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【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─自分に代わって働く「高クオリティ株」に注目!

株式アドバイザー 北浜流一郎

「自分に代わって働く『高クオリティ株』に注目!」

●市場が評価する唯一の自動車株

 最近、株価チャートを見ていて驚かされたことがある。それは 半導体関連株のスーパースター、レーザーテック <6920> [東証P] の下げが止まらないことじゃない。半導体関連株の中では比較的安定性が高いと見られている信越化学工業 <4063> [東証P]が大きくは下げないものの、なかなか浮上に転じないことでもない。それは、トヨタ自動車 <7203> [東証P]をはじめとする 自動車株が失速を続けている――これになる。業界全体が年初の段階で株価が停滞するか、それよりも下げているのだ。

 私は自動車株ではスズキ <7269> [東証P] 推しであり、他の銘柄については株価が上昇中ならチェックするのだが、下落に転じていたらほとんどスルーしてしまう。下がる銘柄に用はないからだ。そのため、自動車株をまとめて見ることはなかったのだが、たまたまトヨタ株のチャートを見る機会があり、他の自動車株のチャートも見てみると、「えっ!ほとんどが下げているじゃないか」と驚かされた。

 なにしろ、トヨタの年初の株価は2605円。今週末は2697.5円で引けたので、年初からようやく92.5円高という水準だ。しかし、これはまだ良い方で、日産自動車 <7201> [東証P]になると年初の559円が355.7円という有様だ。これはもう残念過ぎる。マツダ <7261> [東証P]にしても1556円が977.8円。ホンダ <7267> [東証P]はプラスだろうと期待したのに、こちらは1476円が1293.5円とこれまたマイナスだ。SUBARU <7270> [東証P]はどうか。2620円が2517.5円。これまた年初より下げている。

 円安下でこんなことになっているのだから、これらの自動車株に投資している人は面白くないに違いない。こんな状況の中で唯一スズキだけは1508.2円が1794.5円と気を吐いている。他とどこがどう違うのか。スズキといえば中国や米国市場を捨てインド市場に特化しており、市場はこの点を評価していることになる。私に言わせればこれは自動車株の中の「高クオリティ株」ということになり、「自分に代わって働いてくれる株」ということにもなる。

●堅実に成果をもたらす働き者の銘柄を仕込む

 決してスター株ではないが、しっかりと結果を出してくれる銘柄。こんな銘柄が、「自分(投資家)の代わりに働き稼いでくれる株」こういうことになるため、今回は地味な値動きながら自動車株とは比べ物にならないほど堅調な値動きの銘柄に注目だ。

 そこで、まずはライオン <4912> [東証P]になる。歯ブラシ首位、歯磨きは「クリニカシリーズ」がよく知られていて、わが家でも使っている。それに痛み止めの「バファリン」もこの会社の製品だ。歯磨きや歯ブラシはいわゆる消耗品。一定期間を置いて消費されるため、売り上げがコンスタントに立つことになる。収益の急増はないものの、着実増はあるので、株価は緩やかな浮上を続ける。こう見てよい。

 ALSOK <2331> [東証P]も堅調高を期待できる銘柄だ。来年4月13日から半年間、大阪万博が開催される。そこで不可欠となるのが 警備。ALSOKに限らず警備会社には特需が訪れることになり、収益増は必至。株価も続伸すると見るのが自然だ。

 次はヤマタネ <9305> [東証P]になる。秋の収穫が終われば価格が下落するはずだったコメの価格が下がらない。訪日外国人たちが寿司を食べまくるし、我々も年末年始に向けて丼物などをあれこれ食べる以上、米価は下がるどころか上昇する確率が高そう。それはコメ卸の老舗ヤマタネ株を緩やかに押し上げ続けるだろう。

 婦人用下着首位のワコールホールディングス <3591> [東証P]も、スローペースながら株価の上昇が見込める銘柄になる。コロナ禍による収益減からの立ち直りが遅れ、いまも構造改革中だが徐々に成果が表れつつある。株価はそれを評価する形で緩やかに浮上しており、当面それが続きそうだ。

 日本には世界トップの企業が多数あるが、ウェザーニューズ <4825> [東証P]もその一つ。民間気象会社として世界最大であり、国内だけでなく世界の海洋、海上の気象情報を、世界中のほとんどの船舶に提供しているのだから、まさに「高クオリティ」企業になる。株価はこれまた続伸する確率が高い。

 最後は、古野電気 <6814> [東証P]を。こちらも魚群探知機で世界首位と船舶に関係がある。この点でウェザーニューズ同様「高クオリティ企業」であるばかりか、無線技術に強く、船舶用レーダーなど防衛関連機器で先端を走るだけに、株は緩やかな値動きのうちに捕まえておきたい。

 派手さはないが、以上の銘柄が自分の代わりに働き、稼いでくれる「高クオリティ」株となる。

2024年12月13日 記

株探ニュース

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