【経済】【クラファン・優待】評価されていない青果を生かす“都市型八百屋”のアグリゲート、1月7日募集開始
"都市型八百屋"を展開する株式会社アグリゲート(東京都品川区)が、株式投資型クラウドファンディング(新株予約権型)による出資を募集します。申し込みは2025年1月7日開始を予定しています。
・ | 新株予約権型 |
・ | 目標募集額:1000万円、上限募集額:9990万円 |
・ | 事業会社/CVC出資実績あり |
・ | エンジェル出資実績あり |
・ | 新株予約権者優待あり:旬八青果店/旬八キッチン 店舗販売 割引など |
・ | 類似上場企業:ホーブ <1382> [東証S]、イーサポートリンク <2493> [東証S]、デリカフーズホールディングス <3392> [東証S]、アイスコ <7698> [東証S]、雨風太陽 <5616> [東証G] |
「未来に美味しいをつなぐ」食農インフラを
アグリゲートは都市型八百屋「旬八(しゅんぱち)青果店」を展開するスタートアップです。
市場で評価されずに眠っていた野菜や果物に新たな価値を見いだし、商品化することで、生産者には追加収入の機会を創出し、店舗は安価に仕入れ、消費者には、通常より手頃な価格で提供できる三方良しを実践。「未来に美味しいをつなぐ」持続可能な食農インフラの構築を目指しています。
同社は2024年2月、オイシックス・ラ・大地 <3182> [東証P]の連結子会社となり、グループシナジーを最大限に活用することで企業価値を向上させ、IPOを目指しています。
(出典:イークラウド)
蒸し焼きオーブンで野菜本来の旨味を
「旬八青果店」ではスーツ姿の会社員たちが列をなし、その目当ては野菜をふんだんに使った「手作り弁当」です。
専用の蒸し焼きオーブンで野菜本来の旨味を閉じ込め、これまでのイメージを覆す味わいを創出。「野菜を食べたいけど料理する時間がない」という声に応えており、店内には、青果が生産者の思いや栽培方法、オススメの調理方法が書かれたPOPと並んでいるそうです。
旬八青果店は全国の生産者から直接仕入れ、販売までを一貫して行う独自のビジネスモデルで、大手コンビニや都市型小型食品スーパーを上回る40%(※2024年10月、店舗平均データ)の高い粗利率だといいます。
(出典:イークラウド)
旬八青果店の特徴は、市場で規格外とされる野菜や果物や、都市のスーパーでは珍しい食材を扱っている点です。
通常の流通では見過ごされがちな食材を適正価格で提供し、生産者の収益向上と食品ロス削減に貢献しつつ、消費者が新たな食材との出会いを楽しんでいるといいます。
(出典:イークラウド)
アグリゲートは2023年にオイラ大地と業務提携し、新たな流通網を構築しています。
生産者は規格外青果のほか、オイラ大地の基準を満たす青果をより多く出荷し、オイラ大地は信頼できる生産者との取引拡大により、仕入れのバリエーションを拡大しているそうです。アグリゲートも提携を通じて、卸事業を着実に成長させています。
(出典:イークラウド)
アグリゲートは旬八ブランドを生かして、多角的な事業を展開しています。
通販事業:オンラインストアを通じた、旬八が厳選する食料品のギフト注文や定期配送
PR事業:店舗をメディアとして活用し、自治体や企業とのコラボで生産者や地域の魅力を発信
HR事業:食農業界で活躍する人材を育成する「旬八大学」を運営
(出典:イークラウド)
高収益の背景に2つの独自戦略
旬八青果店は、粗利率40%超の高い収益性を上げており、その背景には「仕入れ」「商品にもたらす付加価値」という2つの独自戦略があります。
さらに、資本業務提携を行っていたオイラ大地の連結子会社となり、仕入網を活用した産地開拓や宅配に不向きな"もったいない"食材の活用など、グループシナジーを生かした青果経済圏を構築し、より安定的に事業を運営しています。
(出典:イークラウド)
同社は、自社の腕利きバイヤーが全国各地を回り、市場では規格外として扱われる青果や、都心では珍しい地方の逸品を掘り起こしています。
バイヤーが直接産地を訪れ、生産者との信頼関係を築くことで、通常の流通では評価されにくい食材にも独自の基準を設けて価値付けする「規格外青果の規格化」を行い、生産者の収益向上にも役立つ価格で仕入れています。
直接取引のほか、卸売市場からの仕入れも積極的に実施。これにより、産地直送と市場流通の両方を見極めて商品の価値を評価し、消費者や自社にメリットのある品を選んでいるそうです。
また、市場では、過剰在庫や端材、熟度の進んだ商品などが通常より低価格で取り引きされることがあり、品質の良いものを店舗販売したり、商品によってはお弁当や総菜などの加工品用の食材にしたりすることで、コスト削減と商品ラインナップの拡充につなげているといいます。
同社の強みの一つとして、店舗スタッフ一人一人が商品に付加価値を与えられる力があるそうです。
一般的なスーパーマーケットでは、商品の特徴や価値を顧客に効果的に伝えるための人的コストが大きく、規格外品や希少な青果を積極的に取り扱うことが難しいほか、深刻化する人手不足により、専門知識を持つ人材の確保・育成が一層困難であるそうです。
同社では、商品のセールスポイントを熟知したスタッフ「デリバー(※)」が、客に素材の良さや生産者のこだわり、料理方法を接客や店頭POPで丁寧に説明することで、商品の本質的な価値を最大限に伝えているといいます。
(※)Delicious × Value × Deliveryを掛け合わせた造語で、「美味しいものをしっかりと価値を付けてお届けする人」の意味
一般的には「見た目が悪い」「食べ方が分からない」と敬遠されがちな商品でも、特徴や食べ方の提案を通じて、魅力的な高付加価値商品として顧客に提供しているそうです。
同社の人材育成は独自の評価システム「スキルチェックシート」により実施。創業当時から蓄積してきた「商品の目利きや値付け・売り場づくりなど商品関連のスキル」「接客や取引先の応対などのお客さま対応のスキル」「マネジメントや育成などの店舗運営のスキル」など、さまざまなノウハウを100項目以上定義し、再現性のある育成システムとしています。
(出典:イークラウド)
ビジネスモデル
同社はアパレル業界で成功を収めたビジネスモデル「SPA」を食品業界に応用し、「SPF」を独自戦略として展開。生産者からの仕入れ、商品開発、物流、店舗での販売までを垂直統合しています。
(出典:イークラウド)
SPFによって、コストの最適化にとどまらず、消費者ニーズへの迅速な対応を可能にし、40%超の高い粗利率と優れた収益性を維持しているそうです。
SPFの真価は、独自の人材育成システムと組み合わさることで一層発揮されるといい、専門知識を持つ店舗スタッフが日々の接客を通じて、消費者の生の声や反応を直接収集し、迅速に生産者へフィードバックしています。
生産者は消費者の具体的なニーズや評価を知ることで、これまで気付かなかった商品の新たな価値を発見したり、改善点を見いだしたりします。この生産者と消費者をつなぐダイレクトな情報循環により、商品の質は継続的に向上し、旬八青果店の商品は進化しているそうです。
「この独自のビジネスモデルは、現代の食市場が抱えるさまざまな課題の解決にも大きく貢献すると考えています」(同社)
食市場は健康志向や食の多様性への関心の高まりから成長を続けていますが、その一方で「地方の生産者」「都市部の生活者」「仕入れ・販売者」の三者は、それぞれに深刻な課題を抱えているといいます。
具体的には、生産者は市場価格の低迷や後継者不足、都市生活者は忙しい日々の中で健康的な食生活の維持に悩み、仕入れ・販売者は複雑な流通構造と低収益性の問題に直面していると同社は見ています。
SPFモデルは、自社で目利きをして新鮮な食材を仕入れ、都市部の消費者に届けることで、生産者の収益向上と消費者の食生活の改善を同時に実現。仕入れから販売までを一貫して行うことで流通コストを削減し、成長する食市場の中で、三方良しのビジネスを展開することで、食を通じた持続可能な社会の実現を目指しています。
(出典:イークラウド)
今後の成長に向けて
同社は2013年、東京・中目黒に旬八青果店1号店をオープンし、旬八ブランドとして生産・HR・総菜・PR・卸など多角的な事業展開を進め、店舗数は20店舗近くまで拡大。しかし、2019年に収益構造の強化に向けた事業の大幅な見直しを実施しています。
具体的には、店舗運営の効率化を進める中で、旬八青果店の根幹となる人材育成システムを刷新し、出店・撤退の基準を明確化。現在は赤坂、大崎広小路駅前、芝、天王洲、目黒二丁目の5店舗に集約し、2026年以降の多店舗展開を見据えて、高収益性を維持する運営ノウハウに基づいた出店体制の強化を進めています。
今後の戦略は以下の通りだといいます。
(1)都市部に集中出店、収益重視の「狭域ドミナント戦略」
効率的な事業展開を実現するため、都市部での狭域ドミナント戦略を採用。「半径1km圏内に12,000世帯以上」「昼間人口59,000人以上」「1時間あたりの人通り・自転車通行量が200人以上」を主要な判断基準として、市場環境や立地特性に応じて柔軟な出店判断を行っています。
(出典:イークラウド)
近隣店舗への一括配送による物流コスト削減やエリア内での強固なブランド認知度の確立、地域特性に適応したきめ細かなマーケティングを展開し、これらの相乗効果により、限られたリソースで最大限の効果を生み出し、各店舗の収益性を高めていきます。
さらに、狭域ドミナント戦略は単なる効率化だけでなく、地域密着型の店舗として運営。現在の5店舗は顧客との深い関係性を築き、地域コミュニティの重要な一員となっているそうです。
2026年以降は本格的な事業拡大フェーズへと移行。1店舗あたり月商1200万円、店舗利益100万円を収益目標に掲げ、出店を進めていく計画です。2026年に年間11店舗の新規出店、2026年中に累計19店舗出店し、効率性と収益性を両立させた持続可能な成長モデルの構築を目指しているといいます。
(2)取扱カテゴリの拡大で店舗価値と収益力を向上
高収益モデルを強化するため、夕食向けの総菜部門(弁当を含む)の本格展開と、全国の生産者との直接取引を生かした精肉カテゴリの拡充を推進。
精肉カテゴリでは、生産者との直接取引により原料の部位や規格を細かく調整することで、仕入原価を最適化し、高い粗利率を確保した上で幅広い商品ラインナップを提供しています。
夜間帯の売上強化策として展開する総菜部門では、規格外品など市場価値の低い原材料を効果的に活用することで高い粗利率を維持。また、青果においては徹底した鮮度管理と適切な値引き施策により、廃棄率の低減を図っています。
これらの新規事業展開により、青果中心の品ぞろえから、精肉・総菜を加えた総合的な食料品店へと進化し、来店頻度や客単価の上昇を図ることで、店舗全体の収益力をさらに高めていく計画です。
EXIT戦略
同社はオイラ大地の連結子会社としてIPOを目指しており、提携以降、仕入れルートの拡大、物流効率の向上、生産者ネットワークの強化などのシナジー効果を生んでいるそうです。
今後も事業基盤の強化と市場競争力の向上に注力し、「スイングバイIPO」(※)の実現に向けて、オイラ大地との協業によって成長を加速させ、事業拡大と収益性の向上を図る考えです。
(※)大手企業の子会社となって力を蓄えてから上場する手法(イークラウド注)。
(出典:イークラウド)
株主構成
・オイシックス・ラ・大地 <3182> [東証P]
・株式会社リープラジャパン
・全国農業協同組合連合会
・その他、個人投資家
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・ホーブ <1382> [東証S]
・イーサポートリンク <2493> [東証S]
・デリカフーズホールディングス <3392> [東証S]
・アイスコ <7698> [東証S]
・雨風太陽 <5616> [東証G]
新株予約権者優待
100,000円コース
・旬八青果店/旬八キッチン 店舗販売 割引 5%オフ
・旬八オンライン 割引 5%オフ
▼初年度のみの追加特典
・旬の野菜果物セット〈15品目以上〉 年1回お届け
・旬八オリジナルドライフルーツ1パックお届け
・3,000円相当の厳選果物ギフト イーギフトチケット×1枚
・旬八オリジナルグッズ(内容未定)
200,000円コース
・旬八青果店/旬八キッチン 店舗販売 割引 5%オフ
・旬八オンライン 割引 10%オフ
▼初年度のみの追加特典
・旬の野菜果物セット〈15品目以上〉 年2回(6ヶ月に1回)お届け
・旬八オリジナルドライフルーツ1パックお届け
・旬八ソフトドライマンゴー(350g)1パックお届け
・3,000円相当の厳選果物ギフト イーギフトチケット×2枚
・旬八オリジナルグッズ(内容未定)
300,000円コース
・旬八青果店/旬八キッチン 店舗販売 割引 10%オフ
・旬八オンライン 割引 10%オフ
▼初年度のみの追加特典
・旬の野菜果物セット〈15品目以上〉 年3回(4ヶ月に1回)お届け
・旬八オリジナルドライフルーツ1パックお届け
・旬八カシューナッツ(70g)1パックお届け
・旬八ソフトドライマンゴー(350g)1パックお届け
・3,000円相当の厳選果物ギフト イーギフトチケット×3枚
・旬八オリジナルグッズ(内容未定)
500,000円コース以上
・旬八青果店/旬八キッチン 店舗販売 割引 15%オフ
・旬八オンライン 割引 10%オフ
▼初年度のみの追加特典
・旬の野菜果物セット〈15品目以上〉 年12回(毎月)お届け
・旬八オリジナルドライフルーツ1パックお届け
・旬八カシューナッツ(200g)1パックお届け
・旬八ソフトドライマンゴー(350g)1パックお届け
・2025年発売予定オリジナル加工品お届け
・3,000円相当の厳選果物ギフト イーギフトチケット×5枚
・旬八オリジナルグッズ(内容未定)
※割引の適用開始についてはIRで知らせる。以降は毎年11月末時点で新株予約権を保有している人が対象。
※イーギフトチケット:旬八の厳選果物ギフトをギフトとしてプレゼントすることができるチケット(専用クーポンコード)。
※前回投資した人が今回も投資する場合、店舗販売と旬八オンラインでの割引率が加算され、上記と異なる場合がある。
発行者・募集情報
商号:株式会社アグリゲート
所在地:東京都品川区東品川二丁目2番8号
URL:https:///www.agrigate.co.jp
代表取締役:左今克憲
資本金:10,000,000円
発行可能株式総数:1,000,000株
普通株式:900,000株
甲種種類株式:100,000株
発行済株式総数:394,677株
普通株式:370,797株
甲種種類株式:23,880株
評価額上限(※):4,000,000,000円
設立年月日:2010年1月4日
決算期:11月
募集新株予約権の数(上限):999個
募集新株予約権の払込金額:1個あたり100,000円
(※うち新株予約権発行価額99,999円、行使価額1円)
申込期間:2025年1月7日(火)~1月21日(火)
※上記申込期間のうち募集期間は1月7日~1月20日。早期終了の場合、予定した申込期間の最終日よりも早く、申し込みの受付を終了することがある。
払込期日:2025年2月7日(金)
目標募集額:1,000万円
上限募集額:9,990万円
投資金額のコース及び株数
10万円コース(1個)
20万円コース(2個)
30万円コース(3個)
50万円コース(5個)
特定投資家向けコース
1,000,000円コース(10個)
2,000,000円コース(20個)
3,000,000円コース(30個)
5,000,000円コース(50個)
10,000,000円コース(100個)
資金使途
①調達額1,000万円(目標募集額)の資金使途(行使価額※を除く)
出店費用:779万円
手数料:219万円
②調達額5,500万円の資金使途(行使価額を除く)
出店費用:4,317万円
手数料:1,182万円
③調達額9,990万円(上限募集額)の資金使途(行使価額を除く)
出店費用:8,066万円
手数料:1,923万円
連絡先:株式会社アグリゲート
電話番号 03-6417-4948
メールアドレス info@agrigate.co.jp
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、イークラウドの下記ページをご覧ください。
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