【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):ヨコオ、楽天グループ、ユーグレナ
ヨコオ <日足> 「株探」多機能チャートより
ヨコオ<6800>が続伸。この日午前中、モビリティー向けITサービスを企画・開発・販売するZenmov(東京都目黒区、以下「ゼンモブ」)に出資を行い、MaaS事業を加速させると発表しており、好材料視された。ゼンモブは19年に設立し、スマートモビリティーを支えるプラットフォーム「SMOC(Smart Mobility Operation Cloud)」を展開しているスタートアップ企業。ヨコオは22年にゼンモブと共同で、スマートフォンアプリを用いて自動車の鍵の開閉を行うシステムと予約や運用管理を行う車両管理システムを開発し、中小のレンタカー事業者やカーシェアリング事業者向けに提供しているが、今後は、ゼンモブがグローバルで行っているスマートモビリティー実現のための取り組みに、ヨコオが長年培ってきたアンテナ技術を組み合わせ、利便性の高いモビリティーシェアリングの構築やモビリティーの課題解決、それらを通じた脱炭素社会の実現に貢献するとしている。
■楽天グループ <4755> 905.2円 +18.9 円 (+2.1%) 本日終値
楽天グループ<4755>が5日続伸し、年初来高値を更新した。楽天モバイルは8日、携帯キャリアサービスの契約数が650万回線を突破したと発表しており、これが新たな買い手掛かりとなったようだ。650万回線は「Rakuten最強プラン」「楽天モバイル法人プラン」「Rakuten Turbo」をあわせた契約数で、MNO単体での回線数。BCP及びMVNOを含むと700万回線を超えているという。
■eBASE <3835> 722円 +14 円 (+2.0%) 本日終値
eBASE<3835>が続伸。8日の取引終了後、集計中の24年3月期の連結業績について、売上高が従来予想の49億円から51億4000万円(前の期比9.0%増)へ、営業利益が14億8000万円から16億3000万円(同19.4%増)へ、純利益が10億1000万円から11億2500万円(同26.4%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、好材料視された。eBASE事業で、各業界向けビジネスのソフトウェア販売が計画よりも順調に推移しており、主に日雑業界の複数の大型案件の前倒し検収による売り上げの計上や新たな受注が順調に進んだことが寄与した。また、IT開発アウトソーシングビジネス分野のeBASE-PLUS事業でも、売上高・利益がともに計画を上回った。
■ユーグレナ <2931> 555円 +9 円 (+1.7%) 本日終値
ユーグレナ<2931>が続伸。8日の取引終了後、マレーシアにおけるバイオ燃料商業プラントの建設・運営プロジェクトへの参画に向けて海外特別目的会社(SPC)を設立すると発表しており、好材料視された。同社は22年12月、グローバル大手エネルギー企業であるマレーシアのペトロナス社と同じくグローバル大手エネルギー企業であるイタリアのエニ<E>と共同で、マレーシアにおいて商業規模のバイオ燃料製造プラントを建設及び運転するプロジェクトを検討していると発表。プラントの建設・運営に関しては、合弁企業を通じて進める予定で、プロジェクト実施に係る最終的な意思決定を24年半ばに行うとしている。今回新設するSPCは、同プロジェクトに拠出する資金の分別管理や資金拠出がドル建てとなる見込みであることに伴う為替変動の影響、プロジェクトから期待されるキャッシュフローを活用した負債性資金調達の可能性などを総合的に勘案し、プロジェクトに係る資金の管理・拠出・調達のための特別目的会社として設立するとしている。なお、24年12月期業績への影響は軽微としている。
■トレファク <3093> 1,474円 +22 円 (+1.5%) 本日終値
トレジャー・ファクトリー<3093>が続伸。8日の取引終了後に発表した3月度の月次単体売上高で、既存店売上高が前年同月比8.9%増となり、31カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。月を通して平年より気温が低く推移したものの、春物衣料・高単価衣料が堅調だったことに加えて、新生活需要を取り込み生活家電の販売も好調だった。また、生活雑貨やホビー用品の販売も引き続き伸長した。なお、全店売上高は同20.9%増だった。
■ネクソン <3659> 2,454円 +24.5 円 (+1.0%) 本日終値
ネクソン<3659>が続伸。この日、パソコン及びモバイル向け新作MMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)「HIT:The World」の事前登録者数が20万人を突破したと発表しており、好材料視された。「HIT:The World」は、全世界累計2500万ダウンロード(DL)を突破した「HIT」をベースとし制作された新作MMORPG。「HIT」ならではの世界観を継承しつつ、グレードアップした高品質なグラフィックで大規模なバトルや重厚な成長ストーリーが楽しめるという。同時に、サービス開始を4月17日、事前ダウンロード開始を4月15日にすると発表した。
■フジ <8278> 1,943円 +9 円 (+0.5%) 本日終値
フジ<8278>が4日続伸。8日の取引終了後に発表した25年2月期連結業績予想で、売上高8100億円(前期比1.1%増)、営業利益155億円(同2.6%増)、純利益80億円(同7.6%増)と増収増益を見込むことが好感された。引き続き広島、愛媛、香川、岡山、兵庫の重点エリアを中心とした既存店の活性化と新規出店を推進する。一方で早期に統合シナジーの最大化を実現すべく、サプライチェーンインフラの統合と整備、仕入れと調達の統合、PBの拡大と共同開発などのMD統合、ID-POSの活用、マーケティングと販促の高度化など、「事業インフラの統合とシナジー創出」を推進するとしている。なお、24年2月期決算は、売上高8010億2200万円(前の期比2.0%増)、営業利益151億1000万円(同33.5%増)、純利益74億3600万円(同17.7%減)だった。
■ローム <6963> 2,268円 -163.5 円 (-6.7%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
ローム<6963>が反落。8日取引終了後、2029年満期と2031年満期のユーロ円建て取得条項付き転換社債型新株予約権付社債(CB)を発行すると発表。将来的な株主価値の希薄化を懸念した売りが優勢となった。調達資金は2000億円(手取り概算額)。東芝の非公開化に関する借入金の返済の一部に充てる。
■ウエルシア <3141> 2,383.5円 -98.5 円 (-4.0%) 本日終値 東証プライム 下落率6位
ウエルシアホールディングス<3141>が軟調推移。8日の取引終了後、24年2月期の連結決算発表にあわせ、25年2月期の業績予想を開示した。今期の売上高は前期比5.7%増の1兆2870億円、最終利益は同2.1%増の270億円を見込む。増益計画を示したものの、サプライズ感は乏しいと受け止められ、ツルハホールディングス<3391>との経営統合協議に関する新たな情報を期待していた投資家にとっては、買い持ち高を圧縮する目的の売りを促す要因となったようだ。ウエルシアは今期の既存店売上高の伸長率を3.9%に設定。出店は102店舗、閉店は43店舗(海外1店舗含む)を計画する。年間配当予想は前期比2円増配の36円とした。24年2月期の売上高は前の期比6.4%増の1兆2173億3900万円、最終利益は同2.1%減の264億5100万円だった。
■コーナン商事 <7516> 4,330円 -65 円 (-1.5%) 本日終値
コーナン商事<7516>が反落。8日の取引終了後、集計中の24年2月期連結業績について、売上高が従来予想の4704億5000万円から4726億5000万円(前の期比7.7%増)へ、営業利益が229億円から240億円(同9.0%増)へ、純利益が135億5000万円から140億円(同5.8%増)へ上振れて着地したようだと発表。これを受けて朝方は高く始まったものの、前日まで3日続伸していたこともあって買い一巡後は利益確定売りに押された。ホームセンター業態やPRO業態の既存店売上高が計画を上回り順調に伸びたことに加えて、節電への取り組みを推進したことによる水道光熱費の減少など販管費が計画を下回ったことが寄与する。
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