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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):協和キリン、日電波、SBG

協和キリン <日足> 「株探」多機能チャートより
■協和キリン <4151>  2,707.5円  +439.5 円 (+19.4%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ
 協和キリン<4151>が切り返し急。7日の取引終了後、取得総数1700万株(自己株式を除く発行済み株式総数の3.2%)、取得総額400億円を上限とする自社株買いの実施を発表した。あわせて24年12月期の年間配当予想を58円(前期比2円増配)とすると開示した。今期は減益予想ながら、自社株買いによる需給面でのインパクトと、増配計画を評価した買いが集まったようだ。自社株の取得期間は2月13日から10月31日までを予定。取得した全株式を11月14日に消却する。24年12月期の売上収益は前期比7.0%増の4730億円、最終利益は同22.4%減の630億円を計画。骨の希少疾患に向けた治療薬「クリースビータ」を中心とするグローバル戦略品の伸長や技術収入の増加を予想する一方、アトピー性皮膚炎を対象とする治療薬「KHK4083」の開発プロジェクトの進展や、英バイオ企業の子会社化による費用の増加などを見込む。

■伊勢化学工業 <4107>  9,800円  +1,500 円 (+18.1%) ストップ高   本日終値
 伊勢化学工業<4107>がストップ高。7日の取引終了後に24年12月期連結業績予想を発表。売上高を前期比24.9%増の330億円、営業利益を同28.4%増の68億円とし、ともに過去最高を更新する見通しを示した。増配も計画しており、これらを好感した買いが膨らんだ。ヨウ素の国際市況が比較的堅調に推移すると想定、塩化ニッケルの販売数量が回復することも見込む。配当予想は前期比50円増の320円とした。同時に発表した23年12月期決算は売上高が前の期比3.3%増の264億1300万円、営業利益が同41.0%増の52億9600万円だった。

■日本電波工業 <6779>  1,385円  +189 円 (+15.8%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位
 日本電波工業<6779>が大幅続伸。同社は7日取引終了後、24年3月期第3四半期累計(23年4~12月)の連結営業利益が前年同期比51.1%減の32億6500万円になったと発表。ただ、10~12月期に限れば移動体通信向け高収益品の売り上げが増えたことなどから前四半期(7~9月期)に比べ14.0%増の14億円となったことが好感されたようだ。第3四半期累計の連結売上高は同6.3%減の375億100万円で着地。スマートフォン、基地局、パソコン向けなどの需要が低下したことに加え、車載向けの売り上げが全米自動車労働組合(UAW)のストライキを受けて減少したことが影響した。なお、通期業績予想については売上高494億円(前期比5.9%減)、営業利益38億円(同54.4%減)とする従来見通しを据え置いている。

■カンロ <2216>  2,212円  +279 円 (+14.4%)  本日終値
 カンロ<2216>が後場急動意。午後1時30分ごろに発表した24年12月期連結業績予想で、売上高303億円(前期比4.4%増)、営業利益34億5000万円(同1.8%増)、純利益25億円(同1.5%増)と増収増益を見込み、年間配当予想を前期比14円増の72円としたことが好感された。飴(ハードキャンディ)やグミで既存主力ブランドのシェア拡大を図るとともに、Z世代向けや生活者ニーズに対応した商品開発で売上高の伸長を狙う。また、2月出荷分から一部商品の価格改定や内容量の変更を実施することも寄与する見通しだ。なお、23年12月期決算は、売上高290億1500万円(前の期比15.5%増)、営業利益33億8800万円(同75.3%増)、純利益24億6200万円(同82.9%増)だった。

■ソフトバンクグループ <9984>  7,350円  +732 円 (+11.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位
 ソフトバンクグループ<9984>が7000円の大台に乗せて急伸。同社傘下の英半導体設計大手アーム・ホールディングス<ARM>が米国時間7日の取引終了後に10~12月期決算を発表した。売上高は前年同期比14%増の8億2400万ドル、純利益は同52%減の8700万ドルとなった。増収減益となったが、売上高と1株利益は市場予想を上回った。24年1~3月期の売上高と1株利益の見通しもそれぞれ市場のコンセンサスを上回る水準となり、アーム株は時間外取引で急騰した。ソフトバンクGに対しては、収益・財務面でのポジティブな影響を期待した買いが集まったようだ。ソフトバンクGは日本時間8日引け後に決算を発表する。

■ヨコオ <6800>  1,565円  +137 円 (+9.6%)  本日終値  東証プライム 上昇率6位
 ヨコオ<6800>は後場上げ幅を拡大。正午ごろ、24年3月期の連結業績予想について、売上高を750億円から760億円(前期比2.5%減)へ、営業利益を2億円から10億円(同78.9%減)へ、純利益を7億5000万円から14億円(同55.5%減)へ上方修正したことが好感された。車載アンテナをはじめとするVCCS事業や、半導体検査用ソケット及びプローブカードなどCTC事業、電子機器用微細コネクタなどFC・MD事業で増益が見込まれることが要因としている。また、為替差益を計上する見通しであることも織り込んだ。同時に発表した第3四半期累計(23年4~12月)決算は、売上高571億400万円(前年同期比5.3%減)、営業利益7億4700万円(同85.3%減)、純利益9億6300万円(同78.2%減)だった。

■インテリW <4847>  1,231円  +107 円 (+9.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率7位
 インテリジェント ウェイブ<4847>がマドを開けての大陽線を示現、一時13%高の1270円まで値を飛ばし、2006年8月以来17年半ぶりの高値圏に浮上した。同社はクレジットカード決済システムなどの開発・保守で業界トップの実績を持つ。7日取引終了後に発表した24年6月期第2四半期(23年7~12月)決算は、営業利益が前年同期比6%増の8億5200万円と増益を確保した。特に10~12月期でみると同利益が前年同期比84%増の5億8900万円と目を見張る伸びを示しており、これが材料視される形で投資資金の攻勢が一気に加速した。

■新東工業 <6339>  1,213円  +99 円 (+8.9%)  本日終値  東証プライム 上昇率8位
 新東工業<6339>は続急伸で一気に1200円台乗せ、昨年9月20日につけた高値1171円を上抜き約4カ月半ぶりに昨年来高値に買われた。自動車業界向けなどを中心に表面処理装置で高い実績を持つ。ここ自動車生産の回復が顕著で同社の商機が高まっており、同社が7日取引終了後に発表した23年4~12月期決算は営業利益が前年同期比3.1倍の33億3900万円と急拡大した。これをポジティブ視する買いが集中する形となった。時価は2018年3月以来約6年ぶりの高値圏に浮上しているが、投資指標面ではPBRが0.5倍台と極めて出遅れ感が強く、水準訂正余地の大きさが意識されている。

■アドバンテスト <6857>  6,577円  +462 円 (+7.6%)  本日終値  東証プライム 上昇率9位
 アドバンテスト<6857>が大幅高で切り返し。462円高の6577円まで駆け上がり、今週5日につけた上場来高値6256円を大幅に更新した。前日の米国株市場では半導体関連株が総じて買われ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が反発し再び最高値を視野に入れる位置にいるが、そのなか画像処理半導体(GPU)大手のエヌビディア<NVDA>が2.7%高に買われ上場来高値を更新した。GPUの独占的な供給元で生成AI関連のシンボルストックであるエヌビディアの上昇トレンドが止まらない。このエヌビディアが製造するGPU向けのテスター(検査装置)で圧倒的な納入実績を誇るのがアドテストであり、東京市場で同社株はエヌビディア関連の最右翼として脚光を浴びている。

■ルネサス <6723>  2,542円  +168 円 (+7.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率10位
 ルネサスエレクトロニクス<6723>が急反発、7%を超える上昇で2500円台まで駆け上がった。上値抵抗ラインとして意識された25日移動平均線も上抜いてきた。同社が午前9時に開示した23年12月期決算は最終利益が前の期比31%増の3370億8600万円と大幅な伸びを果たした。トップラインは自動車向けマイコンが好調だった一方、スマートフォンやパソコン市場の軟化が足を引っ張り小幅減収となったが、円安効果なども追い風に最終利益は3割強の伸びを確保している。また同日、発行済み株式数の約4.5%に相当する8783万株強の自己株式消却(消却予定日は29日)も発表しており、これもポジティブ視されている。

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