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【市況】株価指数先物【寄り前】 ハイテク主導で日経平均型優位の展開


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38960 +440 (+1.14%)
TOPIX先物 2769.0 +20.0 (+0.72%)
シカゴ日経平均先物 38965 +445
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 5日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。5月の米ADP雇用統計で民間雇用者が15万2000人増加し、4月の18万8000人増から減少した。前日の米雇用動態調査(JOLTS)に続き労働市場の過熱感が薄れているとして、米連邦準備理事会(FRB)が利下げをしやすくなると受け止められた。また、5月のISM非製造業総合景況指数は53.8と前月(49.4)から改善し、活動の拡大と縮小の境目となる50を上回った。こちらはインフレ圧力を高める内容というよりも、スタグフレーション(景気が停滞しているにもかかわらず、インフレが続くこと)の懸念が和らぐと受け止められた。

 エヌビディア<NVDA>が5%を超す上昇となり、時価総額でアップル<AAPL>を上回るなか、ASMLホールディング<ASML>など他の半導体株やAI(人工知能)関連に買いが広がった。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、ソフトウエア・サービス、メディアが上昇した一方で、公益事業、家庭用品・パーソナル用品、食品・飲料・タバコが下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比445円高の3万8965円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比30円安の3万8490円で始まり、その後は3万8450円~3万8550円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始直後から上へのバイアスが強まり、終盤にかけて一時3万8980円まで上げ幅を広げ、3万8960円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から買い先行で始まることになりそうだ。ナイトセッションで一時3万8450円まで売られる場面も見られたが、その後はリバウンド基調を強め25日移動平均線(3万8580円)を突破し、終盤に75日線(3万8910円)を上回る形となった。オプション権利行使価格の3万8500円から一気に3万9000円水準の権利行使価格に切り上がったこともあり、ショートカバーを誘う動きになりそうだ。

 水準としては直近の保ち合いレンジの範囲内ではあるが、米国ではエヌビディアなど半導体株が牽引するなかでS&P500指数、ナスダック指数が最高値を更新したことで、投資家のセンチメントを明るくさせるだろう。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の上昇が見込まれ、日経平均型優位の展開が意識されそうである。

 ギャップスタート後は節目の3万9000円接近で強弱感が対立しやすいと考えられ、75日線水準での底堅さを見極めることになりそうだ。また、4月半ばの急落以降、上値を抑えられていた13週線(3万8800円)が支持線として意識されてくる可能性があるため、同水準に接近する局面では押し目狙いのロング対応に向かわせよう。

 75日線、13週線辺りでの底堅さがみられる局面では、節目の3万9000円のほか、ボリンジャーバンドの+2σが位置する3万9260円辺りが目先的なターゲットになりそうだ。そのため、オプション権利行使価格の3万8875円から3万9250円のレンジを想定する。

 VIX指数は12.63(4日は13.16)に低下した。支持線として意識されつつあった25日線(12.95)を下回ってきており、ショートカバーを誘い込みやすいだろう。週末には米雇用統計の発表を控えているものの、来週の日米金融イベントを前にポジションをニュートラルに調整するうえでも、ショートカバーが入りやすいだろう。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.01倍に上昇した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の一角は弱い値動きだったが、後場に入りソフトバンクグループ <9984> [東証P]が買われ、日経平均型を支えた。本日もハイテク株主導で日経平均型優位の展開が見込まれるなか、25日線が位置する14.04倍辺りを捉えてくるみられ、同水準を上回ってくるようだとNTショートを巻き戻す動きが強まりそうである。

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