【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:サンケン、カバー、ワコールHD
サンケン <日足> 「株探」多機能チャートより
サンケン電気<6707>が全般地合い悪に抗して急騰。半導体素子を製造販売し、主にパワー半導体分野をフィールドとしている。足もとの業績は苦戦しており、25年3月期は営業利益段階で前期比3割減益を見込み、年間配当は無配(前期は15円)を計画している。そうしたなか、19日取引終了後、旧村上ファンド系投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが同社の株式保有比率を従来の19.16%から20.18%に高めたことが、同日に関東財務局に提出された変更報告書で明らかとなった。保有目的は「純投資」としている。エフィッシモの買い増しを受けて、株式価値向上に向けた動きが会社側から打ち出される可能性に期待した買いを呼び込んでいる。
■カバー <5253> 1,920円 +129 円 (+7.2%) 11:30現在
カバー<5253>が続騰している。同社は19日、英語圏向けVTuberグループ「ホロライブEnglish」において、新ユニットを設立しメンバー4人がデビューすると発表。今後の収益貢献を期待した買いを集めたようだ。新ユニット名は「hololive English -Justice-」で、日本時間22日に新メンバー4人がデビューする。YouTubeチャンネルと公式Xは19日より順次公開される。
■ワコールHD <3591> 4,525円 +153 円 (+3.5%) 11:30現在
ワコールホールディングス<3591>が続急伸し、上場来高値を更新した。シンガポールの投資会社である3Dインベストメント・パートナーズがワコールHDの株式の買い増しに動いたことが19日の取引終了後に明らかとなり、思惑視した買いを誘ったようだ。同日、関東財務局に提出された変更報告書によると、3Dインベストメント・パートナーズの保有割合は5.13%から6.19%に上昇した。報告義務発生日は12日。保有目的は「純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為を行うこと」としている。
■デジタルアーツ <2326> 3,920円 +55 円 (+1.4%) 11:30現在
デジタルアーツ<2326>は堅調。米ブラックロック<BLK>日本法人のブラックロック・ジャパンが19日付で関東財務局に提出した大量保有報告書で、共同保有分を含むデジアーツ株の保有割合が5.04%と新たに5%を超えたことが判明。これを受けて、需給思惑的な買いが入っている。保有目的は「純投資」としている。報告義務発生日は6月14日。
■ダイセキ <9793> 3,340円 +15 円 (+0.5%) 11:30現在
ダイセキ<9793>が反発している。日本経済新聞電子版が20日、「産業廃液などの処理を手掛けるダイセキは、2025年2月期中に北海道と東北に工場用地を取得する」と報じ、買いを誘う格好となったようだ。投資額は10億円程度という。北海道ではラピダス(東京都千代田区)が半導体工場の建設を進め、宮城県では台湾の力晶積成電子製造(PSMC)などによる工場新設計画があるなか、半導体企業からの廃液処理需要の拡大を見込み、将来の工場の新設に備えるとしている。
■岩谷産業 <8088> 9,220円 +36 円 (+0.4%) 11:30現在
岩谷産業<8088>は高い。19日の取引終了後、株式分割を実施すると発表した。9月30日を基準日として1株を4株に分割する。これが好感されている。
■日本航空 <9201> 2,509円 +4 円 (+0.2%) 11:30現在
日本航空<9201>、ANAホールディングス<9202>など空運株は買い優勢の展開。きょうは全体相場が軟調に推移しているが、そのなか業種別騰落で「空運」は33業種中値上がり率首位を競う状況となっている。前日の引け後に発表された5月の訪日外国人客数は304万人と3カ月連続で300万人の大台に乗せた。コロナ禍前の2019年5月との比較でも9.6%増と2ケタ近い伸びを示しており、旅客需要の増勢が両社の収益を後押しするとの見方が買いを呼び込んでいるもようだ。
■サンバイオ <4592> 848円 -150 円 (-15.0%) ストップ安売り気配 11:30現在
サンバイオ<4592>がストップ安の水準となる前営業日比150円安の848円でウリ気配となっている。厚生労働省の専門部会が19日に開かれ、サンバイオの再生医療製品「アクーゴ(SB623)」について条件・期限付きでの承認が了承されたと報じられている。ただし、改めてデータを提出することを前提に了承された格好となり、当面は出荷できないという。アクーゴの製造販売承認の可否が19日の専門部会での審議事項に含まれたことが明らかとなって以降、サンバイオの株価は承認への期待をもとに急騰を続けていたが、出荷の認可が見送りとなったことが失望売りを促す要因となったようだ。
■東京エレクトロン <8035> 34,600円 -130 円 (-0.4%) 11:30現在
東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>など半導体製造装置の主力銘柄が軟調な動きとなっている。前日の米株市場が休場だったことで手掛かり材料難が意識されるが、足もとで1ドル=158円台まで円安に振れたことは輸出採算改善期待からプラスに働く。ただ直近、米国が日本とオランダに対し、人工知能(AI)に使われる高性能半導体に関する対中規制を強化するように要請すると海外メディアを通じて伝わっており、これが上値を重くしている。AI用半導体ではエヌビディア<NVDA>の製造するGPU(画像処理半導体)と合わせて需要が増大しているHBM(広帯域メモリー)などが対象となり、同製造装置で高い商品競争力を誇る東エレクなどをはじめ、関連銘柄に逆風となっている。
■メディア工房 <3815> 319円 +80 円 (+33.5%) ストップ高買い気配 11:30現在
メディア工房<3815>は物色人気を集めている。19日取引終了後に株主優待制度を新設すると発表した。毎年8月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、保有期間に応じてQUOカードPay4000~5000円分を贈呈する。今年8月から実施する。これが好感されている。あわせて、24年8月期連結業績予想について売上高を22億円から19億9300万円(前期比3.9%減)へ、最終損益を3000万円の黒字から2億9200万円の赤字(前期3500万円の黒字)へ下方修正すると発表。事業の選択と集中に伴い特別損失を計上する。また、今後注力する新規参入事業への積極的な投資も見込む。更に26年8月期を最終年度とする中期経営計画を明らかにした。主力の占い事業を拡大させ、最終年度に売上高28億9400万円、営業利益2億5000万円の達成を目指す。
■ヘリオス <4593> 198円 +38 円 (+23.8%) 11:30現在
ヘリオス<4593>が急騰。19日の取引終了後、同社が理化学研究所と大阪大学と共有する網膜色素上皮(RPE)細胞の製造法・純化法に関する特許に関し、日本以外の全世界における特許出願国で、アステラス製薬<4503>の子会社に非独占的に許諾するライセンス契約を締結したと発表。これを材料視した買いが入ったようだ。ヘリオスは契約提携時に一時金として300万ドルを受領する予定。その後、アステラス子会社により開発・製造された製品が米国で承認を受けた時点で、マイルストーンとして最大800万ドルを受領する可能性があるとしている。
■アディッシュ <7093> 816円 +46 円 (+6.0%) 11:30現在
アディッシュ<7093>が急伸している。20日午前11時、クラウド上のシステム提供とともに業務プロセスそのものをアウトソーシングする「BPaaS」に関連するサービスの提供を始めると発表した。これにあわせ、ユニリタ<3800>やクラウドサーカス(東京都新宿区)、パートナープロップ(同渋谷区)と提携したとも公表。今後の事業展開を期待した買いが入ったようだ。SaaS企業はアディッシュのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を自社のSaaSと組み合わせることで、業務効率の向上などにつながるBPaaSのサービス提供が可能になる。アディッシュもBPaaSを企業向けに販売し、SaaS企業が抱える課題の解決を促していく。
■ティムス <4891> 221円 +8 円 (+3.8%) 11:30現在
ティムス<4891>が反発。19日の取引終了後、急性腎障害の治療薬候補として開発を進めてきた「TMS-008」の第1相臨床試験で最初の被験者への投与を実施したと発表した。健常な成人男性を対象に同治療薬候補をコホートごとに漸増的に投与し、安全性や忍容性などについて確認を進めていくという。これが材料視されたようだ。
■fonfun <2323> 818円 +26 円 (+3.3%) 11:30現在
fonfun<2323>は大幅高となっている。同社は19日取引終了後、企業向けクラウド電話システム「CallConnect」を運営するselfree(東京都新宿区)の全株式を取得し、子会社化すると発表。これによるシナジーなどが期待されているようだ。今回の買収により、同社が支援する顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進で、メールやSMSに加えてクラウド電話領域の事業を獲得することで、ソリューションをワンストップで提供することが可能になるという。なお、取得価額(アドバイザリー費用などを含む)は4億7900万円で、すべてを借り入れで賄うとしている。
■ソリトンシステムズ <3040> 1,226円 +38 円 (+3.2%) 11:30現在
ソリトンシステムズ<3040>が全般地合い悪に抗して3連騰と気を吐いている。株価は5月中旬にマドを開けて大幅安を強いられたが、その後は底練りを経て、今週に入って上昇トレンド転換を印象づけている。生成AI市場の急成長を背景にフェイク動画やデータ改ざんといったサイバー犯罪への警戒感も高まっている。ネットセキュリティーへのニーズが高まりをみせるなか、セキュリティー対策ソフトの開発販売などで実績の高い同社の活躍余地が高まっている。また、生成AIの本格普及局面において膨大な電力を消費することへの対応が課題の一つに挙げられている。そのなか、クラウドサービスではなく、ユーザーが保持する端末側でデータを処理する「エッジAI」は電力消費低減の観点やレスポンスなど使い勝手の良さからマーケットの関心が高い。同社は超低消費電力のアナログエッジAIチップの開発に取り組んでおり、AIのクラウド活用から端末搭載への動きが徐々に加速するなか、ビジネスチャンスと捉えることへの期待が大きい。
●ストップ高銘柄
AHCグループ <7083> 2,527円 +500 円 (+24.7%) ストップ高 11:30現在
トレードワークス <3997> 963円 +150 円 (+18.5%) ストップ高買い気配 11:30現在
ストレージ王 <2997> 757円 +100 円 (+15.2%) ストップ高買い気配 11:30現在
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
サンバイオ <4592> 848円 -150 円 (-15.0%) ストップ安売り気配 11:30現在
以上、1銘柄
株探ニュース