【市況】日銀のマイナス金利解除は織り込まれる/オープニングコメント
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
18日の日本株市場は、買い一巡後はこう着感の強い相場展開になりそうだ。15日の米国市場は、NYダウが190ドル安、ナスダックは155ポイント安だった。米長期金利の上昇が重荷となった。最近の指標でインフレ改善の停滞が示されたため、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ先送り観測が強まり、翌週開催される連邦公開市場委員会(FOMC)を控え警戒感から売り優勢の展開。また、先物や個別・指数オプションが期限を迎えるトリプルウィッチングにあたり、テクニカルな売りも見られた。シカゴ日経225先物(6月限)清算値は大阪比235円高の38625円、円相場は1ドル149円00銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い先行で始まりそうだ。ただし、日米の金融政策決定会合を控えるなか、次第にこう着感が強まりそうである。もっとも、先週末には2024年春季労使交渉(春闘)の第1回回答集計の結果が公表され、賃上げ率は平均で5.28%となり、33年ぶりの5%超えとなった。これを受けた円相場の反応は、1ドル=149円台と円安に振れて推移しており、日銀がマイナス金利解除に踏み切ったとしても、市場は織り込んだことになろう。
日経225先物はナイトセッションで一時38420円まで上げ幅を縮めたものの、終盤にかけては強含みの展開となり、日中比270円高の38660円だった。米国市場ではエヌビディアなど半導体株が売られたことで、東エレク<8035>など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷となりそうだが、円相場が円安に振れるなか、輸出関連には買いが向かいやすいだろう。また、3月期末を意識した配当志向の物色も強まりやすく、全体としてはバリュー株物色に向かわせそうだ。
先週の日経平均株価は11日にマドを空けて急落した以降は、上向きで推移する25日線を挟んでの底堅さがみられている。日銀の金融政策決定会合の結果待ちではあるものの、先週の調整に対するリバランスの動きが期待されそうだ。下値の堅さがみられるなか、押し目待ち狙いの買い意欲も強まることが期待される。また、ハイテク株は手掛けづらいものの、今週はエヌビディアのカンファレンスが予定されているため、リバウンド狙いのスタンスに向かわせそうである。
《AK》
提供:フィスコ