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【材料】イルミナが下落 中期経営戦略の見通しが物足りず=米国株個別

(NY時間11:50)(日本時間00:50)
イルミナ<ILMN> 115.85(-8.69 -6.98%)

 遺伝子解析のイルミナ<ILMN>が下落。DNAシーケンシングの簡易化とデータ分析の改善による売上増加計画が投資家の期待に応えられなかった。同社はこの日中期経営戦略を公表し、2027年までに売上高を8-9%増加させることができると発表した。また、コスト削減により2億ドルを捻出し、今後3年間で1株利益を少なくとも10%増加させることができるとも述べた。

 同社はまた、ゲノム医療に重点的に取り組む研究センターであるMITとハーバード大のブロード研究所との新たな提携も発表した。

 しかし、アナリストからは「予測は少し物足りないように思われる。1桁台後半の売上高の成長目標はパンデミック以前に同社が成長していた水準から後退している」との評価も聞かれた。

 同社のテーセンCEOは規制当局との長期に渡る反トラスト法の紛争により、がん検出の新興企業グレイル社の70億ドルでの買収を断念しているが、その後にコア事業を復活させたいと考えている。2年間に渡る業績の停滞と投資家アイカーン氏との委任状争奪戦により、デスーザ前CEOが辞任に追い込まれた後、テーセンCEOは新たなページを開こうとしている。

 同社はDNA解読装置の市場を独占しており、長年ヒトゲノム解読の価格引き下げに重点的に取り組んできた。アナリストは「顧客が同社の装置をより多く利用できる方法を同社はさらに見つけ出し、その結果として生じる売上減を相殺する必要がある」と指摘。「シーケンシングは非常に安価になったため、重要なのはシーケンシングのコストだけではなく、それ以外の全てだ」と述べている。

【企業概要】
 世界の学術機関・病院・製薬・バイオテクノロジー会社等の研究・臨床現場顧客向けに、遺伝子・ゲノム解析のためのソリューションを提供する。シーケンシングとマイクロアレイシステム、消耗品、解析ツールを統合し、遺伝子解析を迅速化・簡素化し、サービスを提供する。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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