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【市況】株価指数先物【寄り前】 リバウンド狙いのロングは限られ、ショートカバーが入りやすい


大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 31000 -220 (-0.70%)
TOPIX先物 2238.0 -13.0 (-0.57%)
シカゴ日経平均先物 31060 -160
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 20日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。前日に一時5.0%台を付けた米長期金利が4.9%台前半と上昇は一服したものの、中東情勢を巡る地政学リスクの高まりが重荷となった。ガザ地上戦が近づくとの見方が強まるなか、バイデン米大統領がイスラエル支援などの緊急予算を議会に要請したと伝わり、中東情勢の悪化に対する警戒感が強まった。リスク回避の流れからテスラ<TSLA>が6月以来の安値水準を付けたほか、アマゾン・ドット・コム<AMZN>やアップル<AAPL>、アルファベット<GOOG>など大型テック株が売られた。S&P500業種別指数は電気通信サービス、食品・飲料・タバコの2セクターのみが上昇した一方で、自動車・同部品、銀行、ソフトウエア・サービス、保険、エネルギーが下落。

 シカゴ日経平均先物(12月限)清算値は、大阪比160円安の3万1060円だった。日経225先物(12月限)は日中比10円高の3万1230円で始まり、一時3万1370円まで買われた。その後は軟化し、3万1210円~3万1340円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にレンジを下放れ、3万1040円まで下落した。売り一巡後はリバウンドにより3万1270円とプラスに転じる場面も見られたが、終盤にかけて売り直され、3万1000円とナイトセッションの安値で取引を終えた。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、売り先行で始まることになりそうだ。節目の3万1000円まで下げてきたことで、いったんはショートカバーが入りやすいタイミングと考えられる。ただし、中東情勢を巡る地政学リスクの高まりを背景にリバウンド狙いのロングは限られ、戻りの鈍さが次第に意識されやすい。反対に、戻り待ち狙いのショートが入りやすい需給状況であろう。

 日経225先物はナイトセッションでボリンジャーバンドの-1σ(3万1230円)を明確に下回り、-2σが位置する3万550円辺りのほか、10月5日に付けた直近安値の3万300円処が目先のターゲットとして意識されてきそうだ。そのため、3万1000円処での底堅さを見極めつつ、-1σ接近で上値の重さが意識される局面では、ショートスタンスに向かわせそうだ。オプション権利行使価格の3万1000円を中心に3万500円から3万1250円のレンジを想定する。

 VIX指数は21.71(前日は21.40)に上昇した。10月4日に付けた20.88から12日には一時15.44まで低下したが、その後は同水準に位置する75日移動平均線を支持線として上昇しており、3月半ば以来の水準まで切り上がってきた。週足形状では52週線を明確に上回ってきており、3月の年初来高値である26.52を意識したトレンド形成が警戒されてリスク回避に向かわせやすい。

 来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えていることもあり、今週発表される米経済指標の結果に米長期金利は反応しやすいだろう。また、大型テック企業の決算を控えていることも様子見姿勢につながりやすく、商いは膨らみづらい状況が続くと考えられる。リバランス中心の需給となるなか、より短期的な売買の影響を受けやすく、その後のカバーも速そうだ。

 なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で13.86倍に低下した。足もとで節目の14.00倍を回復した後の低下である。米国で大型テック銘柄が売られた流れもあり、目先的には13.78倍辺りに位置する25日線水準までの低下は意識しておきたい。ただし、地政学リスクの高まりに伴うポジション圧縮は、積み上がっていたバリュー株の売りにつながり、NTでのスプレッド狙いは取りづらいと考えられる。

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