NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
1日の東京株式市場は主力株をはじめ幅広い銘柄に売りが優勢の地合いとなりそうだ。前日の欧州株市場で主要国の株価指数がほぼ全面安に売り込まれたほか、米国株市場ではNYダウが3日ぶりに大幅反落、インフレに対する根強い懸念を背景に景気敏感株や大手IT株など総じてリスク回避ムード一色となるなか、570ドルあまりの下げに見舞われた。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数はダウを上回る2%強の下げとなり、両指数ともほぼ安値引けとなっている。この日に発表された1~3月期の米雇用コスト指数が事前コンセンサスを上回り、インフレ長期化が懸念された。FRBによる利下げ期待が一段と後退し、米長期金利が上昇したことで株式の相対的な割高感が意識された。一方で、同日発表の4月の米消費者信頼感指数は予想を下回る内容で消費意欲の停滞を暗示、スタグフレーション的な環境が投資マインドを冷やしている。これを受けて東京市場でもリスクオフの流れが波及し、日経平均は3万8000円大台攻防の展開となることも予想される。米FOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見を日本時間あす未明に控え、この内容を見極めたいとの思惑が買い手控えムードを助長しそうだ。ただ、個別株の物色意欲は失われておらず、決算発表を背景に好業績株はピンポイントで物色される地合いが想定され、全体指数を下支えする可能性もある。
30日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比570ドル17セント安の3万7815ドル92セントと3日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同325.262ポイント安の1万5657.822だった。
日程面では、FOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見にマーケットの関心が高い。このほか、4月のADP全米雇用リポート、4月の米ISM製造業景況感指数、3月の雇用動態調査(JOLTS求人件数)など。
出所:
MINKABU PRESS