【特集】ハークスレイ Research Memo(1):2025年3月期中間期は2ケタ営業増益。通期で4期連続の増益を目指す
ハークスレイ <日足> 「株探」多機能チャートより
■要約
ハークスレイ<7561>は、「中食」「店舗アセット&ソリューション」「物流・食品加工」の3事業を柱に、“食”の事業領域で多角的なM&Aを実行し成長する企業である。「中食事業」は、作りたての弁当や惣菜を持ち帰り方式で販売する「ほっかほっか亭」(直営店とフランチャイズ(以下、FC)方式により運営)とパーティー・ケータリングなどを展開している。「店舗アセット&ソリューション事業」は2006年TRNコーポレーション(株)(現 店舗流通ネット(株))をM&Aによりグループ化し、現在では連結業績をけん引している。「物流・食品加工事業」は、(株)アサヒL&C、稲葉ピーナツ(株)が中核となり、急成長している。
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期第2四半期(以下、中間期)は、売上高が前年同期比0.8%減の21,108百万円、営業利益が同15.3%増の1,028百万円、経常利益が同1.0%増の1,072百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同26.5%減の617百万円と、営業利益で大幅な増益を達成し好調を維持した。売上高が減収となったのは物流・食品加工事業での販売手数料の処理方法変更の影響によるもので、その影響(528百万円)を除くと、前年同期比1.7%増と堅調である。営業利益では、テナント入れ替えが活発だった店舗アセット&ソリューション事業とカミッサリー事業の稼働率向上や原材料調達コストの低減などが奏功した物流・食品加工事業の貢献が大きい。なお、親会社株主に帰属する中間純利益の減益は税負担の増加が原因であり、一過性である。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期は、売上高が前期比4.8%増の49,000百万円、営業利益が同0.6%増の2,450百万円、経常利益が同10.1%増の2,850百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.4%増の1,800百万円と、期初予想を据え置いた。3期連続の増収及び4期連続の増益を見込んでいる。売上高では、物流・食品加工事業は引き続き好調に推移し、最大の売上高になると予想される。営業利益は、2024年3月期並みの予想である。前期にあった大型不動産売却の一時的な特需は剥落するものの、コロナ禍を契機に進めてきた事業構造改革により、相対的に収益性の高い事業へのシフトが進むことで、利益拡大が予想される。
3. 成長戦略
同社は、2025年3月期~2028年3月期の4ヶ年の中期経営目標を策定した。成長投資として178億円規模を見込んでおり、食品製造、冷凍食品製造、菓子製造、農水畜産物の生産・加工業などを領域とする「物流・食品加工」を中心に積極投資する。経営目標としては、2028年3月期にROE8.3%、年間配当金35.0円、DOE2.1%、売上高720億円、EBITDA56億円、親会社株主に帰属する当期純利益25億円としている。配当金については、新配当方針も発表し、1株当たり当期純利益の伸長に合わせて「前年を下回らない増配を目指す」としている。2028年3月期に向けて毎年2.0円から3.0円前後の増配ペースが期待できる。
2024年12月には中期経営目標に則りM&Aを実施し、「贅沢焼売」「贅沢餃子」「贅沢春巻」を主力商品とする(株)ホソヤコーポレーションを子会社化した。
■Key Points
・2025年3月期中間期は15.3%の営業増益。店舗アセット&ソリューション事業及び物流・食品加工事業の収益力が向上
・2025年3月期は3期連続の増収及び4期連続の増益を見込む
・物流・食品加工事業を中心に積極投資。ホソヤコーポレーションを子会社化
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
《HN》
提供:フィスコ