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【材料】クアルコムが決算受け下落 アナリストからは高評価=米国株個別

(NY時間09:52)(日本時間23:52)
クアルコム<QCOM> 142.39(-6.12 -4.12%)

 携帯用半導体のクアルコム<QCOM>が下落。前日引け後に10-12月期決算(第1四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想を上回った。今回の決算はスマートフォン向けチップ市場の回復を示唆した。一方、IoT向けチップは引き続き低調だったものの、自動車向けは好調だった。

 ガイダンスも公表し、1株利益、売上高とも予想を若干上回る見通しを示している。投資家は消費者がスマートフォンをより速いペースでアップグレードしている兆候を探しており、その点では今回の決算は朗報かもしれない。

 株価は時間外で一旦上昇していたものの、買い一巡後は下げに転じている。前日はIT・ハイテク株が幅広く売られていた中で、同社株は決算への期待から上昇していた。その反動が出ている可能性もありそうだ。また、高水準の在庫に懸念を示していたことも圧迫している模様。

 ただ、アナリストからは高評価が出ている。「同社は収益性の面で堅実な上昇を遂げ、営業利益率を押し上げた。市場シェアに逆風が吹いているため、中期的な成長の可能性は限定的だが、エッジAIには興味深い機会がある」との評価も聞かれた。

 「今回の決算はスマートフォンの好転の始まりを示すもので、粗利益率が予想を上回ったことと、QTLの売上高が若干だが、予想を上回ったことから、アンドロイド市場も回復に向かう可能性が高い」とのコメントも出ている。

(10-12月・第1四半期)
・1株利益(調整後):2.75ドル(予想:2.36ドル)
・売上高:99.2億ドル(予想:95.4億ドル)
  QCT:84.2億ドル(予想:80.5億ドル)
  携帯:66.9億ドル(予想:63.1億ドル)
  QTL:14.6億ドル(予想:14.1億ドル)
  オートモーティブ:5.35億ドル(予想:4.84億ドル)
  IoT:11.4億ドル(予想:12.5億ドル)
  自動車:5.98億ドル(予想:5.18億ドル)
・粗利益率:57.1%(予想:55.9%)
・営業利益:36.2億ドル(予想:31.6億ドル)

(1-3月・第2四半期見通し)
・1株利益(調整後):2.20~2.40ドル(予想:2.26ドル)
・売上高:89~97億ドル(予想:93.6億ドル)
  QCT:76~82億ドル(予想:79.8億ドル)
  QTL:12~14億ドル(予想:13億ドル)

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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