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【注目】今週は米大手銀の決算 期待の一方で慎重な見方も=米国株

 今週は米大手銀の決算発表され、今年の業績見通しが注目される。水曜日に今年最初の決算発表シーズンが始まり、投資家はシティグループ<C>、ゴールドマン<GS>、JPモルガン<JPM>、ウェルズ・ファーゴ<WFC>の各行の首脳陣の話を聞く機会を得ることになる。

 先週は、ジェフリーズ<JEF>の決算が期待外れだったことや、インフレ懸念を煽る米雇用統計の発表で株式市場は急落し、利回りは上昇した。33%上昇とS&P500をアウトパフォームするという昨年の銀行株のパフォーマンス再現を期待する投資家の期待も後退している。

 ただ、アナリストらは、ディールメーキングと資本市場の復活、経常収益の増加、さらには自社株買いの波が銀行セクターをさらに後押しすると期待している。決算への期待は概ね明るい見通しとなっており、トランプ次期大統領の規制緩和と企業に有利な税制改革が波を起こし、銀行の収益性を劇的に変えると期待されている。そのため、同セクターはトランプ氏の大統領選の勝利で新たな追い風を受けていた。

 選挙に煽られた株式市場の変動も、銀行の第4四半期の業績を押し上げる要因となったと期待されている。シティグループとJPモルガンはすでに、第4四半期の取引活発化を示す見通しをすでに公表している。アナリストは「12月特有の季節的減速が起こらなかったことを考えれば、取引の収益はさらに増加する可能性がある」と指摘している。全体的にウォール街は銀行セクターに強気の見方しており、アナリストはトランプ次期大統領の政策から、大手銀行株は上昇を続けると期待されているようだ。

 しかし、その一方で慎重な見方も出ている。企業が選挙後の情勢を見極めており、借り入れは低迷したままであることが確認されている。マクロ経済の背景が今週発表の大半の銀行の2025年の見通しに暗い影を落とす可能性があるとの指摘も出ている。

 投資家は、FRBの予想以上に緩やかな利下げサイクルが銀行の業績にどのような影響をもたらすのかを知りたがっている。長期金利が上昇すれば貸し手は金利収入が増加し、利ざや拡大にもつながる。しかし、その半面、消費者へのさらなる圧力となり、借り入れペース鈍化に繋がる可能性もある。

 強気見通しには他にも弱点があり、選挙後の株価のパフォーマンスは低調で、先週のジェフリーズの失望的な決算では、投資銀行部門の経常収益と利益拡大はウォール街の予想を下回る可能性が高いことが示されている。また、銀行の経常収益に好影響を与える企業のIPOが大成功を収めるという期待も、新政権下での市場の変動や関税の可能性によって弱まる可能性も考えらるという。

 株式市場も力強さも疑問視されている。金曜日にS&P 500は1.5%下落し、12月18日以来の最悪の1日となり、年初からの上昇分を帳消しにした。KBW銀行株指数も2.7%下落し、やはり12月18日以来の最悪の1日となっている。

 ただ、投資家は大手銀が堅調な報告を次々と発表し、不安定な市場に底値を付けることができれば、株価が再び上昇に転じることを期待している。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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