【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):三菱UFJ、あさひ、高島屋
三菱UFJ <日足> 「株探」多機能チャートより
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクが高く、第一生命ホールディングス<8750>、T&Dホールディングス<8795>など生保株も総じて強い動きをみせている。円安進行で国内でもインフレ圧力が強まるなか、日銀による利上げが早晩行われる可能性が意識されている。米長期金利も上昇基調にあるなかで、国内外で運用環境改善に対する期待が銀行や生保株の押し目買いを誘っている。なお、利上げについては緩やかなペースが見込まれ、国際通貨基金(IMF)が今週16日に発表した最新の世界経済見通しでは、日本は中期的にインフレ率が目標に近づくとの確信が強まるなか、日銀は今後約3年で政策金利を0.5%程度に引き上げるとの予想を示している。
■あさひ <3333> 1,424円 +18 円 (+1.3%) 本日終値
あさひ<3333>が高い。岩井コスモ証券は17日、同社株の投資判断を新規「A」でカバレッジを開始した。目標株価は1700円とした。コロナ禍では自転車の需要が急拡大する特需があったが、その特需の剥落や価格上昇で自転車の流通量は2年連続の大幅減少となった。この厳しい環境の中でも同社は増収を維持し、シェアは拡大していることを評価。販売台数が減少していくことには変化がないが、シェア拡大やあさひブランドの強化、修理需要の取り込み、EC販売を通じて成長を継続させることは可能とみている。
■タクマ <6013> 1,914円 +21 円 (+1.1%) 本日終値
タクマ<6013>が3日ぶりに反発した。17日の取引終了後、24年3月期の連結業績に関し、売上高が計画を30億円上回る1490億円(前の期比4.5%増)、最終利益が計画を7億円上回る84億円(同12.7%減)に、それぞれ上振れして着地したようだと発表し、好感されたようだ。投資有価証券の売却による特別利益の計上などがあり、最終利益が上振れする。
■高島屋 <8233> 2,243.5円 +15 円 (+0.7%) 本日終値
高島屋<8233>や三越伊勢丹ホールディングス<3099>などをはじめ百貨店株は頑強な値動き。前日発表された3月の訪日外国人客数は308万1600人と単月で初の300万人超えとなり、過去最高を更新した。また、1~3月の旅行消費額も過去最高を記録している。そうしたなか、百貨店にはインバウンド消費の追い風が意識されている。ただ、収益の成長率という点で今期は鈍化が予想されることもあって、積極的に上値を買い進む動きにはつながっていないようだ。
■富士フイルム <4901> 3,343円 -108 円 (-3.1%) 本日終値 東証プライム 下落率5位
富士フイルムホールディングス<4901>は反落。17日取引終了後に24年3月期連結業績予想の修正を発表。売上高を2兆9500億円から2兆9600億円(前の期比3.5%増)へ上方修正した一方、営業利益を2900億円から2770億円(同1.4%増)へ下方修正しており、これが嫌気された。ヘルスケア部門のメディカルシステム事業やイメージング部門の販売好調が売上高を押し上げるものの、新型コロナウイルスワクチンの原薬製造に関して受領したキャンセルフィーが当初想定より減額となったため営業利益は下振れする見通し。なお、投資有価証券評価益の増加により、純利益予想は2250億円から2400億円(同9.4%増)へ引き上げた。あわせて2030年度(31年3月期)を最終年度とする中期経営計画を公表した。ヘルスケア分野や半導体材料への積極投資により、27年3月期に売上高3兆4500億円、純利益2700億円を目指し、更にその先の方向性として最終年度に売上高4兆円とする目標を掲げた。
■INPEX <1605> 2,373円 -55 円 (-2.3%) 本日終値
INPEX<1605>や石油資源開発<1662>といった石油関連株は軟調。INPEXは4日続落、石油資源は3日続落と値を下げている。17日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の5月限が前日比2.67ドル安の1バレル=82.69ドルと下落した。一時82.55ドルと3月下旬以来の水準に売られた。米エネルギー情報局(EIA)が発表した米原油在庫が市場予想を超えて増加したことから、需給悪化を警戒する売りで原油価格は下落した。
■東海理化 <6995> 2,379円 -42 円 (-1.7%) 本日終値
東海理化電機製作所<6995>は4日続落。同社は17日取引終了後、自社が製造した「プリウス」向け後席ドアハンドルの開スイッチに不具合が発生する恐れがあるとして、トヨタ自動車<7203>が国土交通省などの関係当局に対してリコールを届け出たと発表しており、これが嫌気されたようだ。なお、同社は今回の問題に関する費用見積額を110億円としており、リコールの影響は修正後発事象として24年3月期の営業費用として業績に反映するとしている。
■yutori <5892> 1,971円 +264 円 (+15.5%) 本日終値
yutori<5892>が急反発した。17日、同社が展開するシティ系ブランド「Broken Base」が、東京で今年度初となる新作POPUPイベントと展示会を開催すると発表した。ZOZO<3092>の衣料通販サイト「ZOZOTOWN」で即完売となったアイテムの新作もラインアップに加えるという。新作POPUPイベントと展示会は20~21日に開催。23日よりオンラインで販売する。月次売上高が高い伸びを続けているyutoriに対しては、収益拡大の期待を一段と高める方向に作用したようだ。
株探ニュース