【市況】株価指数先物【寄り前】 エヌビディアの決算待ちのなかで+2σ水準での攻防
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 38310 -300 (-0.77%)
TOPIX先物 2619.5 +12.0 (-0.45%)
シカゴ日経平均先物 38300 -310
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
16日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。1月の米卸売物価指数(PPI)が前月比0.3%上昇、食品とエネルギーを除くコアPPIは同0.5%上昇となり、ともに市場予想を上回った。2月の米ミシガン大学消費者信頼感指数は79.6と3カ月連続で改善した。早期利下げ観測が後退し、利益を確定させる流れが優勢となった。一方で、米経済のソフトランディング観測から押し目を拾う動きもあり、上昇に転じる場面も見られた。S&P500業種別指数は、食品・生活必需品小売、素材、医薬品・バイオテクノロジーが上昇した半面、耐久消費財・アパレル、メディア、運輸が下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比310円安の3万8300円だった。日経225先物(3月限)は日中比変わらずの3万8610円で始まり、3万8580円~3万8690円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを下放れ、一時3万8290円まで売られた。売り一巡後は買い戻され、3万8390円~3万8550円辺りのレンジで推移し、終盤にかけて弱含み3万8310円とナイトセッションの安値圏で取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになろう。週末に日経平均株価は1989年の大納会でつけた史上最高値3万8915円にあと50円ほどに迫る上昇を見せたこともあり、持ち高調整が入りやすいところである。ただし、ピーク感は乏しく、良好な需給状況のなか、押し目待ち狙いの買い意欲の強さが意識されよう。
また、米国はPPIの結果を受けて売られる格好となったが、1月の米消費者物価指数(CPI)に続いての市場反応であり、利食いが入りやすいところである。史上最高値圏で推移していることもあり、指標の結果を受けた長期金利の動向などに振られやすい面はありそうだ。もっとも、米国でもピーク感からポジションをショートに転換する流れではないだろう。
日経225先物は、ナイトセッションでボリンジャーバンドの+2σ水準での攻防となった。+2σは3万8340円辺りで推移しており、売り一巡後に同水準で底堅さがみられるようだと、ロングが強まる可能性がありそうだ。バンドは拡大傾向を見せているため、+2σと3万9240円まで上昇している+3σとのレンジ推移は引き続き意識しておきたい。そのため、オプション権利行使価格の3万8250円から3万8500円辺りのレンジを想定しつつ、+2σを上回って推移するようだと、権利行使価格の3万8375円から3万8875円のレンジでの推移になりそうだ。
今週は米国で21日、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表される。議事要旨を受けて調整をみせる局面は、押し目狙いのタイミングになりそうだ。さらに、エヌビディア<NVDA>、アナログ・デバイセズ<ADI>の決算発表が予定されている。エヌビディアの決算はこれまで市場全体に与える影響が大きかったこともあり、決算への反応を見極めるまではロング、ショートいずれも積極的にポジションを傾けてくる動きは限られそうである。
週末のVIX指数は14.24(前日は14.01)に上昇した。先週は13日に一時17.94まで急伸し、200日移動平均線を突破する局面もあった。しかし、翌日の低下で200日線を割り込むと、その後は25日線とのレンジ内での推移だった。エヌビディアの決算次第ではショートが強まる可能性を警戒しつつも、直近高値の17.94を上回ってこないと、ショート優位の需給状況にはなりづらい。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.67倍に低下した。一時14.79倍まで上昇し+3σを上回ったこともあり、その後は、NTロングを巻き戻す動きとなったようだ。ただし、NTショートに切り替えた動きではなく、リバランスが中心と考えられる。+2σが位置する14.61倍辺りまで低下してくるようだと、NTロングを改めて組成する動きが意識されそうだ。
株探ニュース