【市況】株価指数先物【寄り前】 一気に+2σまでの上昇でショートカバーが強まる
大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 37470 +580 (+1.57%)
TOPIX先物 2582.0 +24.0 (+0.93%)
シカゴ日経平均先物 37470 +580
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
12日の米国市場は、NYダウが上昇した一方で、 S&P500、ナスダックは下落。NYダウは史上最高値を更新し、ナスダックは一時16080まで上昇した後、利益確定の売りにより5営業日ぶりに反落した。今週は1月の消費者物価指数(CPI)など重要なインフレ指標の発表を控えているため様子見姿勢も強かったが、米経済のソフトランディング期待を背景に買い意欲は強い。S&P500業種別指数は、耐久消費財・アパレル、公益事業、銀行が上昇した半面、自動車・同部品、ソフトウエア・サービス、テクノロジー・ハード・機器が下落。
シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比580円高の3万7470円だった。日経225先物(3月限)のナイトセッションは日中比70円高の3万6960円で始まり、直後に付けた3万6920円を安値にリバウンドを見せ、3万7000円から3万7250円辺りのレンジ推移を継続。12日の米国市場の取引開始後にレンジを上放れると、3万7590円まで買われる場面も見られた。買い一巡後は3万7380円まで上げ幅を縮めたものの、引けにかけて3万7400円辺りでの底堅さが見られるなか、3万7470円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好で、ギャップアップで始まることになりそうだ。9日の日経225先物は3万7280円まで買われた後は持ち高調整の流れとなり、3万6890円まで上げ幅を縮めていた。しかし、祝日取引で高値を突破し、ボリンジャーバンドの+2σ(3万7450円)を上回ってきた。過熱感は警戒されるものの、一気に+2σまで上昇したことにより、ショートカバーが強まろう。+3σは3万8190円辺りに位置しており、同水準が次第に意識されてくるなか、押し目待ち狙いのロングでもエントリータイミングを引き上げざるを得ないところである。
米国市場ではナスダックが下落に転じており、いったんは達成感も意識されやすいところであろう。ただし、アームホールディングス<ARM>が大きく買われており、指数インパクトの大きいソフトバンクグループ <9984> [東証P]への支援材料になる。また、東京エレクトロン <8035> [東証P]が先週末に決算を発表し、通期計画を上方修正したことも好感されよう。ナスダック下落の影響により利益確定に向かわせる可能性を意識しつつも、ショートは避けておきたいところだろう。
日経225先物は+2σ水準での攻防から、オプション権利行使価格の3万7500円を中心に、権利行使価格の3万7000円から3万8000円のレンジを想定する。+2σ水準での上値の重さが意識されてくるようだと、3万7250円~3万7500円辺りの狭いレンジ推移とみておきたい。
VIX指数は13.93(前日は12.93)に上昇した。25日移動平均線を上回って始まり、その後の上昇で75日線を突破して終えている。米CPIの発表を13日に控えていることもあり、目先的には200日線が位置する15.00辺りへのリバウンドが警戒されやすく、ややロングを手控えされる格好になりそうだ。
なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.42倍に上昇した。一時14.49倍まで切り上がり、1月23日の高値14.43倍を突破し、昨年7月以来の水準を回復した。ナスダック下落の影響から、NTロングを解消する動きが入りやすいだろう。ただし、方向性としては昨年6月高値の14.69倍をターゲットとしたトレンド形成が続きそうだ。押し目ではNTロングでのスプレッド狙いとなろう。
株探ニュース