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【市況】米国株式市場見通し:金利上昇を横目に見た展開のなか、TSMCの決算に注目

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 

来週の米国株は、金融株を中心に決算発表の本格化を迎えていることから個別株物色が強まる一方、上昇する米長期金利を横目に見た神経質な展開となろう。NYダウは3月21日の史上最高値39889.05ドルをピークに調整色を強め、週末に節目の38000ドル台を割り込んだこともあり、短期的なトレンドは悪化している。政府高官から「利下げへの慎重な姿勢」が相次いだことから、利下げを前提とした楽観ムードはほぼはく落。上昇傾向を強めている10年債利回りの上げ一服を確認するまで、米国株の押し目買いは入れにくい状況にある。


一方、ナスダックはアップル上昇やエヌビディアの持ち直しなどを下支えに史上最高値圏でもみ合っており、NYダウよりはしっかりだ。ただ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は下落し、50日移動平均線の攻防を迎えるなど厳しい状況にある。そのようななか、来週は4月17日にオランダ半導体製造装置大手であるASMLホールディング、18日に台湾半導体受託生産最大手であるTSMCの決算発表が予定されている。10日に発表されたTSMCの1-3月期売上高(速報値)は、前年同期比16%増の約2兆8100億円と予想を上回る伸びとなり、株価は史上最高値を更新した。TSMCの決算に対する期待感は高いものの、既に株価が上昇していることもあり、「材料出尽くし感」が先行し、半導体関連にネガティブな材料となる可能性はある。


経済指標では、15日に4月NY連銀製造業景気指数、3月小売売上高、16日に3月住宅着工件数、鉱工業生産指数、17日に週次原油在庫、ベージュブック(米地区連銀経済報告)、18日に4月フィラデルフィア連銀景況指数、週次新規失業保険申請件数、3月中古住宅販売件数などが予定されている。このほか、16日には国際通貨基金(IMF)世界経済見通し、18日にはG20財務大臣・中央銀行総裁会議なども開催される。


主要企業決算では、15日にゴールドマン・サックス・グループ、16日にバンク・オブ・アメリカ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、モルガン・スタンレー、17日にトラベラーズ、USバンコープ、18日にネットフリックス、19日にアメリカン・エキスプレス、プロクター・アンド・ギャンブルなどが予定されている。

《FA》

 提供:フィスコ

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