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【特集】笹木和弘氏【上値追い続く東京市場、日経平均の上昇どこまで?】(2) <相場観特集>

笹木和弘氏(フィリップ証券 リサーチ部長)

―短期急騰で過熱感も意識されるなか、個別物色意欲は旺盛―

 15日の東京株式市場では、日経平均株価が上値指向を継続し一気に3万6000円台まで駆け上がる場面があった。前週末の米国株市場では目先高値警戒感が意識されNYダウが反落したものの、米長期金利が4%を下回る水準で推移していることなどを背景にハイテク株などが底堅さを発揮した。東京市場でも年明け以降の日経平均の短期急騰で過熱感が意識されやすいが、個別株の物色意欲は引き続き旺盛だ。ここからの相場見通しと物色の方向性について、先読みに定評のある市場関係者2人に意見を聞いた。

●「春先に向け日経平均株価は一段高も、AI半導体関連など注目」

笹木和弘氏(フィリップ証券 リサーチ部長)

 東京市場で日経平均株価は上昇基調を強めている。この背景には、1月から新NISA(少額投資非課税制度)が始まったことや、東証が「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を要請しリスト開示を始めたことなどがあるだろう。

 1月から始まった新NISAの「つみたて投資枠」は、その8割は外国投信に向けられているようだが、設定日は一定の日に固まっている様子であり、この設定日を意識したドル買い・円売りが円安を促し、この円安を通じて日経平均株価が押し上げられている面もありそうだ。「成長投資枠」に流入する資金は高配当利回り株などを押し上げているだろう。

 また、今月に米ラスベガスで開かれたテクノロジー見本市「CES」では 生成AIやAI半導体が、車や家電に活用されていく姿が示されたことも、銘柄の物色を絞りやすくした側面もあるだろう。更に1月下旬から決算発表が本格化するが、決算と同時に「PBR1倍割れ」や「親子上場の解消」など企業価値向上に向けた施策の発表が行われることも予想される。

 最近の日経平均株価はメジャーSQが転機となり、トレンドが変わる場合が少なくない。3月SQに向けた動きが気になるが、当面は堅調な値動きが続くことは期待できる。こうしたなか、今後1ヵ月程度の日経平均株価の上値は3万7000~3万8000円前後も予想される。下値は3万5000円前後とみている。

 個別銘柄では、生成AIやAI半導体の用途が車や家電に広がるなか、半導体の省エネ設計が一段と重視されそうだ。ここではアーム・ホールディングス<ARM>を傘下に持つソフトバンクグループ <9984> [東証P]が注目されそうだ。また、CESで電気自動車とゲームが融合する姿を示したソニーグループ <6758> [東証P]、それに東芝との連携でパワー半導体の産業機器向け需要開拓の期待が膨らむローム <6963> [東証P]などに注目したい。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(ささき・かずひろ)
証券会社にて、営業、トレーディング業務、海外市場に直結した先物取引や外国株取引のシステム開発・運営などに従事。その後は個人投資家の傍ら投資セミナー講師として活躍。2019年1月にフィリップ証券入社後は、米国・アセアン・香港・日本市場にまたがり、ストラテジーからマクロ経済、個別銘柄、コモディティまで多岐にわたる分野でのレポート執筆などに精力的に従事。

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