【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):東京製鉄、MARUWA、信越化
東京製鉄 <日足> 「株探」多機能チャートより
東京製鐵<5423>がストップ高。前週末26日取引終了後、25年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の300億円から320億円に増額した。売上高は小幅に下方修正したものの、鋼材販売価格の値上げによる効果が発現し、利益は会社側の期初見通しを上回る。また、同日に発行済み株式数の6.26%にあたる680万株、金額ベースで100億円を上限とする自社株買いを実施することも発表、買い付け期間はきょうから来年6月末までとしており、これもポジティブサプライズとなった。
■MARUWA <5344> 40,500円 +5,750 円 (+16.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
MARUWA<5344>が後場急伸。午後2時ごろに発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高162億4300万円(前年同期比27.7%増)、営業利益56億4000万円(同59.8%増)と大幅増収増益となったことが好感された。主力のセラミック部品事業で次世代高速通信向けや新エネルギー車向けが堅調に推移した。なお、25年3月期通期業績予想は、売上高703億円(前期比14.2%増)、営業利益230億円(同16.2%増)の従来見通しを据え置いている。
■第四北越FG <7327> 5,780円 +750 円 (+14.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
第四北越フィナンシャルグループ<7327>が急伸し、上場来高値を更新した。前週末26日の取引終了後、25年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算発表にあわせ、中間期の業績予想の上方修正と自社株買い、株式分割などを発表し、好感されたようだ。中間期の最終利益予想を37億円増額して142億円(前年同期比2.8%増)に見直した。貸出金利息や有価証券利息配当金が増加したほか、顧客の為替変動リスクを回避するためのデリバティブ取引の増加により非金利収益が想定を上回ったという。また、取得総数40万株(自己株式を除く発行済み株式総数の0.89%)、取得総額12億円を上限とする自社株買いを実施する予定。更に9月30日を基準日として10月1日付で1株を2株に分割する。加えて、株式分割前の水準で年間配当予想を20円増額の180円(前期比35円増配)に修正し、株主優待制度の拡充についても開示した。
■千代田化工建設 <6366> 310円 +32 円 (+11.5%) 本日終値
千代田化工建設<6366>が大幅高。午後0時30分ごろ、これまで非開示としていた25年3月期連結業績予想について売上高を4500億円(前期比11.1%減)、最終損益を150億円の黒字(前期158億3100万円の赤字)と発表した。最終黒字に転換する見通しを示したことが好感された。米テキサス州のLNGプロジェクトを共同遂行している米国企業のプロジェクト離脱と、それを受けて千代建グループが顧客との新たな遂行プランを合意した場合の影響を含まない前提で算出した。今後、この影響を反映することが可能となった段階で業績予想を修正するという。
■マネックスグループ <8698> 722円 +70 円 (+10.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
マネックスグループ<8698>が大幅高。前週末26日の取引終了後、取得上限1400万株(自己株式を除く発行済み株数の5.43%)、または50億円とする自社株買いの実施を発表した。期間は7月29日から来年6月30日まで。これが好感された。あわせて4~6月期連結決算を発表。売上高は192億4400万円(前年同期158億3600万円)、純利益は24億7200万円(同24億1400万円)だった。米国事業での委託手数料の増加などで受け入れ手数料が伸びたほか、暗号資産取引の増加でトレーディング損益も急増した。
■七十七銀行 <8341> 4,610円 +370 円 (+8.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
26日に決算を発表。「4-6月期(1Q)経常は31%増益で着地」が好感された。
七十七銀行 <8341> [東証P] が7月26日大引け後(15:30)に決算を発表。25年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比31.5%増の165億円に拡大し、4-9月期(上期)計画の265億円に対する進捗率は62.3%となり、5年平均の61.3%とほぼ同水準だった。
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■信越化学工業 <4063> 6,844円 +540 円 (+8.6%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位
信越化学工業<4063>が大幅続伸。前週末26日の取引終了後、未定としていた25年3月期の連結業績予想について、売上高2兆5000億円(前期比3.5%増)、営業利益7350億円(同4.8%増)となり、年間配当予想を中間・期末各53円の年106円(前期100円)としたことが好感された。米国の住宅需要の堅調を受けて、塩化ビニル事業で北米を中心に値上げ交渉が進んでいることに加えて、か性ソーダについても値上げを実施したことが寄与する。また、半導体市場の底打ちでシリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクスなどの半導体材料需要が回復してきていることも貢献する。なお、同時に発表した第1四半期(4~6月)連結決算は、売上高5979億3000万円(前年同期比0.2%減)、営業利益1910億2300万円(同0.1%増)だった。
■十六FG <7380> 4,850円 +325 円 (+7.2%) 本日終値
26日に決算を発表。「4-6月期(1Q)経常は18%増益で着地」が好感された。
十六フィナンシャルグループ <7380> [東証P] が7月26日大引け後(15:00)に決算を発表。25年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比18.1%増の88.6億円に伸び、4-9月期(上期)計画の138億円に対する進捗率は64.3%に達し、5年平均の52.6%も上回った。
⇒⇒十六FGの詳しい業績推移表を見る
同時に発表した「1.698%を上限に自社株買いを実施」も買い材料。
発行済み株式数(自社株を除く)の1.698%にあたる62万株(金額で31億円)を上限に自社株買いを実施する。買い付け期間は7月29日から9月20日まで。
■SUMCO <3436> 2,503.5円 +162.5 円 (+6.9%) 本日終値
SUMCO<3436>がマドを開けての大幅高。一時7%高で2500円台まで駆け上がり、5日・25日・75日移動平均線をまとめて上抜くなど戻り足を鮮明としている。シリコンウエハーでは信越化学工業<4063>と世界で双璧の商品シェアを誇る。直近は全体相場がリバウンドに転じるなかで、外資系ヘッジファンドなどによる貸株市場を通じた空売り買い戻しなども呼び込んでいるもようだ。足もとの業績は低調ながら、今期以降の業績改善への思惑が漂う。生成AI市場の急拡大を背景にAI向け先端半導体需要が強く喚起されており、同社の大口径シリコンウエハーの出荷増勢に向け期待が高まっている。
■ミスミグループ本社 <9962> 2,779.5円 +150.5 円 (+5.7%) 本日終値
ミスミグループ本社<9962>が大幅続伸。前週末26日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高995億2700万円(前年同期比10.7%増)、営業利益118億2800万円(同31.4%増)、純利益92億5100万円(同52.0%増)と大幅な増収増益となったことが好感された。FA事業で中国や日本を中心に需要を獲得し、特に中国通信関連需要が堅調だったほか、自動車関連の金型需要が中国・アジア・日本で回復基調に向かったことが寄与した。また、売り上げ数量の増加や商品ミックス効果も利益増に貢献した。なお、25年3月期通期業績予想は、売上高3930億円(前期比6.9%増)、営業利益460億円(同19.9%増)、純利益344億円(同22.2%増)の従来見通しを据え置いている。
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