【市況】【投資部門別売買動向】海外勢と信託銀、投信が売り越す一方、個人は買い向かう (3月第2週)
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
●海外勢と信託銀、投信が売り越す一方、個人は買い向かう
東証が22日に発表した3月第2週(11日~15日)の投資部門別売買動向(現物)によると、米ハイテク株安と日銀政策の正常化観測を背景とした円高が嫌気され、日経平均株価が前週末比981円安の3万8707円と大幅続落したこの週は、海外投資家が3週ぶりに売り越した。売越額は875億円だった。前週は1763億円の買い越しだった。海外投資家は先物の投資部門別売買動向でも日経225先物、TOPIX先物、ミニ日経225先物、ミニTOPIX先物、日経225マイクロの合計で2週ぶりに売り越した。売越額は5815億円だった。現物と先物の合算でも3週ぶりに売り越し、売越額は6690億円だった。前週は1941億円の買い越し。年金基金の売買動向を映すとされる信託銀行は10週連続で売り越した。売越額は6851億円と前週の6865億円とほぼ同額の高水準が続いた。株高で他資産に振り向けるリバランス(配分調整)目的の売りが継続しているもようだ。投資信託も10週連続で売り越し、売越額は1762億円だった。
一方、個人投資家は2週連続で買い越し、買越額は4942億円と前週の3274億円から拡大し、昨年9月4週以来およそ5ヵ月半ぶりの大きさだった。相場の大幅続落を受けて逆張り志向の強い個人は果敢に買い向かった格好だ。自社株買いが中心とみられる事業法人は3週ぶりに買い越し、買越額は1542億円だった。
日経平均が大幅続落する中、海外投資家と信託銀行、投資信託が売り越す一方、個人投資家は果敢に買い向かった。
■投資部門別売買代金差額 (3月11日~15日)
東証・名証2市場の内国普通株式市場の合計[総合証券ベース(全51社)]
※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し
海外投資家 信託銀行 個人合計 [ 現金 信用 ] 日経平均 ( 前週比 )
3月 ―――
第2週 ▲875 ▲6,851 4,942 [ 2,364 2,577 ] 38,707円 ( -981 円)
第1週 1,763 ▲6,865 3,274 [ ▲513 3,787 ] 39,688円 ( -221 円)
2月 ―――
第4週 3,834 ▲2,589 ▲905 [ ▲2,337 1,431 ] 39,910円 ( +812 円)
第3週 ▲786 ▲2,235 ▲918 [ ▲1,906 987 ] 39,098円 ( +611 円)
第2週 3,013 ▲4,554 ▲3,164 [ ▲3,439 274 ] 38,487円 ( +1589 円)
第1週 3,663 ▲5,490 2,277 [ 103 2,173 ] 36,897円 ( +739 円)
1月 ―――
第5週 1,783 ▲1,421 569 [ ▲1,261 1,831 ] 36,158円 ( +406 円)
第4週 4,105 ▲3,692 2,946 [ ▲137 3,083 ] 35,751円 ( -212 円)
第3週 3,841 ▲1,915 ▲1,854 [ ▲2,918 1,064 ] 35,963円 ( +386 円)
第2週 9,557 ▲105 ▲10,695 [ ▲8,163 ▲2,531 ] 35,577円 ( +2199 円)
第1週 1,405 49 ▲336 [ ▲1,150 813 ] 33,377円 ( -86 円)
12月 ―――
第4週 ▲2,020 ▲891 ▲2,834 [ ▲3,280 445 ] 33,464円 ( +295 円)
第3週 565 ▲2,035 ▲2,103 [ ▲3,013 910 ] 33,169円 ( +198 円)
第2週 2,378 257 ▲3,298 [ ▲2,123 ▲1,174 ] 32,970円 ( +662 円)
第1週 ▲5,868 1,270 4,194 [ 1,557 2,637 ] 32,307円 ( -1123 円)
11月 ―――
第5週 ▲3,687 ▲111 456 [ ▲612 1,068 ] 33,431円 ( -194 円)
第4週 ▲10 2,370 ▲894 [ ▲1,566 671 ] 33,625円 ( +40 円)
第3週 3,629 ▲238 ▲5,722 [ ▲5,068 ▲654 ] 33,585円 ( +1017 円)
第2週 783 ▲547 ▲2,545 [ ▲2,973 427 ] 32,568円 ( +618 円)
第1週 576 2,135 ▲3,868 [ ▲3,289 ▲578 ] 31,949円 ( +958 円)
※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。
※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。
株探ニュース