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【材料】USスチール、日鉄による買収成立ならCEOに巨額の報奨金=米国株個別

(NY時間13:12)(日本時間02:12)
USスチール<X> 34.96(+0.36 +1.04%)

 日本製鉄<5401>によるUSスチール<X>の買収計画を巡り、買収成立ならブリットCEOは7200万ドル相当に上る巨額の報奨金を受け取る可能性がある。米民主党のウォーレン(マサチューセッツ州)、ブラウン(オハイオ州)両議員がブリット氏宛てに書簡を記した。ブルームバーグが伝えた。


 今年3月の米証券取引委員会(SEC)への届け出によれば、USスチール幹部は日鉄が買収した後で解雇された場合、インセンティブの対象となるという。ブリットCEOに提示されたインセンティブは1300万ドルの現金と約5400万ドル相当の株式など。

 ウォーレン、ブラウン両議員は書簡で「この取引にはリスクが伴う。それにもかかわらず、このインセンティブがどれほどのけん引力となって取引を推し進めているのか」を懸念していると述べ、これが米企業ではなく日鉄の買収案受け入れへとブリット氏を動かした可能性があると示唆した。

 両議員は「このような支払いはUSスチール幹部が同社の労働者を犠牲にして私腹を肥やし得るという、忌まわしい利益相反を示している」と主張している。

 バイデン大統領とハリス副大統領、共和党の大統領候補であるトランプ前大統領はいずれも日鉄による買収に反対の姿勢。USスチールの株価は日鉄が提示した1株55ドルの約3分の2程度で推移しており、投資家は買収成立の公算が小さいと見ている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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