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【特集】ソフト99 Research Memo(9):中期経営計画は好発進で、高付加価値型の新製品・サービスの創出に注力(1)

ソフト99 <日足> 「株探」多機能チャートより

■今後の見通し

2. 中期経営計画の進捗状況
(1) 中期計画の概要と取り組み状況
ソフト99コーポレーション<4464>は2024年3月期から第7次中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)をスタートしている。経営理念を「生活文化創造企業」として、未来の“あたりまえ”を発見することを目指し、「Evolve!!~進化せよ!!~」を中期経営計画のテーマとして掲げた。また経営ビジョンとして、デジタルを活用し、心揺さぶられるアナログ的(エモい)価値を創り出す『ヒト(人財)』を育て、その価値を通して社会課題の解決に貢献することを目指している。重点施策として「価値提供方法の多様化」「海外展開強化」「医療分野強化」の3点に取り組み、積極的な設備投資と合わせて「デジタルの活用」による高付加価値製品・サービスの提供により、利益成長と資本効率の向上を目指す。

中期経営計画に基づく取り組みの具体例として、ファインケミカル事業では一般小売店では販売しにくいコアユーザー層をターゲットとした新製品を開発し、クラウドファンディングにてトライアル販売後に自社オンラインショップで販売する取り組みを前期より開始している。第1弾として車高の高いミニバンやSUVでも1人で手軽に水拭きができる洗車用タオルとして、全長4m、高吸水性の「超デカマックスハイパーロングクロス」をクラウドファンディングで販売(2023年12月)、好評だったことから自社オンラインショップで販売を開始した。また、第2弾としてホイールの奥まで手軽に洗浄できる「奥洗王 ホイールブラシ」を2024年3月にクラウドファンディングで販売したところ好評だったため、同年5月より自社オンラインショップで販売を開始した。今後もこうした取り組みを推進することで、開発部門の活性化を図り、ヒット商品の創出につなげていく考えだ。

また、海外向けではエリアごとのニーズに沿ったローカライズ戦略を現地代理店と協業しながら推進し、販売拡大を図る。新規市場としてアフリカ、米国地域への進出を検討していたが、アフリカについては複数の国でサンプル出荷を開始している。本格的な販売開始までにはまだしばらく時間がかかりそうだが、東南アジアや南米などでも市場が立ち上がったように、いずれは売上貢献するものと期待される。一方、米国向けに関しては現地企業が強く、参入が容易ではないため、EUで成功している代理店企業も活用しながら展開していく意向だ。

サステナビリティの取り組みについては、2015年にリリースした企業の車両管理をサポートするクラウドサービス「どらあぷ for Biz」にCO2排出管理機能を2023年4月に追加した。「どらあぷ」を通じて登録される給油情報から社用車全体のCO2排出量を確認できる機能である。また、排出量の目標を設定できるほか、部署別、期間別、車両別にCO2排出量を確認することもできる。同機能の実装は運転者のエコドライブ意識を高め、CO2排出量削減につながるものと期待される。同社では同サービスを自動車運転教習所とも連携して外販を進める考えだ。

このほか、ブリスターフィルムを削減したパッケージや梱包資材を使わないことを念頭に入れたパッケージの開発によりプラスチックごみの削減に取り組んでいるほか、化学物質の適切な使用による環境負荷の低減を図っている。また、同社グループが推進する「モノを長く大切にする取り組み」について、様々な形で情報発信を行っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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