【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):セコム、ニコン、SBG
セコム <日足> 「株探」多機能チャートより
じげん<3679>が寄り付きカイ気配でスタートし、一時10%高に買われた。人材マッチングや不動産など複数の分野を一括検索できる集約サイトを手掛け、成果報酬型の課金システムを特徴とし、M&A戦略でも優位性を発揮。業績も脱コロナ以降の改善が急だ。経済正常化に伴う旅行需要の回復が航空券予約サイトなどに追い風となっているほか、フランチャイズ領域の広告出稿需要などが旺盛で好調を極めている。9日取引終了後に発表した24年3月期上期(23年4~9月)決算は営業利益が前年同期比32%増の25億1300万円と大幅な伸びを達成した。特に7~9月期でみると同利益の伸び率は40%に達しており、足もとの業績急拡大を評価し株価の上値余地に期待した投資資金を呼び込んでいる。
■古河機械金属 <5715> 2,018円 +80 円 (+4.1%) 本日終値
古河機械金属<5715>は続伸。9日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を1845億円から1900億円(前期比11.3%減)へ、営業利益を92億円から97億円(同7.4%増)へ、純利益を153億円から165億円(同2.7倍)へ上方修正したことが好感された。上期において、海外における販売の占める割合が多く円安効果があったロックドリル部門や、金属価格変動や円安による価格差益があった金属部門が増収増益となり、上期業績が計画を上回ったことが要因としている。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高947億9300万円(前年同期比9.4%減)、営業利益45億9900万円(同36.4%増)、純利益129億1100万円(同3.7倍)だった。
■雪国まいたけ <1375> 934円 +32 円 (+3.6%) 本日終値
雪国まいたけ<1375>が大幅続伸。9日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を423億8900万円から444億6700万円(前期比5.4%増)へ、営業利益を6億7300万円から16億2400万円(同25.8%減)へ、純利益を1億2100万円から7億8000万円(同33.9%減)へ上方修正したことが好感された。再生可能エネルギー発電促進賦課金が想定よりも低く設定されたことで、ユーティリティ関連費用が予算より低く推移する見通しとなったことが要因。また、自社の原価・費用削減活動が通年にわたって成果が出る見通しとなったことも寄与する。なお、今回の上方修正を受けて期末配当の増配を予定しているという。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高188億600万円(前年同期比7.4%増)、営業利益10億6900万円(同31.3%増)、純利益5億5900万円(同29.6%増)だった。
■セコム <9735> 10,585円 +290 円 (+2.8%) 本日終値
セコム<9735>が続伸。9日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を1兆1450億円から1兆1475億円(前期比4.2%増)へ、営業利益を1322億円から1368億円(同0.1%増)へ、純利益を861億円から941億円(同2.1%減)へ上方修正したことが好感された。上期において、事業所向け・家庭向けのセントラライズドシステム(オンライン・セキュリティーシステム)の販売が堅調に推移したことに加えて、安全商品の売り上げが増大したことや、営業外収益において米国などにおける投資事業組合運用益が好調だったことなどが要因としている。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高5447億5000万円(前年同期比5.8%増)、営業利益631億4400万円(同4.2%増)、純利益492億2200万円(同12.0%増)だった。
■アマダ <6113> 1,479円 +12 円 (+0.8%) 本日終値
アマダ<6113>がしっかり。9日の取引終了後、24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績と配当予想を上方修正した。今期の売上収益は3750億円から3950億円(前期比8.0%増)、最終利益は345億円から390億円(同14.2%増)に見直した。年間配当予想は7円増額して57円(同9円増配)としており、株価を下支えした。直近の受注環境や想定為替レートの変更を業績予想に反映した。10月以降の想定為替レートは1ドル=135円、1ユーロ=145円とした。4~9月の売上収益は前年同期比10.4%増の1870億5100万円、最終利益は同16.2%増の197億5900万円となった。
■日揮ホールディングス <1963> 1,634.5円 -215.5 円 (-11.7%) 本日終値 東証プライム 下落率2位
日揮ホールディングス<1963>が急反落。9日取引終了後に発表した4~9月期決算は、売上高が前年同期比50.9%増の4032億6100万円だった一方、営業利益が同31.5%減の130億700万円と大幅減で着地しており、これを嫌気した売りが出ている。大型プロジェクトの進捗により増収となったものの、利益面では海外子会社遂行案件のリスク見直しによる利益率低下が響いた。なお、通期の増収・営業増益見通しは据え置いた。
■ニコン <7731> 1,376.5円 -162 円 (-10.5%) 本日終値 東証プライム 下落率5位
ニコン<7731>が大幅安。9日取引終了後に発表した24年3月期業績予想の修正では、売上高を6700億円から6900億円(前期比9.9%増)へ引き上げた一方、営業利益を430億円から340億円(同38.1%減)へ引き下げた。大幅減益の見通しとなったことが嫌気され、売られている。映像事業やヘルスケア事業では好調な販売が見込まれるものの、調達部品単価の上昇や販売促進のための費用が増加する見通し。また、精機事業やコンポーネント事業では顧客都合による一部製品の来期繰越や半導体デバイスメーカーの低調な稼働、デジタルマニュファクチャリング事業では顧客の投資計画の後倒しによる影響がそれぞれあるという。
■河合楽器製作所 <7952> 3,430円 -375 円 (-9.9%) 本日終値 東証プライム 下落率6位
9日に決算を発表。「今期経常を7%下方修正」が嫌気された。
河合楽器製作所 <7952> [東証P] が11月9日大引け後(15:00)に決算を発表。24年3月期第2四半期累計(4-9月)の連結経常利益は前年同期比15.4%減の24.1億円に減った。併せて、通期の同利益を従来予想の54億円→50億円(前期は56.3億円)に7.4%下方修正し、減益率が4.2%減→11.3%減に拡大する見通しとなった。
⇒⇒河合楽器製作所の詳しい業績推移表を見る
■タカラバイオ <4974> 1,213円 -114 円 (-8.6%) 本日終値 東証プライム 下落率8位
タカラバイオ<4974>が大幅安。9日取引終了後に発表した24年3月期業績予想の下方修正では、売上高を533億円から455億円(前期比41.8%減)へ、営業利益を80億円から30億円(同85.4%減)へ見直した。これが嫌気され売られている。インフレ長期化や経済不況の影響を受けた世界のライフサイエンス研究開発市場の低迷や、製品やサービスの価格競争激化を背景に、試薬・機器事業や受託事業(遺伝子解析受託)の売上高が前回予想を下回る見通しのため。同時に発表した4~9月期決算は売上高が191億1600万円(前年同期比41.3%減)、営業利益が14億1000万円(同87.0%減)だった。
■ソフトバンクグループ <9984> 5,790円 -515 円 (-8.2%) 本日終値 東証プライム 下落率9位
ソフトバンクグループ<9984>が急反落した。9日の取引終了後に発表した24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算は最終損益が1兆4087億2700万円の最終赤字となった。7~9月期では9311億円の最終赤字で、4~6月期に比べて赤字幅は拡大した。米ナスダック市場に英半導体設計のアームホールディングス<ARM>が上場したことに伴って、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資損益は改善した半面、同ファンドの外部投資家持分の増加が連結全体の損益の悪化につながったほか、円安による為替差損も響いた。市場の一部で期待されていた自社株買いの発表がなかったうえ、足もとで米長期金利の低下が一服したことも逆風となっており、ソフトバンクG株に下押し圧力を掛けている。
■Ubicom <3937> 1,575円 +300 円 (+23.5%) ストップ高 本日終値
Ubicomホールディングス<3937>はストップ高の水準となる前営業日比300円高の1575円に買われた。9日の取引終了後に発表した24年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算は、売上高が前年同期比12.6%増の29億2900万円、経常利益が同5.7%減の4億6600万円となった。上期は経常減益となったが、7~9月期の経常利益は同25%増と大幅増益となり、業況を評価した買いを集めたようだ。上期の経常利益は為替差損を除くと増益となった。経済安全保障推進法の成立を機に、大手企業やシステムインテグレーター(SIer)が調達先を見直すなか、安全な委託先として同社への需要が大幅に増加し、グローバル事業の売上高が大きく伸長した。下期以降は採用エンジニアの本格稼働による稼働率の向上を見込む。更に、第3四半期(10~12月)から、グローバル大手企業との業務提携に向けた準備を開始するとしている。
■やまみ <2820> 2,706円 +500 円 (+22.7%) ストップ高 本日終値
やまみ<2820>がストップ高。9日の取引終了後に発表した24年6月期第1四半期(7~9月)の単体決算は、売上高が前年同期比24.1%増の44億円、経常利益が同2.8倍の4億1300万円となった。大幅な増収増益となったことに加え、経常利益の中間期計画に対する進捗率は約69%と順調で、業績の上振れを期待した買いが集まった。同社は豆腐などの製造・販売を手掛ける。大豆をはじめとした原材料価格やエネルギーコストが上昇するなか、価格改定を進め、国内産大豆による高付加価値商品への切り替えを行った。同業他社の廃業なども影響し販売数量が増加。更に、富士山麓工場は9月に単月で初めて利益を出すことができたという。
■セレンHD <7318> 1,682円 +300 円 (+21.7%) ストップ高 本日終値
セレンディップ・ホールディングス<7318>がストップ高の1682円に買われた。9日の取引終了後、24年3月期の連結業績予想について、売上高を168億円から191億円(前期比25.7%増)へ、営業利益を4億4700万円から6億円(同84.5%増)へ、純利益を2億3000万円から5億2000万円(同66.4%増)へ上方修正したことが好感された。「モノづくり事業」セグメントで、自動車メーカーの上期の国内生産が想定以上に高水準で推移したことが要因としている。また、取引先との間でエネルギーなどのコスト増加に対応する販売価格の修正を実施したことも寄与する。同時に発表した第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高94億9300万円(前年同期比41.1%増)、営業利益3億9700万円(同10.3倍)、純利益3億7800万円(同10.8倍)だった。
●ストップ高銘柄
タツミ <7268> 395円 +80 円 (+25.4%) ストップ高 本日終値
レシップHD <7213> 615円 +100 円 (+19.4%) ストップ高 本日終値
など、11銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース