【材料】<動意株・11日>(大引け)=フジクラ、SHIFT、グリッドなど
フジクラ <日足> 「株探」多機能チャートより
SHIFT<3697>=急反発。一時1360円高で1万6000円台を回復する場面があった。同社株のザラ場1万6000円台乗せは今年6月13日以来で約4カ月ぶりとなる。ソフトが正常に動作するかを確認するソフトウェアテストサービスを主力に手掛けるが、足もとの業績は会社側の想定を上回って好調に推移している。10日取引終了後に25年8月期の業績予想を発表、営業利益は前期比28%増の135億円を見込んでおり、過去最高利益を更新する見通し。これを評価する形で投資資金が流入した。
グリッド<5582>=上値追い鮮烈。きょうで5連騰となり一時200円を超える上昇で3100円台に突入するなど上昇ピッチも加速している。同社は電力の需給計画や海運の配船計画などの分野でAI技術を活用した計画最適化システムを展開している。AIエンジンの開発及びAIエンジン搭載のシステム実装段階から、保守・運用サポートに至るまでワンストップでサービスを提供する。太陽光発電の開発・建設を手掛けるウエストホールディングス<1407>とは系統用蓄電池事業で業務提携している点も注目材料。生成AI市場の拡大を背景とするデータセンター増設需要を背景に電力消費も急増傾向にあることで、それに合わせた調整ニーズを商機として視野に置いている。また、足もとで原油市況が高騰していることから、電力コストも上昇が見込まれ、計画最適化システムに対する需要拡大思惑も株価を刺激している。
チヨダ<8185>=4年3カ月ぶり高値圏に浮上。靴専門店を全国展開しており、靴を靴ベラなしで簡単に履ける「スパットシューズ」が消費者ニーズを捉え大ヒット、収益に大きく貢献している。10日取引終了後、25年2月期上期(24年3~8月)の業績予想の修正を発表、営業利益は従来見通しの10億円から16億1400万円(前年同期比74%増)予想に大幅増額しており、これを手掛かり材料に上値を見込んだ投資資金が流入した。同社の株価は2020年7月以来約4年3カ月ぶりの高値水準にあるが、時価換算で3%近い配当利回りにもかかわらず、PBRが0.7倍台と割安感が強く、ファンダメンタルズ面との比較で一段の上値余地が意識されている。
ドーン<2303>=急反騰で一気に年初来高値更新。上値抵抗ラインとして意識される2200円近辺を上に抜け、一時2295円まで買われた。地理情報システムの開発及び防災分野を主軸としたクラウドサービス事業を展開しているが、足もとの業績は、ストック型収入のクラウドサービスの契約数積み上がりに加え、大型のシステムインテグレーション案件開発にかかわる売り上げなどが全体収益を押し上げている。10日取引終了後に発表した25年5月期第1四半期(24年6~8月)決算は、営業利益が前年同期比82%増の1億2000万円と急拡大しており、これを評価する買いを呼び込む格好となっている。
ニチダイ<6467>=物色人気にストップ高。10日の取引終了後、各種センサーを用いて金型損傷などの異常や状態監視を可能にする「鍛造DX」の実用化に向けて、トヨタ自動車<7203>と協力することで合意したと発表した。トヨタが持つものづくりノウハウと生産活動で得られるビッグデータを、開発中の「鍛造DX」と組み合わせることで新たな製造オペレーションの実用化が期待できるという。これを材料視した買いが膨らんだ。
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出所:MINKABU PRESS