【特集】リケンNPR Research Memo(7):2025年3月期は小幅な減益予想も、上振れの可能性
リケンNPR <日足> 「株探」多機能チャートより
■今後の見通し
● 2025年3月期の連結業績見通し
リケンNPR<6209>の2025年3月期の連結業績見通しは、売上高が171,000百万円、営業利益が10,400百万円、経常利益が12,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が8,000百万円としている。営業外収益で為替差益を見込まず、特別利益では、前期計上した負ののれん発生益が剥落する。リケン・NPRともに12ヶ月間の業績を反映した2024年3月期合算値で比較すると、売上高は前期比1%増収、営業利益は同2%減益、経常利益は同7%減益、前期計上の負ののれん発生益を除いた親会社株主に帰属する当期純利益は同8%減益の見通しだ。想定為替レートは145円/米ドル、155円/ユーロ(前期実績は140円/米ドル、152円/ユーロ)としている。
2024年2月に子会社化したシンワバネスの連結効果などにより増収だが、自動車生産台数の不透明感や成長領域への戦略投資などを考慮して小幅な減益予想としている。営業利益2億円減少の要因別増減分析(予想)※は、販売減等で12億円減少、為替変動で3億円増加、価格転嫁で5億円増加、原材料・エネルギー価格上昇で7億円減少、人件費増加で7億円減少、減価償却費・研究開発費増加で5億円減少、合理化の進展で20億円増加としている。設備投資は前期比※23億円増加の100億円、減価償却費は同2億円増加の95億円、研究開発費は同3億円増加の47億円を計画している。設備投資はコスト競争力を意識した設備導入、成長領域である新製品・新事業等のネクストコア事業やカーボンニュートラル関連の環境投資に注力する。研究開発費はカーボンニュートラルに貢献する燃費低減技術、水素燃料・バイオ燃料・e-fuel等の評価・水素エンジン化改造開発、新製品・新事業開発に経営資源を投入する。現状の為替水準が会社想定よりも円安水準で推移していることなどを勘案すれば、会社予想は保守的な印象が強く、上振れの可能性があると弊社では考えている。
※2024年3月期は、リケン・NPRともの12ヶ月の業績を反映した値。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
《AS》
提供:フィスコ