【市況】前場に注目すべき3つのポイント~重要イベントを前にリバランスの動き~
NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより
12日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■重要イベントを前にリバランスの動き
■トーホー、21/1営業利益 114.2%増 78.19億円、25/1予想 6.6%減 73億円
■前場の注目材料:JR東日本、鉄道版生成AIの開発着手、拡張技術で専門知識補足
■重要イベントを前にリバランスの動き
12日の日本株市場は、売り一巡後の下値の堅さを見極める相場展開になりそうだ。11日の米国市場は、NYダウが46ドル高、ナスダックは65ポイント安だった。重要インフレ指標の発表を控えた長期金利の上昇を嫌気し、売り先行の展開となった。その後、ソフトランディング期待を受けた買いにNYダウは持ち直し、終盤にかけプラス圏を回復。一方、ナスダックは金利高や半導体セクターの利益確定売りが継続した。シカゴ日経225先物(6月限)清算値は大阪比350円安の38180円、円相場は1ドル146円90銭台で推移している。
日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り優勢の相場展開になりそうだ。日経225先物(6月限)はナイトセッションで一時38090円まで売られる場面も見られた。昨日の日経平均株価は今年最大の下落幅となり、心理的な支持線として意識される25日線水準まで売られた。同線は38410円辺りに位置しており、本日も同線が支持線として機能するかが注目されそうだ。
25日線水準での底堅さがみられてくるようだと、前日の大幅な下落に対する自律反発狙いの買いが意識されやすいだろう。もっとも、米国では米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重要視する2月の消費者物価指数(CPI)の発表が控えているため、まずは結果を受けた米国市場の動向を見極めたいとの模様眺めムードが強まりそうだ。また、国内では日銀が3月にもマイナス金利を解除すると予想する市場参加者が増えているようである。そのため、為替市場の動向にも注意する必要がある。
また、米国ではエヌビディアなど半導体株が売られる一方で、出遅れている銘柄が買われている。重要イベントを前にリバランスの動きのほか、持ち高調整の動きが強まりやすく、これを狙った短期筋の仕掛け的な売買も入りやすいだろう。特に為替市場で円高・ドル安に振れてくるような場面では、先物主導でショートを仕掛けてくる動きには注意しておきたい。
ハイテク株の底堅さを見極めつつ、3月期末を意識した配当志向の流れから、バリュー株にシフトしやすいところである。また、相対的に出遅れが目立っていた中小型株には、下値リスクの低さを手掛かりに、短期的にリバウンドを狙った動きが意識されそうだ。そのほかは、超低位株による短期的な値幅取り狙いの動きにとどまろう。
■トーホー、21/1営業利益 114.2%増 78.19億円、25/1予想 6.6%減 73億円
トーホー<8142>が発表した2024年1月期業績は、売上高が前期比13.6%増の2449.30億円、営業利益は同114.2%増の78.19億円だった。業務用食品卸売では、外食や旅行機会の増加、宴会・会合などの再開に加え、インバウンド需要も増加したことで、ホテルや飲食店、観光地への人流が大きく回復したことで、既存得意先に対する売上の回復や新規得意先の獲得も進んだ。2025年1月期業績は、売上高が前期比0.4%増の2460億円、営業利益は同6.6%減の73億円を計画。
■前場の注目材料
・NYダウは上昇(38769.66、+46.97)
・3月期末接近に伴う高配当銘柄人気
・米国のインフレ沈静化観測
・JR東日本<9020>鉄道版生成AIの開発着手、拡張技術で専門知識補足
・ライフドリンクカンパニー<2585>静岡・御殿場に新工場、清涼飲料を増産
・旭化成<3407>繊維・フィルム製造向けシステム開発、微小な金属異物を検出
・三菱電機<6503>JAXAと、「だいち4号」実機公開、画像データ高画質で迅速
・パナソニックHD<6752>新卒採用の情報提供に生成AI、来春入社対象
・アイスタイル<3660>花王などと、コンソーシアム設立、皮脂RNA技術を社会実装
・東海理化<6995>補給品ライン面積10分の1、協働ロボ活用
・トヨタ自<7203>豊田中研、リチウム電池向け新正極材開発、希少金属を代替
・住友電気工業<5802>CO2再生品開発、民生品・産業素材など46点
・スズキ<7269>スカイドライブと、「空飛ぶクルマ」製造開始
・FUJI<6134>アマノと、移乗介助向け防水仕様ロボ発売
・ブルーイノベ<5597>球体ドローンで橋の損傷撮影、能登・輪島被災地
・川崎重<7012>兵庫にゴミ処理場、323億円で設計・建設・運営受注
・日立造船<7004>N2O除去装置開発、NEDOから13億円助成、アンモニア船向け
・富士通<6702>単眼カメラ画像の物体、動的に3D化、米大と開発
・村田製作所<6981>村田製のMLCC、IEEEマイルストーンに認定
・日立<6501>パーセフォニ・ジャパンなどと投融資先のGHG排出量算定支援
・NECネッツエスアイ<1973>複数サービスロボ連携、本社で実証
・ニコン<7731>シネマカメラに参入、米社を子会社化
・オルガノ<6368>社長・山田正幸氏、半導体投資で急成長
・東レ<3402>空気電池用ポリマー膜開発、イオン伝導度10倍
・飛島建設<1805>3Dの音場情報を可視化、MR・ARデバイス活用
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 1-3月期法人企業景気予測調査・大企業全産業景況判断指数(10-12月期:4.8)
・08:50 2月国内企業物価指数(前年比予想:+0.5%、1月:+0.2%)
<海外>
・特になし
《ST》
提供:フィスコ