市場ニュース

戻る
 

【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):TOPPAN、コーセル、ヤマトHD

TOPPAN <日足> 「株探」多機能チャートより
■TOPPAN <7911>  3,855円  -303 円 (-7.3%)  本日終値  東証プライム 下落率4位
 TOPPANホールディングス<7911>が続急落。19日午前に米ソノコ・プロダクツ<SON>の軟包装・熱成形容器事業を買収すると発表した。取得価額は18億ドル(約2713億円、1ドル=150円74銭換算)で、現金で決済する予定。買収資金は自己資金や外部借り入れなどで充当する。取得価額はTOPPANの前期末の純資産額に対し15%を超える規模で、同社にとって過去最大規模の買収案件となる。前日の株価の反応は比較的軽微なものとなったが、日銀の金融政策決定会合後に外国為替市場ではドル高・円安が進行しているとあって、巨額買収に伴う財務負担増が意識されているもよう。日証金ベースで貸株残高が増加していることもあって、目先筋の売りに押される形で下押しを余儀なくされたともみられている。

■コーセル <6905>  1,091円  -44 円 (-3.9%)  本日終値
 コーセル<6905>が後場に急落した。同社は20日午前11時30分、25年5月期第2四半期累計(5月21日~11月20日)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を下方修正し、嫌気されたようだ。今期の売上高予想は88億2600万円減額して291億7400万円(前期比29.6%減)、最終利益予想は29億4100万円減額して7億5100万円(同85.5%減)に見直した。半導体製造装置関連は徐々に回復に向かっているとしながらも、中国景気の低迷長期化を背景に、FA関連機器や医療機器などの需要回復が遅れると想定。一部半導体関連を除き全体的な需要が低迷するとみて、影響を業績予想に織り込んだ。第2四半期累計の売上高は前年同期比31.2%減の148億5500万円、最終利益は同92.1%減の2億7800万円となり、ともに計画に対し下振れして着地した。

■ヤマトホールディングス <9064>  1,723.5円  -67.5 円 (-3.8%)  本日終値
 ヤマトホールディングス<9064>は後場マイナス圏に沈んだ。日本経済新聞電子版がこの日午後3時ごろ、「日本郵便がヤマト運輸に対し、損害賠償を求めて提訴する方針だ」と報じた。小型薄型荷物の配達委託を巡り、両社は水面下で交渉を進めてきたが事実上決裂したという。報道を受けて、ヤマトHD株は売り優勢の展開となった。

■三菱UFJ <8306>  1,773円  -61.5 円 (-3.4%)  本日終値
 三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、第一生命ホールディングス<8750>は軟調な値動きとなった。日本時間の前日早朝に公表されたFOMCの結果は、FRBが利下げを決めたものの来年の金融政策に対するタカ派的な見解が意識された。米長期金利は一段と上昇し4.6%近くまで水準を切り上げており、米国事業を展開する大手金融株にとっては運用利ザヤ拡大への期待につながる。しかし、FOMCから半日遅れて前日の昼ごろに開示された日銀金融政策決定会合の結果は利上げが見送られた。政策金利が据え置かれること自体はマーケットで事前に織り込みが進んでいたが、会合後の植田日銀総裁の記者会見がハト派スタンスを意識させるものだったことが、メガバンクや生保株に嫌気される材料となっている。

■BEENOS <3328>  4,000円  -70 円 (-1.7%)  本日終値
 BEENOS<3328>は反落。19日の取引時間中に、LINEヤフー<4689>がBEENOSに対し完全子会社化を目的としてTOB(株式公開買い付け)を実施すると一部で報じられ、同日のBEENOS株はストップ高で取引を終えた。同日の取引終了後にラインヤフーはBEENOSに対し1株4000円でTOBを実施し、完全子会社とすると発表した。TOB価格は前日終値の4070円を下回る水準で、BEENOSの株価はこれにサヤ寄せする形で下落した。買付予定数の下限は888万2500株(所有割合66.03%)で上限は設定しない。来年2月末をメドにTOBを開始することを目指す。TOB成立後、BEENOSは上場廃止となる見込み。ラインヤフーはEC事業の強化につなげる方針。東京証券取引所は19日、BEENOSを監理銘柄(確認中)に指定した。

■ショーケース <3909>  349円  +80 円 (+29.7%) ストップ高   本日終値
 ショーケース<3909>がストップ高。Webサイトの成約率向上を図るSaaS事業「ナビキャスト」などを主力展開している。業績が低迷するなか株価は250~400円のゾーンを中心とする上下動を繰り返しているが、25年12月期は提携効果を背景としたクラウド事業の好転で業績底入れが期待される状況にある。そうしたなか、19日取引終了後に三菱UFJ銀行の住宅ローン手続き専用ページ(マイページ)の本人確認プロセスに同社が開発・提供するeKYCツール「ProTech ID Checker」が採用されたことを発表、これを手掛かり材料に短期資金が攻勢をかけた。

■マーケットE <3135>  964円  +150 円 (+18.4%) ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率2位
 マーケットエンタープライズ<3135>が急騰。同社は19日の取引終了後、株主優待制度を拡充すると発表し、材料視されたようだ。6月末に100株以上を保有する株主に対し500円分のQUOカードを贈呈していた従来の内容を見直し、6月末と12月末のそれぞれの基準日において、500株以上を保有する株主に対して2万5000円分のデジタルギフトを贈呈する形とする。デジタルギフトの内容については、Amazonギフトカードなど複数から選べる形とする予定。株主優待費用は販管費として計上される見込み。業績への影響は精査中で、適時開示の必要性が生じた際は速やかに発表するとしている。

■GFA <8783>  680円  +100 円 (+17.2%) ストップ高   本日終値
 GFA<8783>がストップ高。19日の取引終了後、子会社GFA Capitalがミームコイン銘柄である「Nyanmaru Coin($NYAN)」のオフィシャルアカウントから同通貨の寄付を受けたと発表しており、好材料視された。寄付額は20億$NYAN(日本円換算で約2億円相当)。なお、業績への影響は精査中としている。同時に、保有する投資有価証券の一部を売却したのに伴い、売買目的有価証券運用益3700万円を営業外収益として計上すると発表しており、これも好材料視されている。なお、25年3月期業績への影響は、業績を見直す必要が生じた場合には速やかに発表するとしている。

■グッドライフカンパニー <2970>  2,417円  +337 円 (+16.2%) 一時ストップ高   本日終値
 グッドライフカンパニー<2970>が急反発。19日の取引終了後、自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を20万株(発行済み株数の4.72%)、または5億円としており、取得期間は12月20日から来年2月14日まで。資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に応じた機動的な資本政策の遂行を可能とすることが目的という。

●ストップ高銘柄
 ウインテスト <6721>  127円  +30 円 (+30.9%) ストップ高   本日終値
 ビューテHD <3041>  417円  +80 円 (+23.7%) ストップ高   本日終値
 児玉化学工業 <4222>  440円  +80 円 (+22.2%) ストップ高   本日終値
 リベルタ <4935>  2,300円  +400 円 (+21.1%) ストップ高   本日終値
 データホライゾン <3628>  495円  +80 円 (+19.3%) ストップ高   本日終値
 など、9銘柄

●ストップ安銘柄
 オンコリス <4588>  506円  -100 円 (-16.5%) ストップ安   本日終値
 など、2銘柄

株探ニュース

株探からのお知らせ

    日経平均