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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「安値を付けやすい10月、年末を前に底打ちも」

株式評論家 富田隆弥

◆中東情勢の緊迫や米国株の下落も懸念されるが、日本は株安・円安・債券安の「トリプル安」に見舞われている。岸田首相の経済対策には与野党から批判が出る始末で、これでは内閣支持率も上がらず、海外投資家の視線も厳しくなる。困ったことだが、10月30日・31日の日銀金融政策決定会合と31日・11月1日のFOMC(米連邦公開市場委員会)が転機になるのかが注目される。

◆10月24日の日経平均株価は、一時447円安の3万0551円まで下落したがプラスで終えて、日足は長い下ヒゲを伸ばして底打ちを示唆した。だが、26日には668円安と急落して再び下値不安を募らせている。10月4日の安値3万0487円や200日移動平均線(26日時点3万0287円)の手前で踏ん張っているものの、厳しい地合いだけにこれらを割り込む可能性は否めない。ただ、テクニカル指標は短期RCI(9日線-81%)や騰落レシオ(75.74%)など底値接近を示すものが出てきている。

◆カギを握る米国市場は、ナスダックが200日線(26日時点1万2776ポイント)を割り込み、日足チャートは三段下げに突入した。決算を発表したアルファベット<GOOG>が急落してグロース株を押し下げているが、日足のRCI(9日線-93%)はやはり底値圏にきている。

◆「荒れる2日新甫」の格言通りに厳しい10月相場になったが、3週間の混乱を経て米下院議長が決まり、難航した全米自動車労働組合(UAW)との労使交渉でもフォード<F>が暫定合意に達するなど、八方ふさがりの地合いにも光が差してきた。11月になると、米国は24日の大規模セール・ブラックフライデー(感謝祭の翌日の金曜日)に向けて消費需要が盛り上がる。一方、日本も12月のボーナスシーズンに向けて投資家のマインドが上向き、株式市場は上昇しやすくなる。これら外部環境の動向を踏まえるならば、ここからは日経平均株価やナスダックの日足チャートに反転の動きがみられるかに注目したい。

(10月26日 記、次回更新は11月4日を予定)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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