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【市況】株価指数先物【寄り前】 積極的にポジションを傾けてくる動きは手控えられる


大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 38310 -40 (-0.10%)
TOPIX先物 2625.0 +4.5 (+0.17%)
シカゴ日経平均先物 38375 +25
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 13日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500ナスダックは下落。前日発表された2月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る伸びとなり、米長期金利の上昇につながった。年内の利下げ観測は根強いものの、この日も米長期金利の上昇が重荷となった。14日に2月の卸売物価指数(PPI)や小売売上高の発表を控えて様子見ムードとなるなか、米経済のソフトランディング期待から景気敏感株などが買われた半面、ハイテク株を中心に利益を確定する売りが優勢となった。

 エヌビディア<NVDA>が1%超下げたほか、エヌビディアより割高と指摘されたアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>は4%近く下落し、マイクロン・テクノロジー<MU>なども弱い値動きとなったことで、SOX指数の下落率は2%を超えた。S&P500業種別指数はエネルギー、素材、小売が上昇した半面、自動車・同部品、半導体・同製造装置、消費者サービスが下落。

 シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比25円高の3万8375円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは日中比90円高の3万8440円で始まり、直後に3万8290円まで売られた後は持ち直し、3万8590円まで買われた。買い一巡後は再び軟化し、米国市場の取引開始後は3万8250円から3万8450円辺りで保ち合い、3万8310円でナイトセッションの取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、膠着感の強い展開になりそうだ。米国では前日のCPIに続き明日のPPIも予想を上回る可能性があり、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に米長期金利は上昇しやすい状況であろう。また、日銀は上場投資信託(ETF)の新規買い入れの完全停止を検討すると、関係者の話しとして報じられた。金融政策正常化への思惑からリバランスに対する警戒感が強まり、積極的にポジションを傾けてくる動きは手控えられよう。

 日経225先物はナイトセッションで小動きではあったが、3万8480円辺りに位置する25日移動平均線に上値を抑えられる形状だった。足もとで25日線を挟んだ攻防が続くなか、オプション権利行使価格の3万8375円を中心とした3万8250円から3万8500円辺りの狭いレンジでの推移を想定しておきたい。

 また、米国では前日に強い上昇となった半導体株が売られたため、東京エレクトロン <8035> [東証P]など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷となる。来週に日米金融会合を控えてリバランスを中心とした商いになりやすく、スキャルピング主体の売買にとどまろう。ただし、ボリンジャーバンドが収斂してきたため、今後は-1σの3万7450円、+1σの3万9500円辺りにレンジが広がる展開は想定しておきたい。

 13日のVIX指数は13.75(前日は13.84)に低下した。小幅な値動きではあったが、前日に割り込んだ25日線に上値を抑えられた形状だった。PPIや小売売上高の結果を受けたリバウンドが限られるようだと、ショートカバーを強めてくることになり、リスク選好に傾きそうだ。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.63倍に低下した。ただし、14.58倍で推移する25日線を上回っており、同線が支持線として意識されていた。指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均型の重荷となるものの、同線での底堅さがみられる局面では、来週の金融イベント通過後のアク抜けによるNTロングを想定しておきたいところではある。

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