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【市況】株価指数先物【寄り前】 FOMC結果、CPI発表を控え膠着感が強まる


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38930 -250 (-0.63%)
TOPIX先物 2761.5 -18.5 (-0.66%)
シカゴ日経平均先物 38905 -275
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 11日の米国市場は、NYダウが下落した一方で、 S&P500ナスダックは上昇。翌日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表、5月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、持ち高調整の売りが入ったようだ。また、5月の納入機数が前年同月と比べ5割減になったと伝わったボーイング<BA>が売られ、NYダウの重荷となった。一方で、米10年物国債入札が堅調な結果だったことで米長期金利が低下し、ハイテク株の一角が買われた。

 前日の年次開発者会議で生成AIサービス「アップルインテリジェンス」を発表したアップル<AAPL>が、7%を超す上昇となったことも、ハイテク株の買いに向かわせており、S&P500指数、ナスダック指数は連日で史上最高値を更新した。S&P500業種別指数はテクノロジー・ハード・機器、ソフトウエア・サービス、メディアが上昇した半面、銀行、自動車・同部品、耐久消費財・アパレルが下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比275円安の3万8905円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比10円安の3万9170円で始まり、直後に付けた3万9230円を高値にロングを解消する流れとなり、米国市場の取引開始直後には3万8860円まで売られた。売り一巡後に3万9040円まで買い戻される場面も見られたが、終盤にかけてショート優勢となり、一時3万8810円まで下げ幅を広げた。取引終了間際にショートカバーとみられる動きもあったが3万9000円は回復できず、3万8930円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、売り先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションの開始直後に上昇する場面もみられたが、その後はロングポジションを圧縮する動きになった。一時3万8810円まで売られており、75日移動平均線(3万8950円)を下回り、13週線(3万8820円)水準まで下落した。ただし、13週線水準で下げ渋る形となり、終値では75日線水準まで戻してきたため、ここからのショートは仕掛けづらいだろう。

 FOMCの結果公表と5月のCPIの発表を控えて、膠着感の強い相場展開が見込まれる。そのため、朝方こそ売りが先行するものの、その後はショートカバーにより底堅さが意識されそうである。米国債の入札が好調だったことを受け、CPIは米連邦準備理事会(FRB)による年内の利下げにつながる内容との見方が広がっている。

 また、FOMCでは政策金利は据え置かれるとの見方が大勢であり、市場は政策運営の目安となるドットチャートに注目している。年3回の利下げという見通しは後退する可能性が大きく、2回、もしくは1回と予想する向きもあるなか、ある程度はマイナスインパクトを織り込んでいるとも考えられる。1回との見方となれば波乱の展開となる可能性があるものの、売り一巡後のショートカバー狙いのスタンスを想定しておきたい。

 そのため、オプション権利行使価格の3万9000円を中心とした上下の権利行使価格3万8750円から3万9250円のレンジを想定する。13週線を下回って推移するようだと、25日線水準が意識されやすく、3万8625円から3万9125円のレンジになろう。

 11日のVIX指数は12.85(前日は12.74)に上昇した。12.77辺りに位置する25日線を上回り、一時13.47まで切り上がる場面もみられた。FOMC結果とCPIの発表を控え、市場心理をやや神経質にさせそうである。75日線が14.14、200日線は14.52辺りに位置しており、明日の重要イベントで同水準を明確に上回ってこなければ、アク抜けからリスク選好の動きに向かわせそうだ。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.09倍に上昇した。14.04倍に位置する25日線が抵抗線として意識されていたが、後場に入りTOPIX型の弱い値動きが目立つ形だった。本日は膠着のなかでトレンドは出にくいと考えられるが、重要イベントを前にリバランスを強めてくるようだと、NTショートを巻き戻す動きが強まる可能性もあるだろう。

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