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【注目】前日に「売られた株!」総ザライ ―本日への影響は?―

C&R <日足> 「株探」多機能チャートより

■C&R <4763>  1,568円 (-223円、-12.5%)

 東証プライムの下落率2位。クリーク・アンド・リバー社 <4763> [東証P]が急反落。9日取引終了後に発表した3-5月期連結決算は売上高が前年同期比0.8%増の128億5400万円、営業利益が同20.2%減の12億6100万円だった。通期で増収増益を見込んでいるため、第1四半期時点での減益が嫌気された。専門的な能力を持つプロフェッショナル人材へのニーズが引き続き底堅く推移したものの、一部の大手ゲームパブリッシャーの案件縮小や人材紹介サービスの成約長期化による影響があった。新卒採用に伴う費用増やオリジナルコンテンツの開発投資なども利益面で重荷となった。あわせて、取得上限35万株(自己株式を除く発行済み株数の1.6%)、または5億円とする自社株買いの実施を発表した。期間は7月10日から11月30日まで。

■コクサイエレ <6525>  5,400円 (-420円、-7.2%)

 東証プライムの下落率4位。KOKUSAI ELECTRIC <6525> [東証P]が急反落。ロイター通信が9日の取引終了後、米投資ファンドのKKR <KKR> が保有するコクサイエレの株式の一部を売却することが分かったと報じた。需給面での悪影響を警戒した売りが優勢となった。KKRの保有比率は約43%から20%近くまで低下すると、関係者の1人が明らかにしているほか、別の関係者によるとKKR以外にも株式を放出する見込みで、売出総額は3000億円規模になると伝えている。需給への影響を抑えるためにコクサイエレは自己株式を取得するとも報じている。コクサイエレは同日、株式の売り出しや自己株式の取得など、資本政策や株主政策の検討を行っているとしたうえで、「公表すべき事実について決定した場合は速やかに公表する」などとするコメントを発表した。

■三菱重 <7011>  1,875円 (-125円、-6.3%)

 東証プライムの下落率6位。三菱重工業 <7011> [東証P]が続急落。同社は2営業日前の7月8日まで11連騰を演じていたが、前日9日は日経平均株価が一時900円を超す上昇となるなかで同社株は過熱感が意識され、目先の利益を確定する目的の売りに押された。10日も朝方から利食い売りで冴えない展開となるなか、日本経済新聞電子版は同日午前、防衛省が自民党の合同会議において、特定秘密の不適切運用や海上自衛隊の潜水手当の不正受給、パワーハラスメントの問題が確認されたと説明したとしたうえで、「海自の潜水艦乗組員らに対する川崎重工業の金品提供問題をめぐっては、三菱重工業や下請け企業など関連する企業も調査の対象とする」と報じた。同省の特別防衛監察では、潜水艦の修理を担う企業が三菱重と川崎重工業 <7012> [東証P]の2社が中心であることを踏まえて、幅広く実態を把握するという。これを嫌気した売りも加わり、下げ幅を拡大する形となったようだ。

■GSユアサ <6674>  2,938円 (-183円、-5.9%)

 東証プライムの下落率7位。ジーエス・ユアサ コーポレーション <6674> [東証P]が4日続急落。9日の取引終了後、中期経営計画の修正を発表。26年3月期の営業利益目標(のれん等償却前ベース)を従来の410億円以上から460億円以上(25年3月期見通しは445億円)に引き上げた。一方、26年3月期の売上高目標は6100億円以上から6000億円以上に引き下げた。車載用リチウムイオン電池による成長期待が膨らんでいただけに、新たな業績目標に対し物足りなさを意識した投資家の売りが膨らんだようだ。産業用電池などでの売価是正の効果や円安、鉛価格の高止まりを想定する半面、車載用リチウムイオン電池部門においては原材料価格が大幅に下落したことに伴う売価低下などの影響を反映し、収益目標を引き下げた。

■イオンディラ <9787>  3,765円 (-135円、-3.5%)

 イオンディライト <9787> [東証P]が3日ぶり大幅反落。9日の取引終了後に発表した第1四半期(3-5月)連結決算で、営業利益が32億6700万円(前年同期比5.2%減)と減益となったことが嫌気された。顧客内シェア拡大や新規顧客開拓に加え、単価見直しの推進により売上高は811億2100万円(同2.5%増)となったが、人件費の上昇を主な理由として警備事業や清掃事業の収益性が低下したことが響いた。なお、25年2月期通期業績予想は、売上高3400億円(前期比4.7%増)、営業利益160億円(同5.0%増)の従来見通しを据え置いている。

※10日の下落率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋

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