【市況】AI関連の出遅れ銘柄を探る動き/オープニングコメント
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
9日の日本株市場は、米株高の流れからハイテク主導で始まることになりそうだが、買い一巡後はこう着感が強まりそうだ。8日の米国市場は、NYダウが31ドル安、ナスダックは50ポイント高だった。早期の利下げ期待から買いが先行したが、その後は今週予定されている重要インフレ指標やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長証言を控えるなか、持ち高調整の動きからNYダウは下落に転じた。一方で、ナスダック指数はエヌビディアなどの半導体株が買われるなか、5日連続で最高値を更新。シカゴ日経225先物清算値は大阪比60円高の40910円。円相場は1ドル160円80銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする形から、買い先行で始まることになりそうだ。ナスダック指数は5日続伸で連日の最高値を更新しており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になりそうだ。また、エヌビディアがアナリストによる目標株価引き上げを受けて買われたほか、アームホールディングスは続伸。インテルはAI関連の出遅れとして買われており、ハイテク主導の展開が期待されそうだ。
ただし、日経平均株価は足もとの急ピッチの上昇による過熱感は警戒されやすい。また、明日もパッシブ型ETFの決算となり、分配金を捻出するため、現物と先物に売り需要が発生するとみられている。昨日の動きでは日経平均株価の0.32%安に対してTOPIXの下落率は0.57%だった。相対的にTOPIXの弱さが目立っており、明日もETF決算による売り需要の影響からTOPIXの弱さが意識されそうだ。
そのため、ソフトバンクG<9984>など指数インパクトの大きい値がさ株の一角が日経平均株価を下支えするものの、全体としては値下がり数が多い状況になりそうだ。昨日の下げが限定的だったことから、押し目待ち狙いの買い意欲は強いと考えられる。明日の需給イベント通過後のアク抜けへの思惑から本日も下値の堅さは意識されやすい面はあるが、積極的な上値追いの動きは期待しづらいところであり、次第にこう着感が強まりそうである。
物色としてはハイテク主導の展開が見込まれる。米国ではインテルがAI関連の出遅れとして6%を超える上昇となった。また、TSMCの米国預託証券(ADR)は上昇し、時価総額が1兆ドルを突破した。国内においてもAI関連の出遅れ銘柄を探る動きが意識されそうだ。
《NH》
提供:フィスコ