【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):日産自、ケミプロ、テックファム
日産自 <日足> 「株探」多機能チャートより
日産自動車<7201>が続落。前週末19日の取引終了後、集計中の24年3月期連結業績について、売上高が従来予想の13兆円から12兆6000億円(前の期比18.9%増)へ、営業利益が6200億円から5300億円(同40.5%増)へ、純利益が3900億円から3700億円(同66.7%増)へ下振れて着地したようだと発表したことが嫌気された。販売台数の見通しを従来予想の355万台から344万台へ引き下げたことに加えて、インフレの影響などによるサプライヤーのコスト負担を軽減する取り組みなどが要因としている。
■ケミプロ化成 <4960> 479円 +80 円 (+20.1%) ストップ高 本日終値
ケミプロ化成<4960>がストップ高。前週末19日の取引終了後、24年3月期の単体業績に関し、経常利益が計画を3000万円上回る1億3000万円(前の期比7.4%増)で着地したようだと発表した。経常利益は減益計画から一転して増益で着地する格好となり、好感されたようだ。売上高は92億円(同5.7%減)と計画を1億円上振れして着地する。主力製品のプラスチック添加剤が想定よりも増加した。受託製造製品での追加受注の獲得が工場の稼働率改善につながり、生産休止費用が減少。更に、減損処理済みの資産の処分と圧縮を進めたことなども影響する。
■テックファム <3625> 609円 +100 円 (+19.7%) ストップ高 本日終値
テックファームホールディングス<3625>が急反発。午前10時ごろ、AIを活用した最新の3D技術「3D Gaussian Splatting(ガウシアン・スプラッティング)」を採用した3Dモデル生成ソリューションを開発し、サービスの提供を開始したと発表しており、好材料視された。同技術は、あらゆるアングルから対象物を撮影し、写真を元にコンピューターで解析、複数の視点の画像から3Dポリゴンを生成する従来の3D技術である「フォトグラメトリ」に対し、複数のアングルで撮影された画像データから3D空間を学習、リアルタイムにレンダリングし3Dシーンを生成する技術。「フォトグラメトリ」と比較し、従来の技術では再現が難しかった人の髪の毛や表情、衣服の素材感など細部まで生成可能で、撮影時間を3600分の1に、データ容量も約7割削減することに成功。またブラウザ表示用の3Dビューワーも独自に開発し、既にECサイトに実装した顧客からは、ユーザーの商品体験向上が評価されているとしている。なお同社では、アパレル業界、エンターテインメント業界、各種メーカー、ペット業界など幅広いジャンルでの利用を見込むとしている。
■アビックス <7836> 105円 +14 円 (+15.4%) 本日終値
アビックス<7836>が高い。100円台に乗せて上伸し、年初来高値を更新した。前週末19日の取引終了後、24年3月期の連結業績に関し、売上高が計画を2億2700万円上回る37億2700万円(前の期比12.1%増)、経常利益が計画を7200万円上回る1億700万円(同11倍)で着地したようだと発表。これが株価の刺激材料となったようだ。デジタルサイネージ関連事業における情報機器部門の売上高が予想を上回る見込みとなった。
■アンビDX <3300> 975円 +83 円 (+9.3%) 本日終値
アンビション DX ホールディングス<3300>が反発。午前11時ごろ、入居者DXアプリ「AMBITION Me」の登録者数が1万人を突破したと発表しており、好材料視された。同アプリは、これまで不動産賃貸のシーンにおいて電話やメールで連絡を行い、紙の情報から各種手続きを行っていたさまざまな手続きをDX化し、物件の内覧から入居、更新、退去に至るまでをスマートフォンで完結できるシステム。入居者は自宅やオフィスから手続きを完了でき、移動や待ち時間を要することなく必要な書類のアップロードや合意の確認などがリアルタイムに行うことができ、手続きなどがスムーズに進むことで、負担を軽減するとしている。
■クリアル <2998> 4,200円 +310 円 (+8.0%) 本日終値
クリアル<2998>が大幅反発。前週末19日の取引終了後、初の海外ファンド案件としてオーストラリア・シドニー近郊の物流施設開発プロジェクトにプライベートクレジットによる投資を実行したと発表しており、好材料視された。プロジェクトはシドニー近郊のレジデンスと商業施設が混在するエリアに所在する、77のセルフストレージと8つの倉庫からなる総額3950万豪ドルの物流施設開発プロジェクトで、投資金額は非開示。同社では今回の投資をきっかけに、オーストラリア市場の案件創出を加速するとともに、グローバル展開の拡大を図るとしている。同時に、東京都港区の販売用不動産を売却すると発表しており、これも好材料視されている。売却価格は24年3月期連結純資産推計値の30%相当額以上となるとしており、引き渡しは5月31日の予定。なお業績への影響額は、25年3月期業績予想に織り込む予定としている。
■ゲンダイエージェンシー <2411> 387円 +27 円 (+7.5%) 本日終値
ゲンダイエージェンシー<2411>が急動意、360円台のもみ合いを上放れる動きをみせている。同社はパチンコホール向けを中心とした広告の企画制作を手掛けており、全国主要都市に営業拠点を設け、チラシからネット広告、テレビなど幅広い形態の広告で業界の宣伝ニーズを捉えている。前週末19日に24年3月期の決算を発表、昨年10月に施行された新たな規制の影響などもあって、営業利益は前の期比38%減の2億4900万円と落ち込んだが、続く25年3月期は回復色が鮮明となる見通し。営業利益は前期比21%増の3億円を見込んでおり、年間配当も3期連続の増配で20円(前期実績は18円)を計画している。これをポジティブ視する買いを呼び込んだ。
■ボルテージ <3639> 272円 +18 円 (+7.1%) 本日終値
ボルテージ<3639>が後場動意。一時18%超上昇し、年初来高値を更新した。同社はきょう、オトナ女子向けオリジナルコミックレーベル「ボル恋comic」作品の英語翻訳版を、エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ(大阪市中央区)が運営する「MangaPlaza(マンガプラザ)」で配信を開始したことを明らかにしており、これが材料視されたようだ。
■コムシード <3739> 438円 +25 円 (+6.1%) 一時ストップ高 本日終値
コムシード<3739>が一時ストップ高。この日朝方、子会社2社の合弁プロジェクトにおけるユーティリティートークン「Multi Universe Central(MUC)」が暗号資産取引所Gate.ioに19日に上場したと発表。これを買い材料視する見方が強まったようだ。
■DDグループ <3073> 1,204円 +67 円 (+5.9%) 本日終値
DDグループ<3073>が切り返し急。前週18日に1112円の年初来安値をつけたが、そこを起点にリバウンド気配を強めている。「わらやき屋」などの居酒屋やダイニングをはじめ複数の業態の飲食店を運営しており、脱コロナを背景とした人流回復やインバウンド消費などを取り込み24年2月期は営業利益が前の期比約7倍の32億4300万円と急拡大を果たした。25年2月期も前期比8%増の35億円と増益が続く見通しにある。そうしたなか、前週末19日取引終了後に同社は中期経営計画の修正を発表、26年2月期の営業利益目標を従来の28億円から40億円に大幅増額しており、これを材料視する買いが足もとで優勢となった。
●ストップ高銘柄
ヤマザキ <6147> 440円 +80 円 (+22.2%) ストップ高 本日終値
など、3銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース