益を見込むことが好感された。セキュリティフレームワークの拡充や販路の拡大、既存顧客・代理店との価格改定の影響などが通期にわたり寄与する見通し。一方で、成長のための投資は継続するものの、売上高の伸長により吸収する。なお、25年2月期決算は、売上高26億6700万円(前の期比1.0%増)、営業利益4億9200万円(同5.5%減)、純利益3億4200万円(同1.5%減)だった。
■エイチーム <3662> 978円 (+60円、+6.5%)
エイチームホールディングス <3662> [東証P]が続急伸。10日の取引終了、25年7月期の連結業績予想について、最終利益を5億6000万円から10億円(前期比4.9%増)へ上方修正し、減益予想から一転して増益予想としたことが好感された。同日付で子会社エイチームライフデザインのライフエンディング総合サイト「ライフドット(Life.)」事業を鎌倉新書 <6184> [東証P]に譲渡すると発表しており、これに伴う事業分離における移転利益2億9700万円を特別利益として計上することなどが要因という。なお、売上高250億円(同4.5%増)、営業利益10億円(同77.8%増)は従来見通しを据え置いた。
■TWOST <7352> 940円 (+55円、+6.2%)
TWOSTONE&Sons <7352> [東証G]が4日続急伸。同社は11日午後2時ごろ、25年8月期通期の連結業績予想を修正。営業利益の見通しを従来の6億2000万円から10億1800万円(前期比2.1倍)に上方修正したことが買い手掛かりとなったようだ。利益率向上の取り組みが当初想定を上回って進捗しているほか、前期からセグメント化したコンサル・アドバイザリー事業の貢献が主な要因だとしている。なお、売上高の見通しは従来通り186億円(同30.2%増)で据え置いた。
■アヴィレン <5591> 1,060円 (+60円、+6.0%)
AVILEN <5591> [東証G]が続急伸。11日午後1時ごろ、AIを活用した帳票処理エージェント「帳ラク」の提供を開始したと発表しており、好材料視された。同サービスは、AIを活用した帳票処理に特化したソリューション。認識率97%のAI技術を用いることで、従来のAI-OCRでは対応困難な高難度の帳票であっても自動処理を実現し、経理・総務・購買部門の業務負担の軽減とデータ処理の正確性の向上に貢献するとしている。
■エムビーエス <1401> 679円 (+38円、+5.9%)
エムビーエス <1401> [東証G]が続急伸。同社は11日午後2時ごろ、期末に上場20周年を迎えた記念配当3円を実施すると発表しており、これが好感されたもよう。これにより、期末一括配当は普通配当10円とあわせた13円(前期は8円)となる。また、同時に25年5月期第3四半期累計(24年6月-25年2月)の単独決算も発表。売上高は前年同期比6.8%増の33億7200万円、営業利益は同10.0%増の4億2900万円で着地した。なお、通期業績予想は売上高47億500万円(前期比8.0%増)、営業利益6億1500万円(同24.3%増)とする従来見通しを据え置いた。
※11日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース