【材料】ギークス:ITフリーランスに特化したプラットフォームを展開
ギークス <日足> 「株探」多機能チャートより
ギークス<7060>は、ITフリーランスの働き方を支援し、企業向けに技術リソースのシェアリングを提供するIT人材事業を展開している。
前期実績で売上高の59%を占める国内IT人材事業では、企業の枠を超えて複数のプロジェクトに携わるITフリーランスの技術リソースシェアリングを活用した新しいエンジニアリングスタイルを提案している。同社が運営するITフリーランス向け案件検索サイト「geechs job(ギークスジョブ)」を通じて同社が企業との仲介役となる。「geechs job」には年間約1,400名のITフリーランスが新規登録を行っており、顧客企業は約3,630社、案件情報を常時1,500件以上保有している。また、海外IT人材事業が前期実績で売上高の30%を占めており、オーストラリアで人材派遣事業やMSP事業(包括的な人材管理ソリューションを提供する事業)を主にシドニーとメルボルンで展開している。35万人超のIT人材データベースを保有し、年間のIT人材の稼働者数は7,500人月を超える。そのほか、IT人材育成事業も展開し、IT人材不足の解消とグローバルに活躍する人材を育成することを目的に、フィリピンセブ州にてNexSeed Inc.を設立し、エンジニア留学、英語留学を提供している。
25年3月期第1四半期の売上高は5,825百万円(前年同期比2.0%減)、営業利益は80百万円(同2.8倍)で着地した。国内IT人材事業は引き続き需要も強く、案件倍率が7.5倍(前年同期7.88倍)で推移しており、売上高で過去最高の36.9億円超を達成。テイクレートは17.6%と前四半期と同水準を維持し、平均受注単価は82.4万円と前年同期比で3.2%上昇した。また、第1四半期の新規取引企業数は37社増、累計取引企業数は1,659社となった。海外IT人材事業は会社計画に沿った進捗で第1四半期をスタート、Seed Techはオフショア開発を中心に堅調に推移している。25年3月期の売上高は26,300百万円(前期比10.8%増)、営業利益は550百万円(同6.1倍)を見込む。
同社は今後、ITフリーランスとのエンゲージメントを高めることで、継続的なパートナーシップを強固なものとしてビジネスの最大化を図っていく。また、国内IT市場規模が拡大していく中で積極的なM&A戦略を推進し、DX/IT人材・組織コンサルティング、ITコンサルティング・PMO、システム開発領域までビジネス領域を拡大することで、企業向けのDX/IT推進案件の上流工程から参画していく。M&Aのターゲット領域としては、DX/IT人材・組織コンサル、ITコンサル、システム会社などの売り上げ規模5億円を超えるグループシナジーが見込める企業を選定するようだ。株主還元としては、持続的な利益成長と企業価値向上につながる成長投資等を優先しつつ、株主に対して安定的・継続的な配当を実施することを基本方針として、2025年3月期は年間配当金10円で配当性向30%となっている。ミドルからハイスペックな本業ITフリーランスに特化したプラットフォームを展開するなか、中長期的にトップラインと利益の2桁成長が続くか注目しておきたい。
《NH》
提供:フィスコ