【市況】後場に注目すべき3つのポイント~先物買い観測などを背景に一時36400円台まで上昇
日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより
2日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は大幅反発、先物買い観測などを背景に一時36400円台まで上昇
・ドル・円は底堅い、米金利は下げ渋り
・値上り寄与トップは東エレク<8035>、同2位はファーストリテ<9983>
■日経平均は大幅反発、先物買い観測などを背景に一時36400円台まで上昇
日経平均は大幅反発。前日比359.22円高(+1.00%)の36370.68円(出来高概算9億2000万株)で前場の取引を終えている。
2月1日の米国株式市場は反発。ダウ平均は369.54ドル高(+0.97%)の38519.84ドル、ナスダックは197.63ポイント高(+1.30%)の15361.64、S&P500は60.54ポイント高(+1.25%)の4906.19で取引を終了した。前日の大幅下落の反動で、寄り付き後は上昇。主要ハイテク企業の決算を控えた買いや、長期金利の低下を好感した買いを受けて相場は終日堅調に推移した。イスラエル、ハマス停戦の可能性との報道も一段の買い材料となり、終盤にかけては上げ幅を拡大し終了。
米国株上昇を材料に東京市場は買い優勢で取引を開始した。為替が1ドル146円台前半と前日大引け時点よりも50銭ほど円高に推移していたものの、225先物に外国人投資家の買いが入っているとの声も聞かれたことから、日経平均は一時36400円台まで上げ幅を拡大した。引き続き決算発表銘柄を中心とした物色は活発で、前場の売買代金は2.4兆円と大商いとなった。
日経平均採用銘柄では、中国でのオンラインゲームライセンスが承認されたことからネクソン<3659>がストップ高となったほか、23年4-12月期最終赤字が23年4-9月期比で縮小したコニカミノルタ<4902>も大幅高となった。また、一部証券会社のレーティング引き上げ観測を材料に三井金<5706>も上昇したほか、デンソー<6902>は11時20分の決算発表後、買い優勢となった。日経平均採用以外では、自己株取得枠設定を発表した日テレHD<9404>が急騰している。
一方、決算を材料に前日ストップ安となったあおぞら<8304>は、来期配当も減少するとの見方が強まり大幅続落。取引時間中の11時に決算を発表した丸紅<8002>もさえない。また、24年3月期連結通期営業利益見通しを下方修正した京セラ<6971>も売られた。日経平均採用以外では、決算が嫌気されてJVCケンウッド<6632>が大幅安となった。
セクターでは、情報・通信業、その他製品、化学、電気・ガス業、電気機器などが上昇した一方、保険業、海運業、医薬品、鉱業、証券・商品先物などが下落した。
後場の東京市場は、今晩の米国市場で1月米雇用統計の発表を控えていることから様子見ムードは強まりやすく、日経平均の上値は重くなりそうだ。物色は引き続き決算銘柄に向かうと想定する。後場動きそうな決算銘柄は、12時台の双日<2768>、太陽HD<4626>、13時台の山陽特鋼<5481>、アオイ電子<6832>、アイシン<7259>、三井物産<8031>、ヤマタネ<9305>、14時台の神栄<3004>、トヨタ紡織<3116>、愛知製鋼<5482>、豊田合成<7282>、トマト銀行<8542>、相鉄HD<9003>あたりか。
■ドル・円は底堅い、米金利は下げ渋り
2日午前の東京市場でドル・円は底堅く推移し、146円51銭から146円24銭まで下落後は下値の堅い値動きとなった。前日海外市場で低下した米10年債利回りは下げ渋り、ドル売りは後退。また、日経平均株価の強含みで、円売りがドルをサポートした。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は146円24銭から146円51銭、ユーロ・円は159円05銭から158円30銭、ユーロ・ドルは1.0868ドルから1.0879ドル。
■後場のチェック銘柄
・フォーサイド<2330>、エスポア<3260>など、10銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます
・値上り寄与トップは東エレク<8035>、同2位はファーストリテ<9983>
■経済指標・要人発言
【経済指標】
・日・1月マネタリーベース:前年比+4.8%(12月:+7.8%)
【要人発言】
・ベイリー英中銀総裁
「今後数カ月CPIが鈍化すると予想」
「景気抑制的な金利がインフレ鈍化に効果」
「紅海の緊張はインフレの上方リスク」
「どの程度の期間、5.25%の金利を維持するか憶測しない」
<国内>
特になし
<海外>
特になし
《CS》
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