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【材料】アプライドが決算受け時間外で小幅安 印象的ではなかったとの指摘=米国株個別

(NY時間16:55)(日本時間05:55)時間外
アプライド<AMAT> 212.24(-1.79 -0.84%)

 半導体製造装置のアプライド・マテリアルズ<AMAT>が時間外で小幅安。引け後に2-4月期決算(第2四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。第3四半期のガイダンスも公表し、1株利益、売上高とも予想を若干上回る見通しを示している。

 ただ、株価は時間外で軟調な反応を見せている。同社株は今年に入って32%上昇しているが、好調な株価の割には今回の決算は印象的ではなかったとの指摘が出ている。

 同社はAIプロセッサーの製造に使用される半導体製造装置の需要が伸びていると述べているが、同社がICAPSと呼ぶ、インターネットに接続された家電製品、通信、自動車産業、電力、センサーなどに使われる半導体を製造する一部の顧客は、すでに受注した機械を設置する間、注文を一時停止している。

 ディッカーソンCEOは「近いうちにある程度の消化があるだろう。今年はわれわれにとって大きな成長にはならないだろう」と述べていた。同CEOはAI関連チップの見通しに極めて強気で、こうしたプロセッサーがシリコン消費量でスマートフォンやPCを追い抜く日も近いと予測しているという。

 第2四半期の売上高の43%を中国が占めた。米国とEUはすでに最先端機器の中国への輸出に制限を設けており、同社も供給を制限されているが、自動車や産業機械に一般的に使用される、よりシンプルな半導体を製造する装置の注文が殺到している。

 地政学的な緊張が最終的にこの成長源が断ち切られるかもしれないと懸念する投資家たちの間で、中国からの注文の急増は懸念を掻き立てている。ディッカーソンCEOは「中国は底堅く推移すると見ているが、それでもここ数年のような成長は見込めないだろう」と述べていた。

(2-4月・第2四半期)
・1株利益(調整後):2.09ドル(予想:1.99ドル)
・売上高:66.5億ドル(予想:65.2億ドル)
  半導体システム:49.0億ドル(予想:48.0億ドル)
  グローバル・サービス:15.3億ドル(予想:15.0億ドル)
  ディスプレイおよび隣接市場:1.79億ドル(予想:1.51億ドル)
・粗利益率(調整後):47.5%(予想:47.3%)

(5-7月・第3四半期見通し)
・1株利益(調整後):1.83~2.19ドル(予想:1.98ドル)
・売上高:62.5~70.5億ドル(予想:65.9億ドル)

【企業概要】
 半導体製造工程における、エッチング・高速熱処理・成膜などの製造装置を製造・販売し、装置や工場の性能と生産性を最適化する統合ソリューションとして、アップグレードサービスや部品交換なども行う。また、テレビ・モニター・ノートパソコンなど消費者向け製品の液晶ディスプレイ技術も有する。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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