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【市況】株価指数先物【寄り前】 日米金利差を狙ったポジション解消が意識される


大阪3月限ナイトセッション
日経225先物 32860 +30 (+0.09%)
TOPIX先物 2349.0 -3.0 (-0.12%)
シカゴ日経平均先物 32840 +10
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 13日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。NYダウは5営業日続伸で3万7000ドル台に乗せ、1年11カ月ぶりに史上最高値を更新した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は予想通り、3会合連続で金利据え置きを決定した。FOMCの金利予測分布図(ドットチャート)の予測中央値で追加利上げの見通しが示されなかったことで、利上げ終了が明確となった。また、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は会合後の会見で、追加利上げの選択肢を維持しつつも、利下げ開始について議論したと述べた。来年の利下げ観測が高まったことを受けて長期金利が低下し、買いが膨らんだ。S&P500業種別指数は公益事業、不動産、銀行が上昇した一方で、電気通信サービス、保険の2セクターのみが下落。

 シカゴ日経平均先物(3月限)清算値は、大阪比10円高の3万2840円だった。日経225先物(3月限)は日中比30円高の3万2860円で始まり、その後は軟化し中盤にかけて3万2620円まで売られた。しかし、売り一巡後はリバウンドを見せて一時3万2900円まで買われ、3万2860円と小幅な上昇でナイトセッションの取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い優勢の展開が見込まれる。ただし、米国では来年の利下げ観測が一段と強まるなか米長期金利が急低下し、為替市場では円相場が1ドル=142円台と大きく円高に振れて推移している。来週に日銀の金融政策決定会合を控えて、改めて日米金利差を狙ったポジションを解消する流れが意識されやすいだろう。

 フィラデルフィア半導体指数(SOX)が1.5%ほど上昇、ナスダック指数も1.3%超の上昇で年初来高値を更新しており、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になるとみられるものの、全体としては膠着感が強まる可能性がありそうだ。

 米国株高を受けての底堅さは考えられるが、日経225先物は足もとのボリンジャーバンドの-1σと25日移動平均線によるレンジ内での推移を継続しそうであり、押し目狙いのロング対応となろう。25日線が位置する3万3030円辺りに接近する局面では、いったん戻り待ち狙いのショートも入りやすいとみられる。そのため、オプション権利行使価格の3万2625円~3万3125円処のレンジを想定する。25日線を明確に上放れてくる展開となれば、+1σが位置する3万3400円水準をターゲットとした権利行使価格の3万3000円~3万3375円のレンジが意識されよう。

 VIX指数は12.19(前日は12.07)に上昇した。前日に一時11.81まで低下したこともあり、リバランスの動きとみられる。FOMCが通過したことで改めてトレンドが出やすくなったとみられ、ショートを仕掛けづらくさせそうだ。

 なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で13.95倍に上昇した。一時14.01倍まで上昇し、同水準に位置する25日線を捉えてきた。日米金利差を狙ったポジションを解消する流れが意識されるなか、日経平均型の押し目狙いのロングに対するヘッジとしてTOPIX型のショートが想定され、NTロングでのスプレッドを取りに行く動きに向かわせそうである。

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