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【材料】ウォルマートCEO、「デフレ」という言葉を使用=米国株個別

(NY時間14:32)
ウォルマート<WMT> 156.09(-13.69 -8.06%)

 本日の米株式市場は軟調な動きが続いている。他の市場もリスク選好の雰囲気を一服させており、原油相場は一時72ドル台前半まで下落し、米国債利回りも低下。10年債は4.5%を割り込んでいる。

 要因の1つとして、本日決算を発表したウォルマート<WMT>のマクミロンCEOの決算説明会でのコメントも指摘されている。世界最大の小売企業のトップは決算説明会で「デフレ」という言葉を使った。「米国では今後数カ月、デフレが続くかもしれない」と語った。

 確かにウォルマートの米食料品と一般商品の価格は1年前よりも高く、2年前と比べても大幅に上昇している。しかし、同CEO氏は「その上昇幅は鈍化しており、逆転する可能性さえある。もしそうなれば、ウォルマートの買い物客は今後数カ月のうちにドライ食料品や消耗品のデフレ、つまり価格下落を目にするようになるかもしれない」という。また、「一般商品の価格はここ数週間か数カ月で下げが加速してきた」とも付け加えた。

 同CEOのコメントは、FRBの利上げ後にインフレがようやく減速していることを指し示しており、買い物客に打撃を与えた数十年来の高インフレからの大きな変化である。日常的に米国の買い物客を間近で見ている同CEOは、インフレが弱まる中で、ウォルマートが売上と市場シェア拡大を継続できることをウォール街に納得させなければならない。生活必需品の物価がデフレになる可能性があれば、買い物客の予算は自由になり、裁量的な商品にもっとお金をかけられるようになる。

 それでは、インフレが急上昇した時に集まってきた高所得層の買い物客をウォルマートは失うことになるのだろうか。アナリストは「そうはなっていない。米国人は依然として経済的に圧迫されており、自分たちのドルをもっと増やしたいと考えている。その点でウォルマートは多くの人が目をつけている場所だ」と述べた。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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