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【市況】伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 2月4日版

日経平均は週明け後に上昇するなら、3万6984円を超える動きになる公算
1.本年2月は方向感のない動きになる公算
 図1は、 日経平均株価の2月の月足が陽線、陰線のどちらで引けていることが多いか、また、それぞれの年の値動きを示しています。
 1990年から2023年の期間では、2月の月足が陽線で引ける確率が52.9%となっていて、方向感があまりない月となっています。
 2月は、値動きでもはっきりとした動きが表れにくい時期となっています。月足が陽線引けした年、陰線引けした年の実体(始値から終値までの値幅)を見ると、1000円幅以上をつけている年がほとんどありません。
 図の右側の上昇幅(高値-始値)、下降幅(始値-安値)を合わせた数値(高値-安値)が2月の全体の変動幅になりますが、この数値を見ると2月の全体の変動幅は1000円幅以下になっている年が多いわけではありません。
 2月は、特別な要因があって上下どちらかへ積極的に動く季節性のある時期ではなく、値動きもジグザグに推移して、一定の流れができにくい月になっています。
 ところで、2月の実体が1000円幅以上になった年は、1990年、1995年、2016年、2018年、2020年の5回あります。
 1990年は、バブル崩壊後の最初の下げ場面です。
 1995年はメキシコ通貨危機により、2016年は人民元安により、2018年は米財務長官のドル安容認発言・日銀の金融緩和縮小観測の高まりから、それぞれ年初に急激な円高を経過して、日経平均株価が大きく下げる動きとなっています。
 2020年は、新型コロナウイルス感染拡大を警戒した株価下落が2月からスタートしています。
 2月に実体の幅が大きくなる年は、主に円高を伴って株価が大幅安となっています。
 2月2日のドル・円相場が雇用統計をきっかけにして、戻り高値148.8円へ接近する円安場面となったことで、本年は1995年、2016年、2018年のような展開にならないと推測できます。
 本年2月は、過去の2月の典型的な値動きになると考えられます。
図1 日経平均株価の2月の値動き
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