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【市況】FRB、2名の元FOMC委員の法的不正行為はなかったと結論

 FRBの内部監視委員会は、FRBがパンデミック初期に市場を安定させるために様々な大規模オペレーションを展開した2020年の幹部の金融商品の取引行為に関する数年に渡る調査で、2名の元FOMC委員の法的不正行為はなかったと結論ずけた。

 カプラン前ダラス連銀総裁は100万ドル以上の取引を複数回行い、ローゼングレン前ボストン連銀総裁は住宅ローン担保証券に投資するファンドで多数の取引を行っていた。しかし、いずれの取引も米連邦法に違反したり、規則や規制を破ったりするものではなかったという。

 一方、監視委員会はカプラン氏の情報公開の欠如はFOMCの公共的使命を遂行する委員と上級職員の公平性と誠実さに対して、国民の信頼を得るものではなかったとも言及。カプラン氏とローゼングレン氏の取引行為はともに利益相反の様相 を呈していたと指摘している。

 両氏は2020年の自身の財務公開後、2021年に辞任。この取引とその結果生じた調査はFRBに対する監視と批判を強め、FRBの議会の監視を強化する超党派の法案を促した。FRBは2022年に取引規則を改正し、当局者の金融商品への投資と取引行為に徹底的な制限を課した。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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